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社説:クマ被害 駆除より共生を目指したい [毎日新聞]
http://www.asyura2.com/0406/health9/msg/181.html
投稿者 あっしら 日時 2004 年 10 月 17 日 02:26:07:Mo7ApAlflbQ6s
 


 クマに襲われる被害が、本州各地で相次ぐ。住宅地に現れ、民家や老人ホームの中まで入り込んだから、クマが出没する山沿い地域では住民が戦々恐々としているという。これまでに例のない深刻な事態だ。

 今年は夏の猛暑や度重なる台風の影響で山中で木の実が十分に採れず、冬眠前に餌不足に陥ったため餌を求めて人里に出没する、というのが専門家の分析だ。従来は夜間にこっそり現れる程度だったのが、飢餓状態が切迫してか、過疎化・高齢化が進む中で人里を甘く見だしたせいか、白昼堂々とやって来る。目撃情報が激増したのもそのためだ。この調子では雪が降り積もるまで危険は続き、来年の冬眠明けも心配だ。

 人を襲ったクマは、多くの場合、届け出を受けた警察が地元の猟友会員に依頼して処分している。差し迫った危険があれば射殺はやむを得ないが、駆除するだけでは抜本的な解決に至らない。

 クマは臆病(おくびょう)で、一般的には人の気配を察知すると自ら遠ざかる。走って逃げると追いかけるのが習性だが、遭遇して難を逃れた人々によると、ある程度距離があれば、視線をそらし、後ずさりすればめったに襲ってこないという。北海道・知床半島では、山仕事の人々やサケの定置網の番屋の住民たちが、本州のツキノワグマよりずうたいの大きなヒグマと平然とすれ違ったりしている。クマを恐るべき害獣と決め付けるのは間違いだ。

 クマが人里に現れるのは餌不足のためだけでなく、人の食べ物に興味を持ち出した影響もある。甘味を好むクマが養蜂箱やブドウ園を狙ったことも少なくない。放置された生ゴミや水産廃棄物をあさったりもする。過去にはクマの肝欲しさに、動物の死がいを埋めてクマを誘い出した悪質なケースもある。観光客がペット扱いして車の中から餌を与え、人前に現れる癖をつけた末、クマは射殺される憂き目にあったこともある。

 クマに人の食べ物の味を教えないこと、これがクマ対策上の鉄則だ。知床半島では食料品はフードロッカーに入れて保管し、生ゴミは焼いたり持ち帰るといった対策を徹底していることも参考にしたい。山沿いの住宅地ではクマの好みそうなものが放置されていないか、点検と管理を徹底すべきだ。

 見つけたら射殺、という対応策も見直したい。一部の専門家が取り組んでいるように、山の中に実がなる木を植えて餌を増やす一方、人家近くに現れたらおりを仕掛けたり、麻酔銃で捕獲し、唐辛子スプレーを浴びせて人の怖さを教えて山中に放す……といった手法が、迂遠(うえん)でも有効な人とクマとが共生していく道ではないか。さまざまな開発がクマの生息地を狭めたことも忘れてはならない。

 野生鳥獣を保護、管理する専門家を育成、市町村などに配置して、クマの個体数を観察、調整したり、住民に対策を指導するような取り組みも進めたい。民間のハンター頼みの駆除は、自然環境を守る立場からは問題なしとしない。

毎日新聞 2004年10月17日 0時14分

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20041017k0000m070107000c.html

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