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Re: 天木直人・メディア裏読み(9月24日)これが小泉改革の三年半の成果とは・北朝鮮と米国のハザマで動けない小泉首相 
http://www.asyura2.com/0406/senkyo5/msg/694.html
投稿者 天木ファン 日時 2004 年 9 月 24 日 15:21:06:2nLReFHhGZ7P6
 

(回答先: 天木直人・メディア裏読み(9月23日)国連安保理常任理事国の議論はもう沢山だ・米軍再編をめぐる日米交渉が何故進まないの  投稿者 天木ファン 日時 2004 年 9 月 24 日 08:04:22)

9月24日 ◇◆ これが小泉改革の三年半の成果とは ◆◇北朝鮮と米国のハザマで動けない小泉首相 ◆◇
■□■                   ■
□★□ 天木直人 9月24日 メディア裏読み □
■□■                   ■


 ◇◆ これが小泉改革の三年半の成果とは ◆◇

 就任から三年半、「聖域なき構造改革」を叫び続けてきた小泉政権はどこまで成
果をあげたのか。9月24日の日経新聞は、「経済改革 バラつく評価」という見出
しの特集記事を掲載していた。それを読んであらためて小泉改革なるものが実体の
ないものであることを知った。

 地方に自主性を持たせて財政改革を進めるはずであった三位一体改革は、小泉首
相が指示した三兆円の税源移譲は財務省の抵抗にあい、税源移譲見返りの補助金削
減は知事達が3.2兆円の削減に応じたにもかかわらず、中央官庁の方が自分たちの
影響力が減る事をおそれて削減を渋るという奇妙な現象が起きている。地方交付税
の改革に至っては手付かずのままだ。

 あれほど騒いだ年金改革も、社会保険庁長官に民間出身の村瀬清司氏を据え、そ
れでも足らないとばかりに浜田広・リコー最高顧問(71)と検察OBの弁護士・堀田
力(70)を最高顧問にもってきて官邸主導の見直しの枠組みを作ってはみたものの、
今日まで具体的な改革の中身は見えない。国民の8割が反対した改革法がそのまま
適用され、保険料の引き上げと給付の削減が始まる。

 「大改革だ」と自画自賛した道路公団民営化については、もはやマスコミも一切
取り上げなくなったが、新会社発足が予定されている来年10月1日の準備は全く
進んでいない。鳴り物入りで就任した近藤剛総裁のイニシアティブは片鱗すら見ら
れず、改革の青写真は誰も持っていないという(週刊文春9月30日号)。そんな中
で9月24日の各紙は、日本道理公団の職員宿舎7,300戸のうち1,200戸あまりが
空き家になっているという税の無駄遣いを報じている。

 郵政民営化に至っては民営化が国民経済にどういう利益をもたらすのか未だに
誰もキッチリ説明できないまま、裏では総務省と財務省の間で取引ができ結果とし
て官僚機構の焼け太りが残ると言われている。
 
 国民にとって一番切実なのは税負担の増大である。そもそも構造改革の最大の目
的である財政赤字の削減であるが、小泉政権になっても国債発行の膨張には一向に
歯止めがかかる気配はない。始まった政府税制調査会の2005年度税制改革論議で
は大増税必至。消費税7%は規定路線であるという。

 小泉首相は残りの二年で改革の成果をはっきりと見せて欲しい。これまでは「改
革、改革」と叫んでいればよかった。しかしもはや改革の大綱は決定してしまった。
あとは自らのリーダーシップでそれを具体化し実施していく事である。官僚を抑え、
国民にとって利益になる真の改革を実現していくことである。方針を決めたのであ
とはお前たちに任せたではこの国の経済は蘇生しない。国民は浮かばれない。総理
の5年の任期をパフォーマンスだけで終始されてはたまったものではないのであ
る。


◇◆ 北朝鮮と米国のハザマで動けない小泉首相 ◆◇ 

 9月24日の各紙は北朝鮮の弾道ミサイル基地周辺で、発射実験の兆候とも取れ
る動きが確認された事を一斉に報じている。

 小泉首相は23日夜、公邸で記者団に対して「あまり騒ぎ立てるほどの状況では
ないという報告は受けています。発射するとか、そういう可能性は低いのではない
か」と語った。無責任ではないのか。どこまで根拠のある発言なのか。日本にむけ
て発射されてはおしまいである。ノドンの射程距離は1000〜1300キロで日本全土
がすっぽりと入る。

 首相官邸では23日に危機管理センターに官邸連絡室を設置し内閣官房の危機管
理担当スタッフを中心に外務省、防衛庁担当者と対応を協議したというが、北朝鮮
の動きはすでに21日に把握していたが、報道で表面化したことから政府の取り組
みを「アピール」する意識が働いたという(24日付毎日新聞)。

 ミサイル発射の動きを報じる同じ紙面に、日本人拉致問題をめぐる第二回日朝実
務者協議が25日から北京で始まるという記事が掲載されていた。しかし直前にな
っても「北朝鮮から具体的な回答が来るか、情報はない」(外務省筋)という。

 驚いたのは小泉首相がニューヨーク市内のホテルで開かれた原口日本大使主催
のレセプションにおいて北朝鮮の外務次官と立ちながら交渉していることである。
そんなことは首相のやることではない。田中均外務審議官の仕事である。パフォー
マンスをしている時ではないのである。
 
 「日朝は行方不明者の再調査で合意している。北朝鮮が誠実に対応するよう望
む」「日朝平壌宣言を誠実に守り核問題に関する六カ国協議を活用していく事が重
要だ」と小泉首相が北朝鮮の外務次官を説得しているのである。北朝鮮の政治体制
において外務次官などなんの権限もない。金正日と話さなければ意味がないと小泉
首相は自ら公言して二度も訪朝したのではないか。案の定北朝鮮の外務次官には
「拉致問題については話を伝えておく」「六カ国協議に参加できないのは米国の敵
視政策が原因だ。韓国の核疑惑も解明される必要がある」と一蹴されている。
 
 他方北朝鮮の機関紙「労働新聞」は23日の論評で、「米国が北朝鮮に対して核戦
争を起こせば在日米軍基地は日本の生存を脅かす時限爆弾となり、日本の国土を核
戦争の火の海とする導火線になるだろう」と警告している。日米同盟ばかりを重視
する小泉首相に対する大変な圧力である。米国が「北朝鮮のテロには屈するな」と
日本に迫れば小泉首相はそれでも強硬姿勢をとれるであろうか。日本国民に犠牲を
強いる事ができるのか。
 
 要するにここまで北朝鮮外交が行き詰まったのは、拉致問題に関するパフォーマ
ンス外交と、まれに見る日米同盟重視の小泉外交のつけなのである。アジアとの過
去の清算に正面から向き合った日朝国交正常化交渉をしてこなかった結果である。
軍事力ですべてを解決しようとする米国をいさめる事のできなかった小泉首相は
ますます自らを苦しい立場に追い込んでいるように思える。

http://homepage3.nifty.com/amaki/pages/ns.htm

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