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http://www.asyura2.com/0406/war57/msg/1245.html
投稿者 外野 日時 2004 年 8 月 01 日 03:09:38:XZP4hFjFHTtWY
 

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 朝日新聞 2004.06 [朝刊]

 『戦争・写真でどう伝える』

 朝日新聞社の「報道と人権委員会」(PRC)は8日、2期第8回の定例会を開
き、戦争の遺体写真や残虐な写真をどう扱うか、少年容疑者の似顔絵公開を掲
載するか、について議論した。また、PRCの議論を踏まえて完成した朝日新
聞社の「事件の取材と報道2004」について感想を聞いた。、(司会=津山昭英
・報道と人権委員会事務局長)

 ■一般原則の適用疑問(原氏)

 ──イラク戦争の残虐な映像、写真が状況に影響を与えている。どう扱うべ
きか。

 花井尊・映像本部マネジャー
 戦争の遺体写真、残虐な写真は、明確な掲載基準はなく一枚一枚判断してい
る。
 フセイン氏の息子ウダイ氏、クサイ氏の遺体写真は毎日、産経が載せて、朝
日、読売は載せなかった。遺体という以上の意味はなく、読者に不快感を与え
ると考えた。ファルージャで米国人が虐殺され黒こげで鉄橋につるされた写真
は米国でも大議論になり、ニューョーク・タイムズが1面に載せた。朝日は米
紙がどう取り上げたかという形で各紙の紙面を複写して載せた=写真上。
 日本人人質がナイフで脅迫されている場面は毎日は載せたが、朝日は人質の
状況について情報が交錯していて、犯人に協力することにもなりかねないとい
うこともあって掲載しなかった。家族が見たらどう思うかと考えたが、後から
家族が載せてほしいと表明した。イラク人の虐待写真は遅れ気味で載せた=同
下。一連の虐待写真は戦争の風向きが変わるぐらいの意味の大きい写真だった

 朝日の一般写真の基準では遺体写真は原則として扱わない、ただし、読者に
不快感、醜悪感を与えないでしかも事件の全容、核心を人道的な立場から表現
できるときは弾力的に考える、となっている。戦争の実態を伝えるため戦争写
真の掲載基準を別に検討すべきだと社内でも指摘がある。

 亘理信雄外報部長
 一般基準の「ただし」以下の要素が戦争写真にはあふれ、いつも悩む。例え
ばウダイ氏、クサイ氏の写真を米軍が発表したのは旧政権の運中はこうやって
捕まるという政治的なメッセージだ。ファルージャの焼死体は、ソマリアで米
軍ヘリが撃ち落とされて犠牲者が残虐に扱われ、米軍撤退につながったことを
想起させた。逆に反米武装勢力の掃討作戦を強めるきっかけにもなった。

 原寿雄委員
 イラクでは戦争報道の環境が変わった。これまでは第三者的な報道で済んだ
が、今や自衛隊が行っているイラクの戦争報道だ。日本では遺体写真を出さな
いという一般原則が戦争の場合にも拡大適用されてあまり疑問を持たなかった
。だが、残虐さを出したくないのは、戦争を遂行する側も同じだ。人権尊重の
善意が、情報操作の結果と同じになる場合もある。
 戦争の残虐な現実は、死者の尊厳や捕虜の人権への配慮を超えても報道すべ
き場合が少なくない。写真が戦争の行方を変えることが起きる。平時の原則の
拡大適用をぜひ、見直してほしい。戦争報道の場合は歴史的なニュース価値を
もっとシビアに見るべきだ。

 ■日本人の感覚と距離(尾崎氏)

 尾崎行信委員
 日本が深みにはまった戦争と、そうでない場合では違うのではないか。イラ
クの映像では、米国の市民が悲惨な写真に持つ感覚と、日本人が持つ感覚は全
く違うだろう。現状では日本ではそれほどみんなが強い関心を持っていないと
も思うから、一般の報道では遺体を載せないという原則があるのに、他国の戦
争で例外だといって載せる必要があるのかという気がする。
 ただ、世界ではこういう野蛮なことが行われている、愚かなことを何とかや
めさせたいというメッセージを送るために載せるなら、明確にそう言って掲載
すればいい。何のためかよくわからないまま載せている部分があるのではない
か。

 
 それは一つの考え方だが、例えば刑務所での虐待がイラクの反米感情を強め
、米国でも戦争への批判を強めていることが映像なしでわかるのか。「残虐映
像 米世論に影」という朝日の1面トップ記事が映像なしでいいのか。何がも
とになったのかを知らせるために映像は必要だ。

 浜田純一委員
 ここで取り上げたのは一つを除くと外国の例だ。本人、家族の人権の問題や
読者の不快感は国内の事件や日本人の写真とは距離感が違うと思う。また、遺
体写真は非常に衝撃が強いので、普通の写真以上に、何を伝えたいか、何を議
論してもらいたいかはっきり意識しておかないといけないと思う。
 ファルージャの虐殺写真は、激しい攻防のきっかけになり、後から考えても
絶対載せておかなければいけない写真だった。朝日の載せ方は非常によかった
。この問題を米国人がどう考えているか、どう受け止めているかを伝えたから
だ。この写真をニューヨーク・タイムズのように日本の新聞が普通に載せるに
は情報が不十分だし、場合によってはインパクトが強すぎて何が問題かを見失
わせる可能性もある。

 
 いい出し方だとは思うが、一報の段階で載せる判断がなぜなかったのか。橋
につるして民衆が万歳しているようなただならぬ反米感情の表出だ。日本から
見ても「これは大問題になるな」と思え、淡々と扱ってもよかった。素直に考
えればあっていいという判断もあるのに、日本の新聞が結果的に足並みをそろ
えて抑えたのは、遺体は載せないという一般写真の遺体原則のせいではないか

 ■衝撃強く意味明確に(浜田氏)

 浜田
 写真のインパクトが強すぎて、日本の新聞が適切に扱えたろうか。この写真
のメッセージ性の中身を正確に伝えられるのか。「とにかくひどい」という印
象的な感覚だけ先行させずに深いメッセージを込めて読者に送るのは非常に難
しいと思う。それだけ写真は怖い。

 ──イラク人の虐待写真は裸ということもあって最初はあまり扱わず、米国
で大問題になり、国際政治にも影響を与えるにつれたくさん扱い出したという
経過だった。

 浜田
 写真がなければ議論のしようがなかった。戦争の行く末に深刻な影響を与え
る事件で、どうしても載せる必要があった。人権への配慮では、写真のイラク
人は比較的特定しにくいので、そう問題ではない。

 
 捕虜の虐待の写真を出すこともジュネーブ協定違反になるが、協定違反を告
発しようと思えば写真は不可欠だ。

 ──日本人人質の脅迫場面の写真などは。

 尾崎
 普通は掲載されたら家族が怒るのに、この場合はもっとテレビなどで流して
くれと言っている。非常に特異な例だが、映像が入ってきた段階ではこの人た
ちの生死を含めてはっきりしていなかったから、載せない判断でよかった。

 浜田
 人質事件では、犯人を利することがないようにするのが原則だ。このような
映像はインパクトがあるが、全部出してしまうと、メディアがどんどん犯罪に
利用されてしまう。

 
 人質に刃物が当てられている映像は、生身の家族が見る、読むことを考える
と当然、配慮する余地がある。
 ファルージャの虐殺写真もアブグレイブの虐待写真もイラク戦争の本質を象
徴する歴史的映像ではないか。そういうものを逃さない目、報道センスが、一
般の遺体写真原則でゆがめられていないか、考えてみるべきだ。
 反戦世論が強まるのを防ぐための情報操作にも毅然と対応すべきだ。米兵の
遺体が帰るドーバー基地の取材禁止や、イラク人虐待のテレビ放送に軍首脳が
待ったをかけたような事実も重視して考えるべきではないか。戦争を意図的に
クリーンに演出しようという考え方が一方にあるわけだから、日本のメディア
も勝負を求められている。
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Re: 先ほどその場面をTVニュースで見ました 投稿者 バルセロナより愛を込
めて 日時 2004 年 4 月 21 日 by 阿修羅
http://www.asyura2.com/0403/war53/msg/470.html

先ほどその場面をTVニュースで見ました

たまたま珍しく仕事から早く帰れてTele5チャンネルの夜のニュースをつけた
ところ、イスラエルの戦車が石を投げる少年たちに向かって機関銃を発砲し、
少年たちが砂丘のあちこちを逃げ惑っていく場面が放映されていました。死亡
したと思われる少年でテレビに映っていたのは一人でしたが、血みどろになっ
て仲間の少年に抱えられて運ばれていきました。その後それにもめげず子供た
ちは無駄と知りつつ石を投げつづけていました。たとえ撃ち殺されても、そう
せざるを得ない、そうすることによってしか今の張り裂けそうな気持ちを処理
することができない、子供たちがそこまで追い詰められているのです。

こちらでは夜の8時半か9時からがゴールデンタイムで、スペイン人たちは夜
の9時前後から食事をするのが普通です。その時間帯にパレスチナやイラクで
の惨状が修正無しで放映されます。機関銃に打ち抜かれ地を吹いて倒れる少年
、ファルージャなどでばらばらになった手足、赤ん坊の泥まみれの死体、これ
が現実で、その現実を見てどう思うのかは見る側の作業でしょう。もちろん「
カミカゼ」攻撃で死んだイスラエル人の姿も映りますし先日のファルージャで
の米人焼き殺しも報道されていますが、数的にも圧倒的に差があります。実際
の死者数はもっと差があるでしょう。

ただでさえ1898年のハバナ港での「メイン号事件」で、アメリカに「だま
し討ち」の汚名を着せられたうえに帝国主義戦争に敗退した歴史的トラウマを
100年以上も忘れないスペイン人が、このような中近東での現実をそれこそ
茶の間で目の当たりにするのですから、どんな意識になるか、説明を要しない
でしょう。これでも親米・親イスラエルでいられるのか、ということです。

同様に「だまし討ち」の汚名を着せられた上に原子の火で広島・長崎市民を生
贄にされた日本なのですが・・・、何ともまあ、お人のよろしいことで。日本
の「親米意識」は、マスコミが隠すことによって捏造されたものでもあります
が、一般の日本人自身の責任でもあります。

日本人には伝統的に「血の穢れ」「死の穢れ」を嫌う民族性があるでしょうか
ら、こちらと同じようなテレビ報道をすれば「どうしてこんな残酷な場面を茶
の間に流すのか」という非難が轟々と沸き起こるかもしれません。先日も、日
本人観光ガイドの人が言っていたことですが、観光客がこちらのテレビで、ア
フリカからの密航者の船が転覆して海岸にいくつかの死体が打ち上げられてい
るのがニュースの映像になったのを見て、「なぜここのテレビはこんな場面を
写すのだ。死んだ人を写さなくてもいいじゃないか。」と怒っていたそうです

もちろん「死者の尊厳を傷つけている」ということかもしれませんが、これは
現実なのです。貧困にあえぐアフリカ人たちが、地元のマフィアに巻き上げら
れてでもヨーロッパに行って何とかましな生活をしたい、と押し寄せてくる、
その途中で亡くなる人も日常茶飯事、といってよいくらいある。それほど世界
的な貧富の差が激化している証拠です。これも恐らく「緩慢な戦争」なのでし
ょう。そして「激しい戦争」も日常化している。その世界の現実の中にいなが
ら、それを見ることを嫌がる。先ほど述べた民族性にしても、閉じ込められた
環境の中で、極端に厳しい身分制度の元で「見ざる、言わざる、聞かざる」で
しか身の安全を保つころができなかった奴隷の精神の名残であり、この奴隷根
性を日本人自らが崩していかない限り、今からの世界の中で生きていくことは
難しくなるのではないか、と思います。

私はこの、現実から目をそむけながら平和だの繁栄だのを云々できる多くの日
本人の神経を忌み嫌います。はっきり「怠惰だ」と思います。「知的怠惰」で
す。マスコミが「見せない」だけでなく、「見たくない」という意識に対する
「天罰」が、最後には、日本人に「見ざるを得ない現実」となって降りかかる
のではないでしょうか。
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Re:血と涙を大地に吸わせ続けた人類史、しかし嘘は最も許せない 投稿者 バ
ルセロナより愛を込めて 日時 2004 年 6 月 21 日 by 阿修羅
http://www.asyura2.com/0406/war56/msg/959.html

血と涙を大地に吸わせ続けた人類史、しかし嘘は最も許せない

バルセロナのような街に居ますといろんな人に出会います。

(略)
内戦の打ち続くコンゴからやって来た人とも知り合いました。キンサシャの大
学で助教授をしており、奨学金をもらってカタルーニャ工科大学で数学を勉強
するために来たわけですが、戦乱で自分の生まれ育った村は荒れ果て、こちら
での勉強が済んだらキンサシャの大学に戻りたいのだが、その前に村に帰って
再建の手伝いをしたい、と語っていました。アフリカの国々の内戦の背景には
、欧米の大企業による地下資源を巡る利権争いがあります。金のためにある部
族を煽り立てて殺し合いをさせるわけです。こちらのテレビでは日本では決し
て写さない残酷な場面を放映しますが、今まで見た中でも、コンゴの内戦中に
命乞いをする反対派部族の男を、銃を持った民兵が橋の上から川に突き落とし
て上から銃で撃ち殺している場面が、最もショッキングでした。また対立部族
の村を襲って子供たちの手や足を切り取っていくのです。片手や片足を失った
幼い子供たちの姿は目に焼き付いて離れません。あのコンゴ人は今ごろどうし
ているでしょうか。キンサシャの大学に戻れたのでしょうか。わかりません。
(略)
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『DAYS JAPAN』
http://www.daysjapan.net/index.html

 人々の意志が戦争を止める日が
 必ず来る

 一枚の写真が
 国家を動かすこともある

発刊の趣旨 広河隆一
http://www.daysjapan.net/info/content.html

今、情報はあふれているものの、どの情報を信頼していいのかわからない状況
に私たちは置かれています。アフガン、パレスチナ、イラクと次々と戦争があ
るたびに既存の大手メディアへの信頼感は少しずつ薄れ、あらゆる情報にバイ
ヤスがかかっていることを、みんな感じています。戦争前に戦争誘導型の記事
が現われたり、その戦争の遂行に水を差す記事や写真は、編集部のデスクから
上には上がらなかったり、「読者投書」欄の意見も注意深く選択されているこ
とがわかります。

 アフガニスタンの戦争でもイラク戦争でも、現場から責任を持って報告する
フォト・ジャーナリストはいないわけではありませんでした。でも日本ではそ
うした写真は比較的少なかったのが実情です。日本のメディアがそうした写真
をあまりほしがらなかったからです。

 すぐれた写真を撮るフォト・ジャーナリストは存在する。しかし発表するメ
ディアが少なすぎる。つくづくそう思ったのです。

    ※    ※

編集部便り
http://www.daysjapan.net/diary/diary_1.html

 編集部には、掲載される写真を構成しながら、ぼろぼろ涙を流している人や
、「編集室に入るときには自分の感情を閉ざして入ることにしている。でない
と仕事ができない」と言う人がいます。つらすぎる写真と向き合わなければな
らないのです。それも日本が後押ししたアメリカの爆撃の結果ですから、私た
ちには見る義務があるのです。
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