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チェチェン泥沼、プーチン政権の悪夢拡大…旅客機墜落
【モスクワ=古本朗】ロシアで24日に発生した旅客機2機の連続墜落は、チェチェン・イスラム武装勢力による同時テロだった疑いが強まる中、露社会では「テロから身を隠す場がない」という新たな恐怖が広がりつつある。
この状況は、チェチェン情勢正常化への政策を打ち出す度に、テロで足下を崩されるプーチン政権の悪夢の連鎖を象徴するものだ。
プーチン大統領は、130人近い犠牲者を出した一昨年10月の武装勢力によるモスクワ劇場占拠テロの後、現地に親モスクワ政権を正式発足させ矢面に立たせることで、戦争を「現地人同士の対決」へ転化させようとする「チェチェン化政策」を急速に進めた。
その主眼として、昨年10月に共和国大統領選挙を強行し、地元有力者のアフマト・カディロフ氏を当選させたが、同氏は今年5月に首都グローズヌイでの式典中、武装勢力の爆弾テロであえなく暗殺された。
今月29日には、改めて大統領選を設定し、力量不足が指摘されるアル・アルハノフ共和国内相を後継に据えるべく仕切り直しへ動いていた。
ところが、武装勢力は、6月末に隣のイングーシ共和国へ大攻勢をかけ、地元警官ら約100人を殺害。今月21日には連邦軍に支配されているはずの首都グローズヌイでも激しい攻撃を決行し、プーチン政権が首都すら掌握し切れず、周辺への戦火拡大も防げない実態を暴き立てた。
そればかりか、武装勢力の総帥アスラン・マスハドフ元共和国大統領は、7月中旬、攻撃の手をモスクワなどに広げることを予告。モスクワ発の旅客機が巻き込まれた今回の事態は、予告を実行した疑いがある。
さらに、テロと断定された場合、武装勢力が初めて空での殺戮(さつりく)に成功したことを意味し、社会に与える衝撃は一層重大だ。
劇場占拠テロや、昨年7月のモスクワ郊外のロック・コンサート会場での自爆テロは、「憩いの場所が流血の舞台と化す」(消息筋)不安を市民に植え付けた。今年2月のモスクワ地下鉄爆弾テロは、通勤・通学の足である公共交通機関が格好の標的であることを実証。そして、今回は、その恐怖が、国土の広大なロシアでは避けて通れない航空路にも転移しつつある。
「街を歩いても、劇や音楽を楽しんでいても、バス、地下鉄に乗っても、空を飛んでいても常にテロに襲われる恐怖」(同筋)がプーチン政権を揺さぶっている。
(2004/8/25/13:57 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20040825id03.htm