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社説:
沖縄米ヘリ墜落 日米の合同検証なぜできぬ
米海兵隊の大型輸送ヘリの墜落炎上事故に対して地元・沖縄が強く反発している。沖縄には全国の在日米軍基地の75%が集中し、最も危険だと言われる普天間飛行場近くで事故は起きた。大惨事になるところだっただけに、地元の怒りは当然だ。
首をかしげたくなるのは、政府の対応だ。事の重要性を本当に認識しているのかどうか。国民の命が危険にさらされ、事故をきっかけに日米安保体制が大きな批判を浴びそうだというのに、政府が一体となって問題処理に取り組む姿勢がみられない。
事故があった沖縄県宜野湾市は市の中央部に米海兵隊の普天間飛行場がある。その周辺に市街地が広がっている。昨年11月にラムズフェルド米国防長官が上空から視察し、「事故が起きないのが不思議だ」と語ったといわれる。
その上空での飛行は慎重のうえにも慎重でなければならない。米海兵隊もそのことは十分にわかっているはずだ。しかし、国防長官の予測が不幸にも的中した。幸い住民に犠牲者は出なかったが、住民のショックは計り知れない。
さらに在日米軍の対応が国民感情を逆なでした。事故機の現場検証を求めたのに対し、在日米軍は当初「検討中」と答え、機体の撤去後の17日に検証の拒否を通告。加えて事故機の同型機を除くヘリの訓練再開を伝えてきた。
日米地位協定の実施に伴う刑事特別法13条などでは、県警の検証は米側の同意が必要だという。不可欠なはずの日米合同の現場検証を米側が拒否したのは納得できない。米側だけの検証では、再発防止策が出ても信ぴょう性に疑問が生じかねない。米側は正確な情報をきちんと公開し、地元の不信感を少しでもぬぐってほしい。
普天間飛行場は、米兵の少女暴行事件で反米運動が高まる中、96年に日米両政府が「十分な代替施設の建設」を条件に5〜7年以内に返還することで合意した。
だが、沖縄県が使用期限を15年間とするよう要求し、これに難色を示す米軍との調整がつかず、事実上、移設の動きがストップしている。事態がこう着している中での事故だけに地元住民のいら立ちは察するに余りある。
米軍の世界的な変革・再編(トランスフォーメーション)で在日米軍基地も初めて大規模改編される。政府は今回の事故を機に米軍に普天間飛行場の返還を働き掛けることが出来ないのか。時間をかけても進まない「移設」はもう現実的ではない。
宜野湾、沖縄両市議会などは17日、普天間飛行場の早期返還などを求める意見書を可決。知事は近く上京し政府に普天間飛行場の移設でなく返還を求める意向だ。
政府は外務省を通じ米大使館に再発防止などを求めているが、政治のリーダーシップで真剣に事態を収拾しようとしているようには見えない。小泉純一郎首相はただちにブッシュ米大統領に電話で善処を要請し、政府内に対策本部を設置すべきだったのではないか。首相官邸はまだ夏休みなのか。
毎日新聞 2004年8月18日 0時35分
http://www.mainichi-msn.co.jp/column/shasetsu/news/20040818k0000m070151000c.html