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(回答先: イラクで電磁波武器配備へ 非致死性、市街戦を想定(共同通信) 投稿者 ひとこと 日時 2004 年 9 月 16 日 22:45:52)
■非致死性兵器(Lethal weapons)
敵対する相手の人間を殺傷することなく、また兵器を破壊しないで戦闘能力を奪う兵器で、米国では冷戦終結に伴い地域紛争、平和維持活動、人道援助活動が増えることから、今後こうした非致死性兵器の役割が増すと見ている。1992年のソマリアでの作戦では、群衆と敵対勢力の見分けが付きにくく、おまけに暴徒の排除に苦慮したため、米軍は非致死性兵器の試験的導入を行った。
非致死性兵器には様々なものがあるが、代表的なものとしては、ゴム弾、催涙弾、高圧放水銃、体内に破片が食い込まない地雷、強力な光と音を発生させて一時的に戦闘力を奪うスタン・グレネード、レーザー光線で相手の視力を奪う眼潰しレーザー、粘着性の物質で人間や車両の行動を奪う粘着フォーム、あるいは逆に滑走路を滑りやすくして航空機の離発着を妨害する潤滑剤、吐き気を起こさせる電磁波、堪え難い不快感を催させる音響兵器、平衡感覚を失わせる低周波、電子兵器の回路を破壊する電磁パルス、金属の腐蝕を促進させる強力な酸化剤などがある。
だが国防予算の削減で、米軍では開発中の計画の半分以上が廃止となった、という。しかし、非致死性兵器開発の責任を負っている当局者は、「資金の節約より、開発計画に優先順位を付けたためである。各軍がバラバラに開発を進めていたものを統合し、有用でない計画を廃止しただけだ」と指摘している。
一方、スマート兵器と言われる非致死性兵器が本当にスマートなのかどうかという疑問の声も出ている。例えば、レーザーで視力を奪ったり、体中に堪え難い痛みを発生させたり、マイクロ波で脳波を操作することが、果たして人道的兵器なのであろうかというものである。暴徒鎮圧用に使われるゴム弾でも当たり所が悪ければ死亡するケースもあるわけで、何らかの国際的な規則が必要といわれている。(『世界軍事・兵器情勢〈’98〉漂流する兵器・拡散する戦争』江畑謙介著)
米国防総省の研究機関である国家戦略研究所が九七年二月四日に発表した「一九九七年戦略概観」によると、イラン、イラク、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の脅威は、これらの国の経済と軍事的諸問題が増大するにつれて減少し、二〇一〇年から二〇一五年ごろには、むしろロシアや、テロリスト、あるいは地域紛争から分派した勢力が台頭して、イラクや北朝鮮よりも重要な問題になるだろうと予測している。
また、そこころ米国に敵対する勢力は、精密攻撃兵器、神経ガス、インフォメーション・ウォーフェア能力を持ち、大規模な機甲師団や戦闘機、爆撃機部隊を使わなくても、米国に対する致命的攻撃を加えられるようになる。これに対して、米国はジョイントSTARS、ステルス長距離攻撃機、非致死性兵器などを駆使する方法で対応できるだろうとしている。(『世界軍事・兵器情勢〈’98〉漂流する兵器・拡散する戦争』江畑謙介著)