現在地 HOME > 不安と不健康9 > 795.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
(回答先: 2006/12/5 ニューヨークで・トランス脂肪酸(TFA)を含む食用油の使用を全面的に禁止 投稿者 てんさい(い) 日時 2008 年 5 月 24 日 11:27:19)
http://www.gamenews.ne.jp/archives/2006/12/post_1709.html
先に【ニューヨークでトランス脂肪酸の食用油を全面使用禁止へ】でも報じたように、アメリカのニューヨーク市でトランス脂肪酸が事実上の締め出しを受ける形となった。以前から報じているように欧米では肥満対策に国を挙げて取り組んでおり、それと共に心臓病などの要因になるとしてトランス脂肪酸に厳しい目が向けられている。今件が報じられた直後からいくつか問い合わせがあった「それでは日本はどうなのか」ということについて、少々チェックを入れてみた。
トランス脂肪酸とは人工添加物の一種で、植物油に水素を加えて固める時に発生する油。言い換えれば油を加熱処理した時にできるもの。日持ちを良くする性質があるので、特にお菓子などによく含まれるマーガリンやショートニングなどにも含まれる。またこのトランス脂肪酸なるもの、自然界にはほとんど存在しない。後述するセブンイレブンの説明では「冠動脈心疾患のリスクを高めるとされる血中LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を上昇させ、HDLコレステロール(善玉コレステロール)を低下させると言われています。一般的には、マーガリンを製造する過程で生成される物質ですが、天然由来の肉や乳製品にも含まれている物質です」とのこと。
トランス脂肪酸は体の各所で炎症を引き起こす引き金となりうる。具体例を挙げると、花の粘膜絡みで花粉症、皮膚の細胞膜関係でアトピー性皮膚炎の連動性が指摘されている。また難病の一つ、クローン病のトリガーになるともいわれている。
さて。
日本国内における動きだが、現在に至るまでトランス脂肪酸の表示義務はなく、義務化の動きすらほとんどない。しかし成分表示は義務付けられており、(マーガリンやショートニングなどを)使用しているかどうかは確認することができる。また、ファストフードやファミリーレストランで用いられる油もトランス脂肪酸を用いている可能性がきわめて高い(だからこそアメリカでは規制のうめきにあっている)。
また、実際のサイトでは確認できなかったが、先の報道では【日本ケンタッキー・フライド・チキン(9873)】がトランス脂肪酸の含有量をこれまでの半分にした油を独自に開発し、10月から全店舗で利用しているという。【セブン・イレブン(3382)】では【過去のリリース】を引っ張り出し、3月からトランス脂肪酸低減への取り組みを実施中と発表している。具体的にはこれまで55グラムあたり平均0.6グラム存在したトランス脂肪酸を0.2グラムにまで減らした(「いちごジャム&マーガリン」では1.4グラムが0.1グラムに減ったという)。残念ながら他のコンビニなどでは同様の表記を見つけることができなかった。
また、【創健社(7413)】の【トランス脂肪酸関連のページ】には次のようなデータが提示されている。
●トランス脂肪酸の一人当たりの摂取量
1日当たり摂取量(g) 摂取エネルギーに占める割合(%)
日本平均 1.56 0.7
アメリカ成人平均 5.8 2.6
EU男性成人平均 1.2〜6.7 0.5〜2.1
EU女性成人平均 1.7〜4.1 0.8〜1.9
●創健社の製品と一般マーガリンとのトランス脂肪酸含有量比較(100グラムあたり)
・一般市販マーガリン……1.5〜10グラム
・創健社……0.23〜0.9グラム
【ユニリーバ・ジャパン(日本リーバ)】では【「よくある質問」の中】で、「ラーマ プロ・アクティブで、約1%、その他ラーマ製品で約7〜11%含まれています」と説明している。また、その他の多くのマーガリンでも10%以上のトランス脂肪酸が含まれているのが確認できる。
【日本マーガリン工業会は去年の段階で】「現在の日本人の食生活において何ら問題はないと考えております」と説明しており、またニューヨーク市の「0.5グラム以下という規制は厳しすぎるのでは」という声もあちこちから聞かれる。どちらが正しいのかは人によって異なるだろうし、これから研究結果が出てくるものもあるだろう。
とはいえ、「なんでアメリカやヨーロッパで規制しているのに日本では問題にならないの? 食生活や体質が違うとはいえ同じ人間じゃないか」という意見があるのも事実(実際当方に問い合わせがあったのもそのような内容だった)。幸いにも世の中には食材や食品が満ちあふれており、よほど妙なことにならなければ食いっぱぐれることはない。株式投資において「数千もの銘柄があるのだから無理をして買う必要はない。きな臭さを感じたら手を出さねばよいだけの話」という鉄則があるのと同じように、「問題があるかな、と思ったら口にしなければ良い」といった選択をするのも一つの手だろう。好物の一つや二つ、食べることができなくなったところで、死ぬわけではないのだから。
■関連記事(外部):
【ケーキ・クッキー・レトルト食品はだめ! 植物性の人工脂肪は健康の敵!(All About Japan)】
■関連記事(内部):
【ニューヨークでトランス脂肪酸の食用油を全面使用禁止へ】
【米ケンタでもトランス脂肪酸の使用を中止へ】
【アメリカのディズニーも肥満対策へ、レストランのメニューを刷新】
【アメリカのハンバーガーチェーン「ウェンディーズ」、トランス脂肪酸の含有量をゼロに】