http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040813-00000009-san-int

【カイロ＝加納洋人】イラク駐留米軍は十二日、中部ナジャフでイスラム教シーア派反米指導者ムクタダ・サドル師の民兵組織「マフディー軍団」に対する大規模掃討作戦を開始、ナジャフ北東のクートなどでも民兵勢力への攻勢に出た。ロイター通信は、米軍部隊がナジャフ市内のサドル師宅に突入したとする目撃情報を伝えた。
　イラク暫定政府のアラウィ首相は、民兵組織に対し武装解除に応じるよう呼びかけたが、各地でなお戦闘が続いている。イラク保健省は、十二日までの過去二十四時間に各地の戦闘で民兵ら百七十二人が死亡、約六百四十三人が負傷したと発表した。このうちクートでは、米軍のサドル派民兵への空爆で七十五人が死亡した。
　米軍地上部隊は十二日朝から、ナジャフのアリ聖廟（せいびょう）や周辺の墓地を包囲し、米軍の戦闘機やヘリコプターがサドル派民兵のたてこもる墓地周辺を空爆。サドル師の自宅周辺も爆撃を受け、続いて部隊が急襲したという。同師は聖廟内に立てこもっているとロイター通信は伝えた。戦闘には米兵約二千人とイラク国家保安隊員約千八百人が参加した。
　駐留米軍は同日、「アラウィ首相の承諾を得た作戦」と発表。米軍のレッセル准将は「（シーア派が神聖視する）アリ聖廟やモスクは掃討対象ではない。目的は民兵の移動を封じて孤立させることだ」と強調。周辺の一般住民には避難を呼びかけ、数千人が避難を始めた。（産経新聞）
[8月13日3時28分更新]

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