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40人以上が死亡した2月6日のモスクワ地下鉄爆弾テロから1週間後の13日、カタールの首都ドーハで、ロシア・チェチェン共和国の独立派指導者、ヤンダルビエフ元共和国大統領が暗殺された。モスク(イスラム礼拝所)での金曜礼拝から帰る途中、車の下に仕掛けられていた爆弾が爆発、息子も重傷を負った。
この事件では、カタールに潜伏していたロシア人2人が殺人容疑で逮捕され、裁判が始まったが、カタールの新聞アル・ラヤフは最近、裁判資料を基に暗殺指令を出したのは、ロシアのセルゲイ・イワノフ国防相だと報道、反響を呼んでいる。
イワノフ国防相はプーチン大統領の側近中の側近で、後継者の最有力候補。国防相の報道官は「馬鹿げた報道であり、論評に値しない」と反発したが、報復テロ関与説は政治的将来に大きな打撃となろう。
ヤンダルビエフ氏は3年前にカタールに亡命。ロシア治安当局は、チェチェン武装勢力と密接に連携を取り、資金集めを担当していたとみていた。それだけに、ロシア政府が地下鉄テロの報復として、あえて主権を侵し、カタールで暗殺を実行した可能性があるのだ。
政権の検閲を恐れるロシア各紙が、報復テロは国防相の命令とするカタール紙の報道を大きく掲載したのも意外だった。イズベスチヤ紙は「国防相が命令したとすれば、プーチン大統領が知らないはずはない」と述べ、プーチン大統領関与の可能性に言及した。
ノバヤ・ガゼータ紙は、逮捕された2人は軍の情報機関、参謀本部情報総局(GRU)の要員だと報じた。GRUは暗殺やテロなど秘密工作を行う特殊部隊を持ち、国防相が管轄する。
評論家のピオントコフスキー氏は「GRUは旧ソ連国家保安委員会(KGB)より秘密性が高く、爆弾操作にも慣れている。通常、この種の任務は国防相の決済が必要だ」と指摘した。
現在のプーチン政権は軍・治安・情報機関など「暴力装置」出身者が上層部を固めるKGB政権。チェチェンでの強硬路線がプーチン政権誕生の契機となっただけに、一連のチェチェン人のテロを座視することは面子が許さなかった。
ロシア政府がカタール人2人をモスクワで拘束し、交換釈放を画策するなど、2人の釈放に躍起になっていることも、政権関与説を強めている。
シロビキ(力の支配)と呼ばれるプーチン政権の恐怖体質を示した事件かもしれない。
http://www.tbs.co.jp/newsi_sp/eurasian/040416.html