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日刊ゲンダイ 9月22日(21日発行)
浜田和幸 連載開始<1>
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(本文)
弱体化した企業を安値で買い叩き、合理化や成果主義という美名の下、リストラやコストカットによって見せかけの財務諸表をきれいにし、高値で転売する。そんなやり口で
巨額の利益をあげているのが「ハゲタカ・ファンド」だ。
8兆3000億円もの公的資金が投入された旧長銀(現新生銀行)を自己資本10億円と投資家から集めた1200億円のわずか1210億円で買収し、4年後に再上場させて、一夜にして2300億円近い利益をあげたリップルウッドはその代表といわれる。
実際にはさまざまな人脈や企業再生のノウハウを駆使した結果なのだが、鮮やか過ぎる手口はやっかみも加わり「ブタは太らせてから食らうに限る」という「悪徳高利貸」のように受け取られがちである。
ハゲタカは群れる。数年前には数えるほどしか確認できなかったが、今では日本企業の吸収・合併や買収・再建プランに必ず登場する存在となった。経営の傾いたゴルフ場やホテル、オフィスビルは言うに及ばず、キャノンやソニーなど日本を代表する優良企業の株まで買いあさりのターゲットにされている。
世界一の個人資産差し出す小泉・竹中コンビ
彼らが次なる獲物として狙っているのが、他ならぬ日本の個人金融資産1400兆円である。「バブル崩壊、失われた10年」といわれるが、その間も日本人は節約を重ね、何と500兆円も貯金を増やしているのである。世界の投資家の間では、「貯蓄のDNAを持った日本人」と呼ばれるほどだ。
ところが、2年前から日本人の貯蓄DNAに異変が生じ始めた。90年代を通じて国内総生産(GDP)の30%を上回る金額のカネが毎年せっせと預貯金として蓄えられていたのに、02年には2%を切り、昨年にはついにマイナスになってしまったのである。
貯蓄の取り崩しが始まったわけだ。おいしく太ったブタが突然ダイエットを始めたとハゲタカの目には映る。
とはいえ、いまだ「倒産の心配のない」郵便貯金や簡易保険に個人資産を託している国民は多い。その金額は約360兆円(03年4月)。世界最大の金融資産といえよう。
この資金をごっそりといただこうというのがハゲタカ集団の思惑である。これまでは郵政省という国家の厚い防壁があったため、ハゲタカも歯が立たなかった。
しかし、小泉首相の構造改革のおかげで、その壁が取り払われようとしている。飢えたハゲタカに血のにおいを嗅がせているのに等しいのが、小泉・竹中路線による「郵政民営化」なのである。そこで聞こえのいい「民営化」の裏にひそむ危険な落とし穴を明らかにしてきたい。
(つづく)
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それにしても、日本企業が米国のロックフェラービルを買収していたバブル最盛期に、現在の日本の苦境を見通していた奴はいたであろうか、・・・・・?。クールでスマートな奴らがいたんやろな。
長期的な成金の若旦那をノセるだけノセて後は地獄のそこに突き落とす・・ってか。なかなか、カシコイやんか。
浜田和幸さんの 最新刊
「ハゲタカがわらった日:リップルウッド=新生銀行の隠された真実」(集英社)