★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > 戦争56 > 959.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
Re:血と涙を大地に吸わせ続けた人類史、しかし嘘は最も許せない
http://www.asyura2.com/0406/war56/msg/959.html
投稿者 バルセロナより愛を込めて 日時 2004 年 6 月 21 日 07:03:02:SO0fHq1bYvRzo
 

(回答先: ありがとう 投稿者 初めて投稿します。 日時 2004 年 6 月 21 日 00:44:10)

血と涙を大地に吸わせ続けた人類史、しかし嘘は最も許せない


バルセロナのような街に居ますといろんな人に出会います。

私が最初スペイン語を学ぶために語学学校に通っていたころ、初老のアメリカ人がスペイン語を学びに来ていました。話をしますと、ハンガリー動乱(1956年)の際にソ連軍の戦車に終われて、家族で命からがらオーストリアに逃げ、そこで乞食のような生活をしてドイツに移り、最後はアメリカに渡ってやっと生きる術を見つけたそうです。なぜそんな年になってスペイン語を学びに来たか、と聞くと、ロサンゼルス市の委託で貧しいヒスパノ・アメリカンたちの面倒をみる、言ってみれば民生委員のような仕事をすることになったためだ、ということで、「自分と同じように異国で苦労している人の役に立ちたい」と語ってくれました。私は、こんな人がいる限りアメリカという社会も見捨てたものではないな、と思いました。(現在このようなアメリカを見捨てているのはブッシュとその一党ですが。)

また、後になって知り合ったチリ人の老女がいるのですが、1973年のビノシェットの軍事クーデターの際に命がけで脱出し、亡命生活の果てにバルセロナに流れ着いたと言う人です。1998年12月に、元独裁者ビノシェットがロンドンの病院に来ていて、スペインのガルソン判事がクーデターの際のスペイン人殺害の容疑で起訴したわけですが、彼女は、数万人の同朋を虐殺した独裁者への長年の恨みが晴れる可能性に喜んでいました。しばらくして会う機会がなくなったのですが、2年後に米国の圧力によってビノシェットは犯罪者としてスペインに送られること無く、チリに戻ってしまいました。彼女の嘆きがどれほどだったでしょうか。

内戦の打ち続くコンゴからやって来た人とも知り合いました。キンサシャの大学で助教授をしており、奨学金をもらってカタルーニャ工科大学で数学を勉強するために来たわけですが、戦乱で自分の生まれ育った村は荒れ果て、こちらでの勉強が済んだらキンサシャの大学に戻りたいのだが、その前に村に帰って再建の手伝いをしたい、と語っていました。アフリカの国々の内戦の背景には、欧米の大企業による地下資源を巡る利権争いがあります。金のためにある部族を煽り立てて殺し合いをさせるわけです。こちらのテレビでは日本では決して写さない残酷な場面を放映しますが、今まで見た中でも、コンゴの内戦中に命乞いをする反対派部族の男を、銃を持った民兵が橋の上から川に突き落として上から銃で撃ち殺している場面が、最もショッキングでした。また対立部族の村を襲って子供たちの手や足を切り取っていくのです。片手や片足を失った幼い子供たちの姿は目に焼き付いて離れません。あのコンゴ人は今ごろどうしているでしょうか。キンサシャの大学に戻れたのでしょうか。わかりません。

アルゼンチン国籍のロシア系ユダヤ人とも知り合って今でも付き合っています。おじいさんがロシアでのボグロム(ユダヤ人集団虐殺)を避けてアルゼンチンに渡ったのですが、彼はまだ共産主義時代だった東ヨーロッパで音楽を勉強してプロのピアニストになっています。ユダヤ人同士の連絡網があったのでしょう。しかしあまり熱心なユダヤ教とでもなくこちらではシナゴーグにも行きません。またイスラエルには決して行こうとしません。シオニズムが何か、うすうす感じているようです。

もっともっとあるのですが、言い出すときりがありません。このような現代だけでなく、昔から人間の歴史は血と涙を大地に吸わせ続けた歴史なのでしょう。そして世界がどれほど悲しみや憎しみに満ちていても、そこで必死に生きていこうとする人間たちの姿を見ることができます。バルセロナの下町には、物乞いか泥棒でもするしか生きる術を持たないジプシーたち、時には白い目で見られながらも小さな仕事を分け合って生きる北アフリカのイスラム教徒たち、各国のマフィアに搾り取られながら生きる東欧や中南米の売春婦たちの姿であふれています。

私もその中で日銭を稼ぎながら懸命に生きる貧乏人の一人です。どこでいつ、くたばるかも知れませんが、まあ死ぬまでは生きるだろう、などと努めて楽天的に生きるようにしています。どれほどむごいことが起こっても、どうせ人間の歴史はこんなものでしょう。

しかし嘘だけは許さない。なぜなら「本当のことを知りたい」という欲求は食欲や性欲と同じく私の本性だからです。人を騙すやつらだけは、どんな権力者であっても金持ちであっても許せないわけです。嘘を教育やマスコミなどを使って多くの人間に信じ込ませるような悪魔どもは命にかけても許せない。そんな覚悟の無いヘナチョコが、ネットの書き込みで無責任な戯言を書いてみたり、他人の投稿にいちびってちょっかいを出すようなレスをつけたりします。阿修羅にもその手合いが時々訪問するようです。私はそんな連中は頭から無視するようにしています。

「初めて投稿します」さんは非常にまともで真正直な方だと思います。どんな結論を見出されても良いと思いますが、よく一部の左翼的な連中が口にするような「弱い者の味方」ヅラをする「正義感」ではなく、あなたの本性から発するお考えを持っていただければ、と遠くで願っています。

(ご面倒でしょうから、この文章に対するレスは必要ありません。)

 次へ  前へ

戦争56掲示板へ



フォローアップ:


 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。