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中国、メディア統制を強化 党政策への批判を封印
【北京=伊藤正】中国共産党は先の十六期中央委員会第四回総会(四中総会)で、国民の党への不信感を改善することを主眼にした「執政能力強化」を決定したが、報道政策に変化はなく、むしろ規制強化の方向が明確になった。中国の報道関係筋によると、胡錦濤政権の報道改革は事実上頓挫し、メディア界は「冬の時代」を迎えつつあるという。
中国紙「新京報」によると、今月二十三日までの二日間、北京で開かれた全国版権会議で、活字媒体を監督する国務院新聞出版総署出版物市場監督管理局の范衛平局長は、党・国家指導者の攻撃、政治の権力闘争や内幕物などを内容とした刊行物を禁じる方針を発表した。
禁止対象には経済、文化、社会の方向を「みだりに憶測」したものも含まれる。
范局長の発言は出版物に関連したものだが、関係筋によると、党機関紙「人民日報」など八つのメディアを対象にした報道改革の中で、報道の使命は「党の宣伝」との伝統的な政策を確認、「指導者の権威を損ない、政策に疑問を抱かせる」報道は禁じる方針が打ち出されたという。
八月六日付の週刊紙「文匯読書週報」によると、同総署の新聞・雑誌管理局当局者は、共産主義青年団機関紙「中国青年報」記者の取材に対し、報道改革での「四つの不変」を強調した。これは、党による(1)メディア支配(2)幹部人事権(3)世論動向の管理(4)資産管理−の四つは、改革のいかんにかかわらず不変、というものだ。
胡錦濤総書記が提起した執政能力問題の根源には、幹部の腐敗などによる国民の強い党不信がある。党支配下にあるメディアの機能は弱く、党中央の指導者、政策への批判など論外だ。胡氏は昨春、国民の利益、関心にこたえる情報公開と報道活動の改善を主張、直後に北京を襲った新型肺炎(SARS)問題で、それを実践し、胡氏はメディア界の支持を得た。
当時、党政治局の宣伝担当、李長春常務委員も、文化の発展を束縛する思想、やり方、規定を改革し、体制の弊害を除去すべきだと発言、党の報道政策の変化に対する期待が広がった。しかし李氏や劉雲山党中央宣伝部長らは昨年夏以降、報道規制強化に転じた。
上海指導部の関与がうわさされた実業家、周正毅氏の不正事件の報道が抑圧された後、広東省幹部の不正などを暴いた南方都市報の編集幹部らが疑問の多い「贈収賄罪」で懲役刑を受けた。最近では北朝鮮批判論文を載せた「戦略と管理」誌が停刊に追い込まれ、四中総会での江沢民・前中央軍事委主席辞任をいち早く伝えた米紙ニューヨーク・タイムズの北京支局助手が拘束された。
中国筋によると、宣伝部門を牛耳る上海グループは、党の権威を守り、社会の安定を図るには報道への指導権が不可欠と主張しているという。同筋は「胡錦濤氏は腐敗問題を含め、報道の追及を警戒する広範な指導者、官僚の抵抗を受けており、報道の自由は当分望めない」としている。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/26int001.htm