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(回答先: イチロー新記録 「力は正義」の米で、技術見せつけ頂点 価値観も塗り替えた【東京 核心】 投稿者 クエスチョン 日時 2004 年 10 月 03 日 11:05:03)
歴史を変えた男 「四球より安打」追及(上)
10月3日【東京】朝刊 スポーツ欄
257本のシーズン最多安打は忘れられた記録だった。理由は、記録に近づく者さえいなかったことがひとつ。そしていまひとつは、打率や本塁打数に比べて軽視されていたからである。
安打数は選手の努力目標であり、評価されるのは打率であるという考えが支配的だった。
しかし、イチローの価値観は違う。打率よりも安打数が重要なのだ。それは「僕の安打を見に来るファンはいても、四球を楽しみにしているお客さんはいないでしょう?」というプロ意識がある。野球をするものとして「四球よりも安打を打つ方が楽しい」という原点を大事にしているからだ。打率を意識すると、打席に立つのがいやになることがある。それが耐えられないのだという。
イチローに対していくつか批判があるが、その中に四球の少なさがある。近年の大リーグでは勝利のカギは打率よりも出塁率とされ、そのため四球の多い打者が評価される。その見方ではイチローの考えは邪道だ。
もちろんイチローも「勝つために四球は必要かもしれない」と認めている。しかしことし、イチローは「プロの打者は安打を打つのが仕事」との確信を深めた。例えば9月21日のエンゼルス戦。今季4度目の1試合5安打を記録した。5安打目を放ったとき、それまでブーイングを浴びせていた敵地の観客は立ち上がって拍手を送った。5本の安打が、理屈でなくファンの感情に訴えたからこそのスタンディングオベーションだった。このときのことを「ただチームの勝ち負けだけではないんだな、と感じさせられた」と口にしている。
今季のマリナーズは開幕当初からつねに最下位。それでいて本拠地の観客動員は平均約3万6000人でア・リーグ4位。「プロとして何を見せられるか」を追究したイチローは、自身の価箇観に従って安打を量産することに集中した。そしてファンを魅了した。
(樋口浩一)