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(回答先: イチロー新記録 「力は正義」の米で、技術見せつけ頂点 価値観も塗り替えた【東京 核心】 投稿者 クエスチョン 日時 2004 年 10 月 03 日 11:05:03)
★この一問一答中に以下のやり取りがある。
Q:絶好調のシーズンといえるか。
A:絶好調の定義によりますけど、5月終わりまで…いや、6月ぐらいまでかな、その間にはそういうことがあったような気がします。それ以降はありません。
これは奇妙な発言である。6月までのシーズン前半は、月間打率4割台の5月を除くと、むしろイチローは不調であった。7月からは2ヶ月連続50本安打を放つなど、「絶好調」と呼ぶべき状態だった筈である。それを「それ以降はありません」とはどういうことだろうか?
7月からの安打量産体勢に入った次期に、「現在絶好調か?」というインタヴューを受けたイチローが「理由のわからない好成績は好調と呼ぶべきだが、理由の明らかな好成績は好調とは呼ばない」という意味の発言をしていた。
この発言から、7月以降のイチローは、ヒットを打つべくして打っているという明確な自覚を持つようになった事が考えられる。おそらく彼は打者として新たなステージ感を持ったのではないだろうか。(シジミ)
快挙達成のイチロー、一問一答(1)
http://www.major.jp/news/news.php?id=2004100254
快挙達成のイチロー、一問一答(2)
http://www.major.jp/news/news.php?id=2004100255
快挙達成のイチロー、一問一答(3)
http://www.major.jp/news/news.php?id=2004100256
〜快挙達成のイチロー、一問一答〜
by 丹羽政善
1日のテキサス・レンジャーズ戦でジョージ・シスラー(ブラウンズ=現オリオールズ))の持っていたシーズン257安打というメジャー記録を84年ぶりに更新したシアトル・マリナーズのイチロー外野手。歴史的金字塔を打ち立てた試合後、その胸のうちを語った。
Q:今の気持ちは。
A:(達成した)直後は、かなり熱かったですね。これまでの僕の野球人生の中では、最高に熱くなりました。(試合後にチームメートから)ビールを掛けられましてね、まさか最下位のチームで、ビールを掛けられるとは思わなかったです(笑)。
Q:257安打という数字は、いつ頃から意識し始めたのか?
A:具体的にイメージするようになったのは、当然200本越えてからですけれども、ペースが急激に上がった時がありましたよね。まあ、あの頃は「普通にやっていけばできるかもしれない」、そんな風に考えましたけれど、この前のホームスタンド(9月17日〜19日のアスレチックス戦)でなかなかヒットが出なくて、「厳しいかな」っていうふうに逆戻りして。アナハイムにいって5本、4本と(ヒットが)出た試合があったんですけれども、そのときにまた「可能性が出てきな」って思いましたね。
Q:メジャー1年目だった2001年と比較すると、今年はお互い知り尽くした状況での記録となったが。
A:2001年に残した記録とは、全く違うものだと感じています。日本で残した数字、210安打というのを良く思い出すんですけれど、1994年にやったその記録というのは、怖さを知らないで自分の力よりも大きなものが働いたシーズンだったんですね。でも、この2004年のシーズンというのは、いろんな怖さを知って、それを乗り越えて、自分の技術を確立した上で残した数字ですから、僕にとっては重みが全く違います。
Q:ヒット1本の重みとは。
A:状況によりますね。打てるぞって思うときもあるし、やたら難しいと感じるときもあるし、それはメンタル的なものも大きいです。やっぱり周りからの期待だとか、異様な雰囲気。そういうのに影響されることもありますし。常に安定した状態でっていうのは、まだまだできないですね。
Q:記録への原動力は何だったのか?
A:野球が好きだということだと思いますね。今シーズンに限って言えば、チームが勝てない状況が最初から続いて、そこに身を委ねることができなかった。自分の中からモチベーションをつくり出していかなければならなかった。ただそれっていうのは、これまでもやってきたことなんで、人が心配するほど大きな力はいらなかったんです。今シーズンここまで来て思うのは、プロとして勝つだけが目的ではないということ。これだけ負けたチームにいながら最終的にこんな素晴らしい環境の中で野球をやれているっていうことは、勝つことだけが目的の選手だったら不可能だったと思うんですよね。プロとして何を見せなくてはいけないか、自分自身が何をしたいかということを忘れずにやらなくてはいけないんだということを、自分自身が自分自身に教えてくれたような、そんな気がしています。
Q:子どもたちへのメッセージを。
A:僕がこちらに来て強く思うことは、体が大きいことにそんなに意味はないということ。ある程度の大きさっていうのはもちろん必要ですけれども、僕は見てのとおり、メジャーに入ってしまえば一番小さい部類。でも、メジャーでこういう記録を作ることができた。これは日本の野球選手、日本の子どもだけではなく、アメリカの子どももそうですけれど、自分自身の可能性を潰さないで欲しい。そういうことは強く思いますね。あまりにも、大きさに対する憧れや強さに対する憧れが強すぎて、自分の可能性を潰してしまっている人ってたくさんいると思うんですよ。そうではなくて、自分自身の持っている能力を生かすこと。それができれば、凄く可能性が広がると思います。
Q:今回のプレッシャーについては。
A:それは、周りの人がいようが、重圧は変わらないと思いますよ。僕はやりたいと思ったことはやり遂げたいですし、それに向かって期待があろうとなかろうと進むタイプですから、重圧というのは自然に出てきたと思いますけど…。
Q:注目を浴びているのは苦しかったか。
A:注目を浴びることに苦しいと思うことはないですよね。注目されないと僕は終わってしまうので、それは全くなかったです。ただ、やりたいと思うと、プレッシャーがかかる。それはもちろんありましたよ。やりたいと思うから、プレッシャーがかかる。やれると思うから、プレッシャーがかかる。
Q:プレーに影響しないのか?
A:影響したかどうか、証明できないですからねえ。結果的に越しちゃったんで、いいんじゃないですか。
Q:1球1球、フラッシュが凄かったが、その影響は。
A:どうでしょう? ピッチャーがカシャッとやったら結構きついですけどね、それ以外は大丈夫ですよ。
Q:シーズン最多安打のメジャー記録が257本であると知ったのはいつか?
A:94年じゃないですかね。あの年にアメリカではこんな人がいるっていうことを、聞かされた記憶があります。
Q:ホームのシアトルに帰ってきての達成。運命的なものを感じるか。
A:運命という風をとらえることはできないですけれど、結果的にオークランドで出なくて良かったなって今は思いますね。あのときは1本出て、その後(記録達成のチャンスで)3打席凡退したときは本当に悔しかったですけれど、今となっては良かったなあと。
Q:257安打という数字を94年に聞いたとき、どう感じましたか?
A:メジャーでは年間162試合と聞いていたので、あと32試合で…このペースで行くとできるのかなあと、そのとき感じましたね。このペースでなければ、届かない数字。そうやって考えたことはありました。アメリカに来てからは考えることはなかったですけれど。
Q:257本目と、258本目。打ったときの気持ちはどう違ったか?
A:「サードの頭を越えろ」って言うのと、「あっ、抜けた」ってうのと、「あっ、抜けるぞ」っていうのが、違いましたね。打った瞬間の気持ちですから。
Q:数字の意味では?
A:最初(257安打)のほうが重かったですね、ちょっと。背負ってるものの感じが。勝手に自分が重くしてしまったかもしれないですけれど。
Q:いろいろな思いが打席に入るときに浮かんだと思うが。切り替えはできたか?
A:できないと怖いなあと思ってましたけれど、切り替わんないです。自分自身が野球の中で感じたプレッシャーを取り払うこともできないし、そういう苦しみとかは背負ってプレーするしかないんですよね。それを排除してプレーするなんていうことは、少なくとも僕にはできない。
Q:258本目を打ったとき、チームメートがダグアウトから出てきた。あれは予期していたのか?
A:いや、全く考えてなかったですね。ファンの人の反応というのは、ある程度分かるじゃないですか? でもわざわざダグアウトから選手や監督、コーチが出てきてくれるなんてことは、全く考えてなかったです。試合が終わってからビールを掛けられることもね。全く想像できなかったです。
Q:スタンディングオベーションに、戸惑っているようだったが。
A:自分がどうリアクションしていいのか、確かに難しいですよね。そこは素直に自分の感情に任せました。
Q:ジョージ・シスラーさんの長女が、あそこにいたことは?
A:はい、知ってました。で、監督が「行ったら」っていってくれたんで。言葉のやり取りよりも、暖かい表情が僕は何よりうれしかったですね。
Q:このあと、何本まで記録を伸ばせるか。
A:あと10打席しかないと思うので、そこに集中したい。最後の2試合ぐらいは、いろんなことから開放されて、プレーしたいと思ってますけれど。
Q:絶好調のシーズンといえるか。
A:絶好調の定義によりますけど、5月終わりまで…いや、6月ぐらいまでかな、その間にはそういうことがあったような気がします。それ以降はありません。
Q:シアトルの街、ファンの素晴らしさを改めて感じたか。
A:こんな経験をさせてもらって、この街を好きにならないわけがないですよね。この球場が、好きにならないわけがない。これまでの過去3年も僕にとって特別な街でしたけれども、今晩でそれがさらに大きくなりましたよね。
Q:アメリカ人記者たちも涙ぐんでいたようだが。
A:僕がこちらに来たときには、やっぱり「日本でどんな実績があろうと、メジャーを舐めんじゃねえぞっ! お前がどれだけのもんだ」と、そういう雰囲気を物凄く感じたんですよね。それが4年経った今、(記者が涙ぐむような)そんな状況を作れたとしたら、野球選手としてこんなにうれしいことはないですし、野球というものを通じていろんな交流ができるわけですから、スポーツという部類だけに限定しづらくなってしまいますよね。まだまだ野球っていうスポーツは、世界的にいえばそれほど競技人口が多くないと思うんですけれど、これだけ奥が深くて終わりがないゲームっていうのは、なかなかないですよね。それを通じていろんなことを感じてもらうっていうのは、僕にとってこんなにうれしいことはないですね。
Q:ポール・モリター打撃コーチは、ボールを見極めるようにとアドバイスしたことが間違いだったと認めている。それを試してみたことについてはどう思うか?
A:あれを言われたのは、春季キャンプの前の段階の話。春季キャンプというのは、(コーチと)試すいい機会でもありますし、それは僕にとっていい経験だったと思っています。決して無駄なことではないですし、野球っていうのは無駄なことを考えて無駄なことをしないと伸びないことっていうのがあると思いますから。
Q:ボールを見極めればフォアボールも増えるが。
A:僕はつまんない野球が嫌なので、それは自分のスタイルに合わないと思っています。ゲームに勝つには、そういうことも必要だと思いますけれど。
Q:この技術的な確信があれば、(メジャー記録の)56試合連続安打も可能か?
A:全く(実感が)沸かないですね。それこそ、今の野球ではどう考えても無理ですね。ただ、そうやって可能性のある人間として見られていることはありがたいです。
Q:天才という定義。84年間、誰も敗れなかった記録を破ったことでその定義に近づいたと思うが。
A:ありがとうございます(笑)。そこは人が言うことですから、僕はもう、凄くうれしいとしかいえないですね。
Q:記録は破られるものだといわれるが。
A:破るなら自分でありたいですね。でも(他の人が破るなら)10年間はやめてね、というのはあります。まあ、(将来)破られることもあるでしょうね。
Q:これから磨くことは。
A:メンタルでしょうね。今回もイライラしましたし。しょうもない質問されたらカッともしましたし。それも受け入れられるようになったら――なりたくないっていう気持ちもあるんですけど――、もうちょっと楽かなって思います。
Q:打率4割の可能性について。
A:打率の話をするときに僕が言うのは、打率っていうのはコントロールできてしまうということ。もしそこ(4割)を目標として(達成の)可能性が出てきたとするなら、打席に立ちなくない気持ちが現れてしまうんですよね、そのときに。そうなるのは僕の本意ではないので、なかなかそこに目標を置くことはできないです。
Q:今季100得点に到達したが。
A: 実は、これが一番難しいと思ってたんですよね、今年は。100得点というのは、1番打者として達成したい数字。(シーズンが)半分終わったときに、40とか41ぐらいだったかな。だから、あと60とか59。実は一番厳しいんじゃないかと思っていた数字なので、今日はうれしいですね。
Q:野球と記録が結びついていることは、好きか嫌いか。
A: 好きな時もありますし、嫌いなときもありますね。でも、見ている人にとっては、分かりやすくていいんじゃないでしょうか。