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創立100周年を迎えた特許庁所管の社団法人「発明協会」(理事長・吉田文毅元特許庁長官)が、同庁から委託された「特許制度普及事業」の人件費を水増し請求し、昨年度までの2年間に、国の交付金約1億5000万円を不正に受給していたことが1日、会計検査院の調査でわかった。
水増しの大半は、協会の業務しか担当していない職員約30人を、同庁の委託事業に専従させたように偽装する手口で、過去数年にわたって続いていた疑いもある。同庁も検査院の指摘を受け、協会に対し、不正受給分の返還を求め、協会側もこれに応じる見通しだ。
同協会が人件費を水増ししていたのは、特許制度のPRを目的に、工業所有権についての講習会や、外国の産業財産権のセミナーなどを各地で開催する計5つの事業。
協会では、特許庁と随意契約を結んで、これら5事業を受託、中小・ベンチャー企業などを対象に相談会やセミナーを年数十―200回開き、委託事業費として、この2年間に約25億円の交付金を受け取っていた。
関係者によると、今年7月、会計検査院に「協会が、特許庁からの交付金を不正受給している」との内部告発があり、検査院の調査官が、複数の職員に特許庁の委託事業の業務内容をただしたところ、「特許庁の仕事をした記憶はない」「担当もしていないのに、勤務記録では、特許庁の仕事を長時間したことになっている」などと認めた。
これをきっかけに検査院と特許庁が合同調査を実施。協会には、独自業務と委託事業の双方を兼務する部署があり、このうち、協会の業務しか担当していない職員を、2002年度は十数人、2003年度は20人近く、委託事業の講習会などに派遣したように業務日報を改ざんし、計約30人分の人件費を水増ししていたことを突き止めた。
これによって協会が不正に受給した交付金は過去2年間で約1億円に上り、ほかに、双方の業務を兼務していた職員を、委託事業だけに専念させたように装うことで、約5000万円を不正に受給していたこともわかった。また、人件費の水増しを、それ以前から繰り返していた疑いがあることも判明した。
こうした不正受給分は、繰越金や預金などとして協会の資産に繰り入れられていたとみられる。
これについて、協会は「調査を受けている途中でコメントできない」(総務グループ)としているが、検査院には事実関係をおおむね認めている。特許庁総務課は「厳正に対処する方針で、11月中旬までに結論を出したい」としている。
検査院は、「人件費の積算基準をあいまいなままに放置していた特許庁にも責任がある」として、同庁に対しても、チェック態勢の強化を求める方針だ。
(2004/10/2/03:06 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20041002i201.htm