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(回答先: IP電話とSkypeとBluetoothの濃密な関係【IT_Pro】 投稿者 クエスチョン 日時 2004 年 10 月 05 日 19:35:08)
Skypeは戦争を巻き起こすか【佐々木俊尚の「ITジャーナル」】戦争といっても通話料の価格戦争です。(^^;
http://blog.goo.ne.jp/hwj-sasaki/e/ecaa05c0da095881baebc86910209042
「Skype? そんなものには興味はないね。いま最大の危機はソフトバンク。対孫正義攻略が、第一だ」
NTT幹部は、私の取材に声を荒げて言った。
Skypeというのは、P2Pを使ったIP電話ソフトである。Winnyと同じようなP2Pファイル交換ソフト、Kazaaの開発者たちが作り上げた。ウエブから無償のソフトをダウンロードし、パソコンにインストールするだけで、世界中のSkypeユーザーと無料で音声通話が楽しめる。今年になって従来の固定電話や携帯電話にも通話できるサービスが登場し、日本国内では固定電話にかける場合がどこでも1分0.027ユーロ(約3.6円)。これだけでも安いが、もっと驚くべきは国際電話で、アメリカやカナダ、フランス、イタリアなど主要国に対しては1分0.017ユーロ(約2.26円)。中国は0.022 ユーロ(約2.93円)。国内通話よりも安いのである。ちなみに国内と同じ1分0.027ユーロを出せば、何とギリシャとも通話ができる。ギリシャはBB フォンが1分39円、KDDIだと1分1210円にも達しているから、いかに安いかがわかる。
さらに素晴らしいのは音声で、スウェーデンの技術ベンチャーであるGlobal IP Sound社から提供された音声技術は圧倒的だ。普通の固定電話並みか、それ以上のクリアな音で通話ができる。しかも帯域を選ばない。ブロードバンドである必要すらないという。
SkypeはPDA向けのバージョンがすでにリリースされていて、プログラムサイズはかなりの小型化が進んでいるようだ。近い将来、携帯電話に搭載することもありうるだろう。そうなると、たいへんな地殻変動が起きる可能性がある。たとえばパケット定額制のケータイに、Skypeを搭載したらどうなるだろう?パケット通信でSkypeすれば、国際・国内ともに、今までの高止まりしていた携帯電話通話料とは比較にならないほどの値段で電話できるようになる。
すでに世界中で2000万人以上がダウンロードしていて、旋風を巻き起こしている。もし日本のどこかの通信企業と組んで本格参入してきたら、たいへんなことになるのではないか――。
そう考えて、あちこちの通信会社関係者に取材した。そうしたら、冒頭のNTT幹部のようなコメントが出てきたのである。「Skypeはしょせんはパソコンソフトだろう? そんなものがNTTの権益を侵すほどのパワーを持つはずがない。まあいずれはそういうこともあるかもしれないけれど、とりあえずは眼下の敵ではないな」と彼は言い放つのだった。
ソフトバンクはドライカッパーを利用して格安基本料金の固定電話サービスをぶち上げ、KDDIも巻き込みながらNTTに勝負を挑んでいる。Yahoo! BBが緒戦で圧勝したADSL戦争に次ぎ、通信大戦争の第二陣というところだろうか。格安固定電話戦争が今後どうなるのかはわからないが、その後には NTTドコモとソフトバンクの間の3G携帯電話戦争も控えている。雌雄を決するのは、まだまだ先だろう。
総務省とNTTグループを中心とする“通信マフィア”とでも呼べる業界の中にあって、ソフトバンクという存在は「ずかずかと土足で入ってきた闖入者」でしかない。これまでの通信業界は第二電電、新電電、あるいはADSLベンチャーの東京めたりっく、イー・アクセスなどすべて含めて、どこの企業も何らかの「NTTつながり」を持っていた。いわばNTTという大きなお釈迦様のたなごころの中で、みんながチマチマと戦ってきた――というのが、Yahoo!BB 以前の通信業界の構図だったのだ。そこにはほのかな仲間意識もあって、戦ってはいても、そんなにルールは逸脱しないだろうという安心感みたいなものもあったらしい。
でもその安心感というのは、しょせんは「親方日の丸」に抱かれている安心感でしかない。一般消費者を大切にしようという意識には乏しく、そこにYahoo!BBが圧倒的支持を得るにいたる土壌があったといえるだろう。
そしてソフトバンクとNTTが通信業界で作り出しているような構図は、今やあちこちに出現してくるようになった。
オールドエスタブリッシュメント対新参の闖入者、とでも言えばいいだろうか。わかりやすい例でいえば、ライブドアとプロ野球球団の対決構図はまさにそのものだったし、あるいはWinnyと著作権ホルダーの戦いだって、その戦いの一翼をなしているのかもしれない。
コンテンツ配信をめぐる、テレビ局とインターネット業界の暗闘もそうだ。何とか現状の枠組みを守り、自由なネット配信を妨げようと必死になっているテレビ局に対し、インターネットはその枠組みを破壊しようと動く。先日取材したテレビ局の幹部は、こんなふうに詠嘆していた。
「テレビの業界は、古くから積み上げてきて安定している構造を維持したいと思って頑張っている。なのにインターネット業界の人たちは、それをなし崩しに、なし崩しにつぶしにかかってくるんですよね」
そういう時代なのである。