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(回答先: 内閣・党人事で自民内不満くすぶる…派閥連携の動きも [読売新聞] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 9 月 29 日 02:00:53)
【官邸主導の虚実】(上)外交司令塔、補佐官に託す?
「(執務は)ここでやる。毎日出勤する」
二十八日午前十一時すぎ。前日、小泉純一郎首相から非常勤の特命担当首相補佐官に任命された山崎拓前自民党副総裁は、さっそく首相官邸に出勤した。日当三万八千円。この直前、内閣府幹部が使っていた官邸四階の部屋から荷物や書類が運び出された。山崎補佐官の新たな執務室にするためだ。五階の首相執務室まで、エレベーターで一分の距離だ。
「気を許してホッと一杯やろう、話し相手がほしいな、と思うと拓さんの顔が浮かぶんだ」
首相にとって山崎氏は数少ない飲み仲間であり「政治全般の相談相手」と信頼を寄せる盟友だ。
川口順子前外相とともに、山崎氏を首相補佐官に起用した狙いは、ズバリ「官邸主導」の外交。山崎氏も在日米軍基地再編や日朝問題など重要課題に取り組む強い意欲をみせる。
「北朝鮮問題も官邸主導でやっていく」
二十七日の山崎派臨時総会で、山崎氏はこうあいさつした。今年四月、中国・大連で北朝鮮側と接触。与党からも「二元外交」との批判を浴びたが、今度は首相のお墨付きを得て、拉致問題をはじめ日朝協議に積極関与するつもりだ。
しかし、首相は二十八日昼、記者団に「拉致問題はまったく関係ない」と強く否定した。
在日米軍再編問題もそう。山崎氏は「官邸に司令塔が必要だ。関係省庁を総合的にまとめていきたい」と調整役に意欲を示すが、細田博之官房長官は山崎氏を司令塔として念頭に置いているかと記者団に聞かれると「置いていません」と釈然としない様子で答えた。
実際、山崎、川口両氏が果たす役割ははっきりしていない。
外務省の警戒感も相当だ。町村信孝外相は報道各社とのインタビューで、山崎氏が来年四月の衆院補選に出馬することを指し「選挙に勝ってもらわないとね。老婆心ながら厳しい選挙なので相当のエネルギーを注いでいただきたい」と不快感を示した。
政府筋も「補佐官はあくまでアドバイザーであり、スタッフだ。(政策意思決定にかかわる)ラインの決定を変える権限はない」と言い放った。
官僚だけでなく、世間の目も厳しい。
山崎氏の首相補佐官への起用について中西輝政京大大学院教授(政治学)は、「首相は情が厚いというが、本当にびっくりした。落選した議員を重要なポストにつけるのは民主主義に反するもので、国政を私物化したも同然だ」と厳しく批判する。川口前外相を補佐官にしたことにも「外交政策が二元、三元化する恐れがある。官邸主導の強化というより、首相は郵政民営化だけでなく、外交・安全保障でも丸投げスタイルをとるつもりなのか」と懸念を示す。
だが、首相が「官邸主導」外交にこだわるのは、外務省の旧来の外交スタイルが機能不全に陥っていることも背景にある。
二十八日の自民党・防衛政策検討小委員会。
中谷元・元防衛庁長官らが、米軍再編に絡む日米協議の進展状況を問いただしたが、居並ぶ外務・防衛両省庁の官僚からは「交渉中であり、具体的な議論内容は公表できない」とにべもない言葉が返ってきた。
在日米軍再編は基地問題そのものであることから、微妙にスタンスの異なる外務・防衛両省庁はこれまで、政治の場での調整を意識的に避けてきた。米国は度重なる要求にもかかわらず対応の引き延ばしを図る日本側に「不信感を抱いている」(閣僚経験者)といわれる。このため山崎氏が首相に「官邸に司令塔を設けるべきだ」と進言した。
防衛庁内には、これまで外務省ペースで進んでいた米軍再編問題が山崎氏の登場で、事態が進展するのではないかという期待もある。だが、首相が明確な青写真をもたないまま山崎氏らを動かすなら、日本外交は「かつてない混乱状態」(ベテラン外交官)に陥りかねない。「官邸主導」外交の行く手は険しい。
◇
第二次小泉改造内閣が始動した。郵政民営化などで「官邸主導」を掲げる小泉政権は外交・内政でどこまで成果をあげられるか。三回にわたってリポートする。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/29iti003.htm