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ネバダ・レポートの≪ご返答≫に異論反論:日米の政府債務は国民経済にとってどちらのほうが過重負担か
http://www.asyura2.com/0406/hasan36/msg/280.html
投稿者 あっしら 日時 2004 年 8 月 15 日 16:08:56:Mo7ApAlflbQ6s
 

(回答先: ネバダ・レポートの≪ご返答≫に異論反論:旧ドルと新ドルの交換騒動について 投稿者 あっしら 日時 2004 年 8 月 15 日 14:45:14)


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【ご質問4】
旧紙幣は紙くず化して、アメリカは一夜にして対外債務を減らすことが出来る。
こんなことが書いてあるそうです。

≪ご返答≫
かつて、米国は紙幣を無効にしたことはなく、今でも100年前の紙幣・硬貨は銀行・FRBに持っていけば、額面で新紙幣・新硬貨に交換してくれます。
紙幣を無効にした歴史のある国は、日本、ドイツ等ヨーロッパ諸国であり、米国ではないのです。
(尤も連邦制度になる1800年台当時の紙幣は、各銀行が紙幣を発行していましたから、これらは回収され、今では無効になっていますが、これら紙幣は、いまでは額面の数百倍から数万倍の価格で取引がされています。)
また、米国にとっては、対外債務は重要な問題ではありません。
何故なら、米国企業の<多国籍化>が結果的に、ドルを世界中にばら撒き、対外債務を膨らます要因になっているからです。
今、世界の利益ベスト10企業に、米国企業は8社入っており、ヨーロッパは1社、日本もかろうじて【トヨタ】がランクインしているだけなのです。
そして、上位8社はいずれも、多国籍企業となっています。
このような米国が、対外債務を減らすために、紙幣を無効にするでしょうか?
紙幣無効化による混乱の方が、影響が大きいのです。
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「かつてなかった」からを根拠に上げるとはなかなかのコンサル根性ですな。

それ以上に大きな問題は、私的企業と政府を混同して取り扱っていることである、


「米国にとっては、対外債務は重要な問題ではありません。何故なら、米国企業の<多国籍化>が結果的に、ドルを世界中にばら撒き、対外債務を膨らます要因になっているからです」は、債権・債務の主体が区分されていないとんでも説明である。

私的企業A社が対外債務1億ドルを抱えていても、ほかの企業や国民はそれを気にする必要はないが、連邦政府の対外債務はそうはいかないものである。

米国の実情は、民間部門は対外純債権状態で政府部門が対外純債務状態である。
政府部門が債務を履行するためには、税金を徴収しなければならない。国内債務の履行のためであれば、それは国民に戻ってくるから経済循環にそれほどの悪影響を与えないが、対外債務の履行は米国民及び米国内企業が支払った税金が国外に流出することを意味するから米国経済に大きな悪影響を与える。(今は日本などから流出したドルが還流してきているから影響が表面化していないだけである)

ネバダ・レポートで笑えるのは、多国籍企業を取り上げて、それらの活動に支障をきたすから新ドル切替のような政策を採らないと説明していることである。


>このような米国が、対外債務を減らすために、紙幣を無効にするでしょうか?
>紙幣無効化による混乱の方が、影響が大きいのです。

まず、政府がするのではなく、金融家など主要な経済主体の所有者が求めるから政府が政策化するのである。

米国系多国籍企業が新ドル切替で混乱することはない。
多国籍企業が当座必要な金額を超えて手元流動性を現金でもっているはずもなく、内部留保も含めてほとんどの流動性は米国本社の銀行口座やドル建て債券類になっている。
この部分のドル資産は、一つ前のレスで説明したソフトウェア処理で切替は完了し、新ドルが欲しければすぐに入手できる。

一時的に少々の混乱があるとしても、対外債務の実質削減が自分たちに戻ってこない税負担の軽減につながるのら、大喜びであろう。

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【ご質問4】に対する≪ご返答≫の続き...

それより、日本国政府の債務を減らすために、日本円を無効にすると見るほうが、より説得力を持ちます。
日本円は、米国内でも、ヨーロッパ内でも、使えるところは極く僅かしかない≪田舎の通貨≫であり、ドルのように世界どこでも使える≪機軸通貨≫ではないのです。
この円が、つかえなくなっても、困るのは一部の外国人と日本人だけであり、世界はまったく気にしません。

今、米国にとって最も重要なことは、ドル問題ではなく、米国経済の軟着陸であり、これには【ブッシュショック】を発動し、経済規模を半減させる必要があるのです。
この【ブッシュショック】では、事実上の輸入禁止になりますから、米国経済に頼っている日本・中国・アジア・ヨーロッパ経済は、成り立たなくなります。
日本最強の企業である【トヨタ】ですら、赤字に転落することになるでしょう。
米国が<相互主義>を持ち出せば、日本の企業は、まず米国内でビジネスが出来ない事態に陥るからです。
米国は、輸入しなくても、やっていける国であり、日本は米国向け輸出が出来ないと成り立たない経済になっています。
日本は中国がある、ということもありますが、中国は日本以上に米国に依存となっており、米国の相互主義化で、中国の国内経済は麻痺し、結果、日本も中国とともに、共倒れとなります。

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米国が手荒な手法を採ることはないと言い募りながら、「それより、日本国政府の債務を減らすために、日本円を無効にすると見るほうが、より説得力を持ちます」って、“田舎通貨”だからという理由しか書かずによく言うよ!である。

日本政府の債務は95%が国内の債権だから、その債務の履行を税金で行うにしても、国内の債権者に戻るので経済循環にそれほどの悪影響を与えない。

日本の政府債務と国内貯蓄は一体なのだから、対外債務と違って、日本円を無効化しても国内で債権・債務が同時的に減少するだけで意味はなく、無用な混乱を招くだけの愚策である。


「米国は、輸入しなくても、やっていける国であり、日本は米国向け輸出が出来ないと成り立たない経済になっています」も、「米国は輸入に依存しなくてもやっていける条件を持つ国」と説明すべきであり、今の米国が輸入を断ち切れば国民生活は不便をかこつことになり、政権を維持することができなくなるだろう。

米国経済が軟着陸を必要としているように、日本経済も、現在の交易構造では米国なしに成り立たないというだけなのだから間接(中国)を含めて米国市場の比率を下げていくかたちでの軟着陸政策が必要である。

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