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10月6日 ◇◆ また外遊か ◆◇日本の常任理事国入りについてガリ前国連事務総長に聞く ◆◇三位一体改革の成功こそ小泉首相の試金石だ ◆◇
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□★□ 天木直人 10月6日 メディア裏読み □
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◇◆ また外遊か ◆◇
今日6日から小泉首相はハノイへ行く。アジア欧州会議首脳会議(7-9日)に
出席するためだという。6日付の毎日新聞が小さく報道していた。首相の海外出
張がこんなに小さく報じられるのは異例である。さすがに11日にも及ぶ外遊の
後だけに気がひけたのか。それともパフォーマンスをするテーマがなかったの
か。
会議では国連改革の必要性や北朝鮮による核開発問題の平和的解決、イラク
復興支援の継続などを訴えるという。なるほどどれも小泉首相には熱の入らな
いものばかりである。それよりもなによりも目玉であった中国の温家宝首相と
の会談を断られた。「もともと予定していない」(10月5日産経)と小泉首相は
記者団に居直っているが、嘘をついてはいけない。川口前外務大臣(おっと、
今は首相補佐官と呼ばなくてはいけないのか)は必死になって中国側に頼み込
んでいたではないか。竹内外務次官は「日程の都合で開催が困難になった」と
記者会見で白々しく述べていたがこれも嘘である。
今回の会議の際に小泉首相が個別会談を予定しているのは仏のシラク大統領
とベトナムのカイ首相だけという(6日毎日)。カイ首相はホストであるから当
然としても、小泉首相は熱が入らないであろう。ベトナムなんか最初から彼の
関心の外である。シラク大統領は小泉首相を内心軽蔑している。米国のイラク
攻撃をやめさせる為に自ら小泉首相に働きかけたのに、小泉首相の中東問題に
対する認識の欠如とあまりの米国追従に失望し怒りすら覚えているからである。
小泉首相も、ブッシュ大統領に抵抗し続けているシラク大統領との二人だけの
首脳会談では寿司や相撲の話しかすることはない。まともな政策論議をしても
かみ合わないことを知っているのである。
それにしても不毛な出張である。小泉首相に擦り寄っている大手新聞は決し
て批判的報道をしないが、社を挙げて権力批判を繰り返しているサラリーマン
の愛読紙日刊ゲンダイの10月6日付には笑ってしまった。
「この非常事態に遊びほうける首相」、「国会議員は税金ドロボー」、「内外に
問題が山積し庶民は景気や雇用の対策を求めているのに、肝心の国会はもう3
ヶ月半も休会して彼らは一体何をやっているのか」、「年金問題は終わっていな
いぞ」などなどの的確な見出しである。
そしてその記事もきわめて的を得ているのである。皆さんはこれをどう読ま
れるか。
「・・・ ここ数日のスケジュールを見ても小泉首相には真面目に働いている
形跡は無い。毎朝公邸に出勤するのは9時40分から10時40分の”お寝坊出勤“。
官邸で激務をこなしている風でもなく、午後から出かける先はビルの完成記念
パーティーや武道館の40周年式典での挨拶、夕方からはオペラ鑑賞をして一流
ホテルの日本料理店かレストランで竹中平蔵や中川秀直など気心の知れた連中
と舌鼓を打つ。・・・これほど仕事をしない首相も珍しい。・・・」
◇◆ 日本の常任理事国入りについてガリ前国連事務総長に聞く ◆◇
ガリ前国連事務総長はアナン現総長の前任者である。米国の言いなりになら
なかった為再選されず、一期限りでその職を去らなければならなかった。米国
はすかさずアナン次長を事務総長に選んだのである。そのアナン事務総長は米
国のイラク攻撃を前に何も出来なかった。再選された今も米国の都合に振り回
されている。もしガリ氏が事務総長であったなら国連は今度のイラク攻撃とそ
の後のイラクの混迷にどう対応していたであろう。
10月6日の日経新聞には、そのガリ前国連事務総長のインタビュー記事があ
る。
日本の常任理事国入りに関するガリ氏の意見はアナン事務総長のリップサー
ビスとは一味違って、直裁的である。勿論私はガリ氏の意見に同意する。
「・・・日本を支持するかどうかは実は重要な問題ではない。真の問題は、日本
を認めるならなぜ我々も認めないのかというアジアやアフリカ、中南米などか
らの声にどう対応するかだ。・・・安全保障問題は主として発展途上国で起きてお
り、途上国の代表が常任となることは極めて重要だ。・・・安保理メンバーの拡大
の規模や拒否権の問題など、何百もの案が議論されてきたが、何も実現してい
ない。・・・国際連盟も国際連合も当時の米国大統領が創設の中心だったことを常
に頭に入れておく必要がある。米大統領が国連の役割強化を支持すれば改革に
結びつくし、逆に反国連の立場をとれば現状を変えられない。率直に言って現
在の米国の姿勢では改革のチャンスは少ないと思う。・・・(「日本は何をすべき
か」と問われて)・・・『常任理事国入りを目指す』と発言するだけではあまり
意味がない。どんな行動をし、何を提案するのか。・・・本当の意味の外交が問わ
れる」
ところでこの文章を書きながら思ったのであるが、常任理事国入りの地域代
表としてアジア、アフリカ、中南米が当然のように語られるのになぜ中東がな
いのか。中東は広い意味でアジアに含まれるとでも言うのであろうか。中東に
はイスラエル・パレスチナ問題という厄介な問題がある。イスラエル無しにア
ラブの大国を常任理事国に入れることを米国が認めるはずがない、それを皆が
知っているから最初から議論を避けたのではないか。中東問題こそ安保理事会
がもっとも頻繁に議論し続けてきた問題であるにもかかわらず、である。
◇◆ 三位一体改革の成功こそ小泉首相の試金石だ ◆◇
郵政民営化などよりも、日本にとって、国民にとって、よりわかりやすく且
つ直接に利益をもたらす改革は三位一体改革である。しかしこれこそ官僚の激
しい抵抗にあって実現不可能と思える改革である。だからこそ小泉首相はこの
ことを語りたがらない。
郵政民営化というのはごまかす事が出来る。しかし三位一体改革はごまかせ
ない。官僚はいち早く抵抗を示している。
小泉改革が本物であるかどうかは、郵政民営化ではなく三位一体改革が進む
かどうかである。真の抵抗勢力は自民党の族議員ではなく特権を手放そうとし
ない各省庁の官僚なのだ。はたして官僚にまる投げの小泉首相が官僚を敵に回
して三位一体改革をやる気があるのか、とくと見届けなければいけない。
10月5日の読売新聞は、補助金削減に反対する根強い官僚の抵抗と各省官僚
の意向を代弁する閣僚の反対発言を特集している。
文教族の重鎮である森前首相は9月29日の都内のパーティー「親友の小泉首
相の考えであってもこれだけは承服しない。政治家として命をかけて反対する」
と義務教育費国庫負担金削減に徹底抗戦する考えを鮮明にした。これに勢いづ
いたのが文部官僚だ。「行け行けドンドンだ。ここで補助金削減に代案をだせば
森先生のハシゴを外すことになる」新内閣の中山文部科学相も、就任後の記者
会見で「全体としてだめとはいわないが、根本的な議論をしてほしい」と不満
を示した。
一方北側国土交通相も「公共事業の補助金は果たして税源移譲の対象になる
のか」と官僚の振付け通りの発言をしている。
総額約20兆円にものぼる国の補助金は、各省庁の「力の源泉」であり容易に
削減に同意するはずも無い。そう思っていたら10月各紙において、霞ヶ関の中
央官庁の官僚が市町村議会などに対し補助金存続を求めるよう圧力をかけてい
る実態が報じられた。全国知事会は細田官房長官にこの事実を報告し対応を求
めたというが、細田官房長官は記者会見で「いろいろなやりとりをしながら、
最終的に来年度予算は決まる。その経過のやりとりなどは、大きな流れの中に
組み込まれていくものだ」(6日朝日)とごまかして逃げている。
地方への3兆円の税源移譲を決めたのも、それに見合う補助金削減案を地方
につくらせたのも小泉首相である。後は首相自身の命令だけである。財務大臣
に3兆円の税源移譲を行うよう命じろ。各省の大臣には知事会で受け入れた補
助金削減案を了承するよう命じろ。郵政民営化で踏み絵を踏ませてできた内閣
であるから、首相の命令に従うはずだ。それでも出来なければ首相自身にやる
気がないだけである。首相は官僚の抵抗が怖いという事である。これが出来な
くて何が改革か。面白くなってきた。
http://homepage3.nifty.com/amaki/pages/ns.htm