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食卓の向こう側・第4部 輸入・加工知らない世界<2>塩蔵品 5年間、置きっ放しも【西日本新聞】
http://www.asyura2.com/0406/health9/msg/284.html
投稿者 天地 日時 2004 年 11 月 08 日 14:47:02:IVYNMLFehyE6c
 

(回答先: 食卓の向こう側・第4部 輸入・加工知らない世界<1>プロローグ その常識、本当ですか【西日本新聞】 投稿者 天地 日時 2004 年 11 月 08 日 14:43:19)

食卓の向こう側・第4部 輸入・加工知らない世界<2>塩蔵品 5年間、置きっ放しも
20041020付 朝刊掲載
http://www.nishinippon.co.jp/news/2004/shoku/shoku5/02.html

 灯油缶を太らせたような青いポリ容器が、アスファルトの敷地のあちこちに野積みされている。容器が割れ、黒ずんだ液体で膨れたポリ袋がはみ出したものもある。触ると、温かい。
 「それは中国産の塩蔵(塩漬け)ワラビ。炎天下でも雨の日でも、何カ月も野ざらし状態ですからね」
 日本最大規模の輸入食品の玄関口、横浜港。九月中旬にあった港見学会で、港湾労働組合書記長、奥村芳明(56)が、参加者を山下ふ頭に案内した。
 エノキタケ、シメジ、サンショウ、ナメコ、タラノメ、キュウリ、ニンニク、ザーサイ、タケノコ、フキ、梅干し、青唐辛子…。ポリ容器の中身はすべて、塩蔵品。台湾やロシア、ベトナムなどからも届いていた。暑さで膨張したのか、中身がふたのすき間からふきこぼれ、塩の結晶が白い筋になったものもあった。
 一部を保管しているテント張りの倉庫には「五年は置きっ放し」(奥村)のワラビもあった。


×   ×

 「とても食べ物の扱いとは思えない」。群馬県から見学に来た保健センター関係者が声を上げた。奥村が答えた。「この加工品を、皆さんは何度も口にしているはず。季節に関係なく、山菜定食を食べていませんか」
 食品衛生法は、輸入業者に、食品の適切な温度管理や不潔なものの混入防止などを求めている。ただ、保存温度など細かな決まりがあるのは冷凍食品など一部のみ。塩蔵品は、腐敗・変質しなければ、管理状態は業者に委ねられる。何年野積みしても、「法的には問題がない」(厚生労働省食品安全部)のだ。


×   ×

 ナメコを野積みしていた輸入業者に聞いた。
 ―衛生面に不安を感じたが。
 「濃い塩水に漬けるから、野積みでも腐ったことはない。塩蔵品はほとんど、塩抜きして水煮パックに加工する。生野菜と違ってそのまま売るわけじゃないから、保管には気を使っていないかもしれないが、最終製品の水煮パックは、衛生基準を満たしている」
 ―なぜ、野積みしているのか。
 「例えば、春しか採れないゼンマイでも、需要は年間を通じてあるから塩蔵や乾燥にする。私たちは、それを輸入してふ頭に置いておき、商機をみて食品加工会社に売る。野積みだと、保管料が倉庫の三分の一程度で済む。ただ、うちは、中国など輸出国側で保管し、必要分を輸入するやり方がほとんど。それが、格段に安いから」
 私たちは漠然と、「口にする食べ物は食べ物らしく扱われる」と信じ込んでいなかったか。港で見た「食べ物」は、輸出される中古ショベルカーや大型車などの工業製品の傍らで、日光や風雨にさらされ、「食品」になる日を待っていた。



(上)容器が割れ、中身がはみ出しているものも(下)約20年前に撮影されたドラム缶入りの塩漬けゼンマイ
 ●形があれば何とでもなる
 横浜港の見学会が始まって約二十年。この間、農協や生協など一万団体以上がこの地を訪れた。
 見学者の批判を受けて、改善されたこともある。横浜検疫所と横浜市、保健所は一九八六年から、毎年一回のパトロールを開始。業者は、当時保管に使っていたドラム缶をポリ容器に替え、ふ頭にテント張りの倉庫を三棟建てた。しかし、野積みはなくならない。二、三十年前、門司港(北九州市)でも野積みは当たり前で、税関労組が見学会を実施。野積みはいま、ほとんど目につかないという。
 輸入量が多く、業者間の競争も激しい横浜港では最近、一部の業者が、見学者の目に触れない建物の屋上にポリ容器を積み上げている。


×   ×

 奥村は、ある輸入業者の言葉が忘れられない。「形さえ残っていれば、後は何とでもなる」
 漂白剤、着色料、酸味料、香料…。加工された「最終製品」のパッケージにある原材料欄からは、「おいしく感じさせる技」が透けてみえる。
 違法な「裏技」が見つかったこともある。二〇〇二年、中国産の塩蔵タケノコから、漂白・保存に使われたとみられる二酸化硫黄が、基準値の七十倍も検出された。動物実験で多量な摂取は催奇性、アレルギー性があると指摘されているが、輸入した約八トンは、既に水煮パックに加工、販売されていた。
 奥村らが港見学会を始めたころ53%(八五年度)だった食料自給率(カロリーベース)は、いま40%(〇三年度)まで落ちている。
 食べ物の安全性に配慮している輸入食品業者は、当然いる。
 ただ、奥村は言う。「工業製品のような食べ物が増えつつあるいま、消費者は輸入食品の実態に無関心のままでいいのでしょうか」 (敬称略)


×   ×

 ▼塩蔵品の輸入量 港湾労働組合(横浜市)によると、2003年に全国で通関された塩蔵品は、16万7950トン(前年比3%減)。主な産出国は、中国、ロシア、ベトナム。輸入総額は136億円で、野菜の中では生鮮キャベツの168億円に次いで多い。

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