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(回答先: 「食 くらし」シンポジウム 輸入・加工食品 農とのかかわり深め【西日本新聞】 投稿者 天地 日時 2004 年 12 月 10 日 19:19:26)
食卓の向こう側・第4部 輸入・加工知らない世界<読者の声>連載第4部に反響219通 輸入・加工実態に驚き
20041111付 朝刊掲載
http://www.nishinippon.co.jp/news/2004/shoku/shoku5/16.html
横浜港に輸入された塩蔵品。野積みの実態に、見学者は驚く
本紙連載「食卓の向こう側」の第4部「輸入・加工 知らない世界」には、これまでに、読者から二百十九通の感想、意見が届いた。
手紙やファクス、メールには、連載への批判とともに、現代の食の実態に驚く言葉が並んだが、「現状改善のため何ができるだろう」と、模索する姿もにじんでいる。
最も多かった感想は、「食べ物がどうやって食卓まで届くのか、関心がなさすぎた」という自省。「連載を読むと、何も食べられなくなる。知らない方がよかった」という声の一方で、消費者、飲食業者という立場を問わず、「できる範囲で、よりよい食べ物を選ぶことから始めたい」「食材についてもっと考えたい」という“半歩先宣言”が寄せられた。
連載は、十月十九日―十一月七日付の朝刊一面(十一月一日のみ三面)に掲載。輸入食品の検査や管理の実態、安くて便利な加工食品の裏側などを伝えた。
× ×
●安全性知ることから
▼米すら添加物 事実にショック
輸入された塩蔵(塩漬け)食品が、港でどう扱われているかを知り、立ちすくんだ読者も多かった。
「びっくりした。こんな食品を使っていては、どんなに愛情がこもった手料理でも、体によくないのではないか。自分の体、家族の健康をどう守るか、立ち止まって考えるときだと思った」
(福岡県筑穂町・女性)
「本当に知らない世界だった。とても怖い。業者は、業者は自分の口にも入るとは考えないのだろうか。それとも、食べないのだろうか。私たちは、何を食べればいいのだろうか」
(福岡県・女性)
主食の米には、強い関心が寄せられた。
「専業農家だが、自分たちで作った米を食べるわけではない。農協を通じ、他地区の米と混ぜられ、きれいに精米されたものを食べている。玄米、はい芽米などの状態では手に入らない。母は『体がだるい』と、栄養強化米を入れて安心している。(米の栄養分を)はがして、また入れて…。農協が進めた近代化、合理化って何だろう」
(大分県・自営業女性・36歳)
「米改良剤の存在は、前から知っていた。私は家で、きちんと炊いているから関係ないと思っていたけど、『給食は丈夫か』と不安になった。子どもの体は大人と違い、まだ成長途中。そんなときに化学物質を添加したご飯を食べたら、と思うとぞっとする。親ももっと声を上げるべきなのだろう」
(福岡県久留米市・主婦・34歳)
食べ物をどう選べばいいか戸惑う声もあった。
「自分の無知を恥じるばかりだ。私はよく、とろろ昆布で巻いたおにぎりを子どもに食べさせていた。でも、ラベルを見たら、甘味料など食品添加物がずらり。乾物店で正統なとろろを探したが、なかった。店主は『物産展で薄く引いたものが正統なとろろ。でも、高いよ』って。見つけるには時間がかかりすぎ、明日の食事を準備できるか不安だ」
(長崎市・女性会社員・29歳)
「学生だし、高くていい食材はおいしいと分かっていても、どうしても値段が安い方を選ぶことが多い。もしかしたら、私の体の中には、輸入食品ばかり入っているかもしれない。こういう事実を知っても、結局食べなければならない。どんな食品が信頼できるのか、どの表示を信じたらいいのか、よく分からなくなる」
(福岡県・女子学生)
× ×
▼輸入品がすべて悪ではない 作り手側の思い
食べ物にかかわる仕事をしている人からも、さまざまな意見が寄せられた。
「母乳育児で、子どもがお乳をうまく飲んでくれず悩んでいたとき、この連載で食の大切さを思い知らされた。私は、洋食レストランのコック。これまで店で出してきた料理の食材を思い浮かべると、仕入れや、調理法を考え直した方がいいと思う。もうすぐ仕事に復帰しようと考える半面、同じ職場でこれまで通りやっていけるか、少し不安」
(福岡県・女性)
「米穀団体に十二年前まで勤務していたが、当時は精米の際、米が一番おいしいとされる水分15%程度になるよう加水していた。掛け干しの米なら加水しなくておいしいが、手間の割に高く売れない。簡単な機械乾燥にして、乾きすぎる分を加水していた。そのころからか、消費者から『寝る前に米をといで、ざるに上げ、朝炊くと赤く変色する』と苦情が入り始めた。明らかに赤かびの繁殖。米ほど微妙で難しい商品はないが、とうとう食品添加物が米にまで及んだのかと、ショックだった」
(福岡市東区・男性・73歳)
「糖分控えめとか、うす塩という表示は、少しでも多く食べてほしいという製造・販売業者の知恵。業者も懸命に生きるため、一円でも多く利潤がほしい。一方、高品質のものが売れるとはかぎらない。以前、魚のみりん干しに使う調味液を作っていたが、砂糖を使ったものより、圧倒的にサッカリン使用のものが人気だった。すっきりした甘味が好まれたし、砂糖の二百―三百分の一の量で済むから原価も安い。作り手、使用する水産加工業者、消費者の三者が喜んでいた」
(福岡県前原市・元調味料製造業・男性)
「現状を早く変えるには、『食の安心・安全』を、各業界トップ企業の戦略にするよう訴えることが先決。実際、大手コンビニが保存料などを無添加にした際、業界全体が競争に乗り遅れるまいと慌てて追随しようとした。グループ企業だとトップダウンだから、上を変えれば全部変わる。流通には、大いにチャンスがある」
(福岡県久留米市・元食品開発担当者)
「本みりんが本物であって、みりん風調味料が『もどき食品』であるということではなく、それぞれのニーズに合ったコンセプトの商品を提供している。それぞれの長所・特徴を備えた商品であることを消費者・販売店さまによくご理解いただき、より良い選択・使い分けを提案する姿勢で取り組んでいる。『安さに目を奪われ、中身に目が向かない消費者』という表現はわれわれの商品をご愛顧くださるお客さまに非常に失礼だ」
(業界関係者)
「極端な事例だけ取り上げており、輸入品がすべて悪のような印象を与えてないか。単一の国だけで食が完結することはない。前向きな話も合わせて紹介してほしい」
(福岡県福間町、生協関係者)
× ×
●選んで買う消費者に
▼行政、メーカーの説明不足 責任を果たして
食品メーカー、食品の安全性をチェックする行政、マスコミへの注文が相次いだ。
「鳥インフルエンザなどが発生すると、国や消費者は敏感に反応するが一方で、残留農薬や食品添加物の基準は十分な論議もされないまま、緩和されている。『食の安心・安全』を叫びながら、そんな現状を知ろうとしなかった消費者にも責任の一端はあるかもしれない。だが、やはり、説明不足の国や、根気強く問題提起してこなかったマスコミにも大きな責任があるのではないか」
(福岡県新宮町・男性会社員・58歳)
「老眼の夫が半年前、観光地のある店で豆を買った。数メートル先の店には、同じ豆が『中国産』の大きな表示付きで並んでいた。そこで、手元の豆の袋の裏側をよく見ると、小さな文字で『中国産』とあった。国産と思って買ったのに、がっかり。土産物に限らず、食品表示の文字が明らかに小さい。老眼の夫には読めない。産地表示を、大きく目につく文字にしてほしい」
(大分県佐賀関町・主婦・53歳)
「簡単・便利な生活を失うのは勇気がいる。必要な化学物質もあるでしょう。ただ、私が望むのは、不必要な化学物質は使ってほしくないということ。いくら買う人が無知だとしても、端肉にいろいろな食品添加物を使って上質の肉に見せかけるなどというのは、作り手、売り手のモラルを疑う。最低限の部分での添加物使用にとどめるように、行政指導してほしい」
(福岡市城南区・40代女性)
「横浜港に野積みされている塩蔵品の記事を読み、腹立たしさが残った。こんな問題が、なぜこれまでに改善されていないのだろうか。政府は、何か大きな問題が起きない限り、対策をとる気はないのだろうか。日本人の食や健康を守るべき人たちが、現状を見て見ぬふりをしていることは、悲しい」
(福岡県・女子学生)
× ×
▼安さ、手軽さ以外の視点も 私の半歩先宣言
私たちは毎日、食べ物を口にする。体に良い物をおいしくいただくという、ごく当たり前の生活を取り戻すには、どうすればいいだろうか。
「食品添加物は、食べた本人から次世代の体に影響するのではないかということが心配。そんな食品を売る方もどうかと思うが、消費者も悪い。見た目や手軽さだけで食品を選ぶようでは、食品添加物は減らない。勉強して、子どもに伝えたい」
(福岡県・女性)
「無農薬野菜のありがたみを感じるようになった。子どもにはなるべく無添加食品を与えようと思う。どういう食品添加物が、体にどういう影響を及ぼすかということを、私たち消費者が考え、見抜く力をつけなければいけないと思った」
(福岡県・男性・34歳)
「連載は日本という国が一歩を踏み出すためにはどうすればいいのかという問いかけのような気がしている。(問題が大きすぎて)自分が踏み出す一歩を描けない人が多いのではないだろうか。本当は、自分ができる一歩をみんなが踏み出すことが、国の一歩にもなる」
(大分市・公務員男性)
「(食の現状に)とてもショックを受け、見ないふりをしたい気持ちだったが、私なりにできることを考えた。(1)真実を知ること(2)行動すること(3)周りの人に伝えること―。早速、畑を借りて、自分で野菜を作り始めた。誰かを責めるのではなく、選んで買う、賢い消費者になろうと思った。未来の日本のために、そして、子どもたちのために」
(福岡県筑紫野市・20代女性)
「小学三年生と一年生の子どもがいる。将来、お小遣いを自由に使える年齢になると、自分たちでお菓子やジュース、コンビニのおにぎりなどを買うでしょう。子どもたちが自分で判断できるよう、加工食品には何が入っているのか、体にどんな影響があるのか、考えさせたい」
(福岡県小郡市・主婦・34歳)
「不思議なのは、粉末だしが台所の必需品と思い込んでいる人が少なくないこと。干しシイタケやイリコ、昆布のだしの方がおいしいし、そのだしを取るのも簡単なのに。ただ、最近、干しシイタケやイリコなどには、だしがよく出るものと出ないものがあるそうだ。ほだ木を使わない作り方や酸化防止剤添加のイリコなど、加工方法も関係すると思う。食卓は『日本の大地と海の今』を映す鏡。粗食でも素材は本物だった昔に学びたい」
(福岡県大野城市・フリー記者・女性・37歳)