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常任理入り「9条の再検討必要」 米国務長官が会見
パウエル米国務長官は12日、朝日新聞など在ワシントンの報道機関計7社と会見し、日本が国連安全保障理事会の常任理事国になることを目指すなら、日本国憲法9条が現状のままで問題がないかどうか検討する必要があるとの考えを示した。また、イランのアザデガン油田開発に日本が乗り出すことに対し、同国の核兵器開発疑惑を理由に再考を促した。北朝鮮の核問題では、北朝鮮が求める重油支援への参加を拒絶する一方、資金面で核の解体を支援する意向を示し、ウラン濃縮計画も含めた核の完全な放棄を改めて求めた。
ワシントンの国務省で会見したパウエル長官は、憲法9条について「日本の人々にはとても、とても強い思い入れがある」との認識を示し、憲法9条の「重要さ」や日本の憲法に9条が盛りこまれている背景を理解しているとも述べた。しかし、「日本が国際社会で十分な役割を演じ、安保理でフルに活躍する一員となり、それに伴う義務を担うというのであれば、憲法9条は(現状のままで問題がないかどうか)検討されるべきだろう」と明言した。
ただし、「憲法9条を修正するか、変更するかどうかは、もちろん絶対的かつ完全に日本の人々が決めるべき問題だ。それは皆さんの憲法だからだ」とも語った。さらに「米国が決して意見を言うつもりはない」と付け加えた。
一方、イランについては「核兵器を開発しようとしていることが明白だと思う」と指摘。国際原子力機関(IAEA)理事会が同国の核査察に対する協力が不十分と非難していることや、同国のハラジ外相がウラン濃縮用の遠心分離器の製造再開を表明したことにも触れたうえで、「日本の政府と経済界は、こうしたことを考慮したうえで、イランが投資をすべき場所か、エネルギー関連の商取引をすべき場所かどうかを判断するよう望みたい」と述べ、アザデガン油田開発への参加を再考するよう強く促した。
さらに「日本政府は私たちの見解を知っている」と述べ、こうした意向はすでに日本政府に伝えていることも明らかにした。
一方、北朝鮮の核問題については、6月の第3回6者協議で米国が解決に向けた具体策を示し、北朝鮮が核の放棄を表明すれば暫定的な「安全の保証」を与え、3カ月の準備期間後に行動を起こせばテロ支援国家指定や経済制裁の解除も検討すると表明したことを踏まえ、「私たちは柔軟性を示した」「次に動かなければいけないのは北朝鮮だ」と指摘。ボールは北朝鮮の側にあるとの立場を強調した。
また、94年の米朝枠組み合意を破って北朝鮮がウラン濃縮計画に着手したことを批判し、「(米国は)同じ道は歩まない」と述べ、北朝鮮が米国に求める重油支援への参加も拒否した。
さらに日中韓と東南アジア諸国連合(ASEAN)が進める東アジア共同体構想について「こうした枠組みの必要性については、まだ納得していない」としながらも、「米国と地域の友人たちの2国間関係が損なわれないのなら参加は自由だ」と述べた。
(08/13 14:49)
http://www.asahi.com/international/update/0813/003.html