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2004-6-15
特集/創価学会の体質に感染? 自・公政権の傲慢政治
創価学会・公明党の「騙し絵」テクニックが蔓延する小泉与党
ジャーナリスト 山村明義
年金国会迷走の最大責任は公明党にあり
今国会の小泉首相を含む国民年金未払いや未納で揺れた一件は、もはや怒りを通り越して呆れ果ててしまった、というのが多くの国民の実感だろう。
タレントの江角マキ子氏の年金未納に端を発した疑惑は、3人の閣僚から福田官房長官に飛び火し、福田長官の辞任という結末を招いた。一方、追及する民主党側も、菅直人党首に続いて、新党首に決まりかけた小沢一郎氏も未払い期間があったことが判明、党首選びに際し七転八倒の騒ぎとなった。
6月3日に開かれた参議院厚生労働委員会の年金改革法案の採決のやり方もひどかった。強行採決を阻止するため、大勢の若手議員で押しかけ実力行使を行おうとしていた民主党の動きを与党側が察知し、審議を打ち切って、委員長が法案成立を読み上げてしまったのである。2日後には徹夜国会で衆議院本会議で法律そのものが成立。小泉首相はこう言い放った。「もっと静かにやれば良かったんだけどね」。
結局、今回の年金国会では、事前に取り沙汰された議員年金の廃止や20年間遡って支払いが出来る国民年金の支払い方法の変更さえも盛り込まれなかった。時の総理大臣すら「制度が複雑だから」と言い切る年金制度に対し、年金の一元化を含め抜本改革とはほど遠い内容になったことは、誰の目で見ても明らかであった。
なぜこんな事態が起きたのか。今回の年金国会は明らかに公明党の責任が最も大きかった。そもそも今回の年金改革法案を「50年、100年に1度の抜本改革」と自信満々にうたい、参議院選の目玉としようと目論んで、厚生労働省と手を携えて法案を引っ張ってきたのは、ほかならぬ公明党である。
「今回の年金改革法案は元々、自民党の厚生族ですら反対意見があった。その反対論を押し込んで民主党には“対案を出せ”と言い張り、今回の法案が最良という論調で世論をリードしてきた。すべては全ての国民に関係のある年金改革法案を自分たちがリードしたという宣伝文句にしたい公明党が、参議院選で1000万票を獲得するために行ってきたことでした」と与党関係者は語る。
実際、今回の年金改革法案は、消費税を上げたくない公明党が「給付率50%、保険料負担は労使合わせて20%」という厚生労働省案に飛びつき、年金の財源不足ばかりに固執したところから次第に歯車が狂っていったのである。
公明党が犯した「2つの愚」
確かに現在の少子高齢社会は、年金の財源を著しく圧迫している。だが、公明党の財源不足論は、国民年金や厚生年金が著しく不公平な制度であり、各世代や職業によって未納や未払いを生みやすい不備な制度であるという面から目をそむかせるものであった。少子高齢化の中で制度を多少いじったとしても、「抜本改革」などにはならないことは重々承知の上で、党利党略に走り、公明党の思惑通りの給付と負担を決めた。
ところが公明党は2つの愚を犯した。一つは公明党案を通すために、自衛隊の派遣問題というまったく別の議論をバーターの取り引き材料にしたこと。自衛隊の派遣問題はそれだけで国策として重要な問題であるはずなのに、公明党の思惑でそれを駆け引きの材料に使った。これは自衛隊の派遣賛成論者、反対論者、そのどちらにも裏切り行為である。
もう一つは、自らの年金未払いという事実を隠し通そうとしたことである。周知のように公明党は神崎党首以下、冬柴幹事長、北側政調会長など三役、そして最後には今回の法案の最終責任者である坂口力厚生労働大臣までが未払い期間があったことを発表、自民党の福田長官や民主党の菅直人党首がその職を辞したのに対し、公明党はただの一人も責任を取って辞任しないという、まさに国民の批判の声など「馬の耳に念仏」といわんばかりの行動に出たのである。
公明党は多くの幹部が国民年金を全額払っていないにもかかわらず、民主党案を「お年寄り虐待法案」などとこきおろした。消費税を上げることに対する当てこすりだろうが、ならば為政者として自らの責任は問われなくて済むのか。公明党の開き直り体質は、これまでマスコミでもさんざ取り上げられてきたが、ここまで傲岸不遜な態度に出られると、さすがの国民も参議院選での対応を考えるであろう。党首すら責任を取らず、公明党内ではいまや「これでは選挙は戦えない」と言っているという。
この国民年金問題は、宣伝文句どころか最大の弱点となったのだ。
池田氏に倣った?小泉首相の「開き直り」手法
最近の政治家の姿勢は、小泉首相を始め、あまりに傲慢すぎるように映る。国民の支持率さえ高ければ何をやってもいい、という不遜な態度は、北朝鮮外交後の官邸の体制に良くあらわれている。
「北朝鮮外交で、官邸側は初めて国民受けを狙うだけの外交手法を取った。拉致被害者家族との会見をマスコミに公開し、自分が一生懸命やったのに拉致家族からいじめられている構図を初めて作った。小泉首相は最初は会見をメディアに公開する予定はなかったが、平壌から羽田に着き、赤坂プリンスホテルに向かうバスの中で“全部マスコミに公開しろ”と言ったのです。小泉首相は5人の家族だけしか連れて帰れなかったことが失敗だったと言われることを最も恐れていたため、その批判を逆手に取ったのです」(政府関係者)
今回の北朝鮮外交は、誰が何と言おうと「失敗」である。これまで日本は政府一丸となって北朝鮮という独裁国家に「圧力」を加えようとしてきた。ところが「対話」と「圧力」はいつまで経っても「圧力」にはならず、今回は25万トンの食糧支援と1千万ドルの医療支援、さらには「在日朝鮮人の差別問題」まで入れてしまった。このことは何を意味するのか。
「日本が北朝鮮に圧力を加えるのではなく、北朝鮮の圧力に屈して相手の要求を全部飲んでしまったということです。今回に関して言えば、90年代後半に北朝鮮側と交渉してきた際に、“拉致被害者1人につき10億円の支援_”という北朝鮮側の要求をそのまま受け入れたということになる。食糧25万トンと医療支援1千万ドルという数字は合計80億円でまさにその数字になるのです。この上、日本政府は国交正常化のために年間4千〜5千億円の“賠償金”を北朝鮮に払う計画も実際にあります。
日本としてカードを出しすぎたという批判は官邸の中にも根強いのです」
とある官邸スタッフの一人は語る。
確かに地村さんと蓮池さんの家族が帰国したことは喜ばしい。北朝鮮という国と交渉するのは難しいというのはその通りである。しかし国民の感情は常に国益とは別の見方やあり方ではたらくのも事実なのだ。
仮に、これが日本政府と北朝鮮側の完全な出来レースだとしたらどうなのか。「小泉首相サイドは、外務省など外交当局者に全部手の内を隠し、それで“成功だった”と開き直っていますが、この外交が失敗だったことは外交のプロであれば誰でも知っている。実際に、この北朝鮮との交渉後、アメリカや中国など大国から日本の外務省は何をやっていたんだという馬鹿にするような声が沸き起こっています」(外務省関係者)
要するに、現在の小泉内閣と与党は、国民に「騙し絵」を見せて、そのトリックの手の内をわからせないようにし、それがバレても「これはいいトリックである」と開き直っているようなものなのだ。
日本という国はいつからこんなだらしなく不可解な国になってしまったのか。これは、突き詰めて言うと、その騙し絵のテクニックを最も得意とする公明党を与党の中に入れ、創価学会という宗教団体を受け入れてしまったところから起きていることだ。
元々、宗教が政治に介入するという意味は、その宗教が権力を持ちたいと願うことである。宗教は元々どこか「騙し絵」的なところがあり、自分たちだけで満足しているうちは良いが、彼らが政治に介入し、一般国民に彼らの論理を根付かせようとすると、社会にはどこか矛盾が起きる。小泉首相はいまや公明党・創価学会を自分の権力の行使のために、徹底的に利用する政策をとっている。公明党・創価学会も小泉首相を利用して、権力を牛耳りたい思惑がある。その結果、日本国民に完全に根を張ってしまったということなのだろう。
人間にはどこか「騙されたい」という気持ちが潜んでいる。これは東洋社会だろうが、西洋社会だろうが、どんな社会にも起きている実態である。そして「どうせ騙されるなら、上手に騙されたい」という感情がさらに高じる。その傾向は、とりわけ不況から立ち直ろうとしているいまの日本で強くなっている。
上手に騙すことが重要な政治手法であるなら、為政者は徹底的に傲慢になるに限る。プロセスや真実は徹底的にないがしろにして、これが「本当のものである」という虚飾が必要である。その虚飾を最もうまく利用してきたのが創価学会の池田名誉会長ではなかったのだろうか。その意味で、小泉首相の開き直りの手法は池田氏を倣ったものだと言えなくもない。
山村明義(やまむら・あきよし)1960年生まれ。早稲田大学卒。金融業界紙、週刊誌記者を経て、フリージャーナリスト。政治・経済・外交をテーマに幅広く執筆中。近著の『外務省 対中国、北朝鮮外交の歪められた真相』(光文社)をはじめ著書多数。