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米連邦公開市場委員会(FOMC)が10日、短期市場金利の誘導目標を年1・25%から0・25%引き上げた。フェデラル・ファンド(FF)金利の引き上げは4年ぶりとなった6月以来、2回目である。景気が持続的に拡大している下で、歴史的低水準にある政策金利を是正しておくことが狙いだ。
米国経済は年明け以降も前期比・年率で3〜4%程度の実質成長を続けている。民間設備投資や民間住宅がけん引役になっている。このところ、非農業従事者数の伸びが予想を下回ったことや、小売り売り上げに頭打ち感が出ているなど、景気には一時の勢いはないが、年間では4%台の実質成長予想が有力だ。
一方で、前回の利上げ時期よりインフレ懸念が高まっている。原油価格の上昇が続いているためだ。原油先物価格はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で1バレル45ドル水準まで上昇している。これまで、連邦準備制度理事会(FRB)は一時的な要因であるとの判断から、政策決定においてさほど重視していなかった。しかし、長期化の様相を呈していることもあり、物価上昇の主要要因になりつつある。
このところの株価下落などにもかかわらず、米金融当局が再利上げに踏み切ったのは、基調として景気が拡大している下で、金融政策正常化に乗り出しておかなければならないと判断したからだ。
このことの持つ意味は大きい。今後、景気が後退に転じた時、金融面からのてこ入れが可能な状況を作っておくことになるからだ。米国のIT(情報技術)バブルがはじけた以降、世界的に漂っていたデフレ懸念が払しょくされつつあるいま、先進諸国の金融当局が心すべきことは、物価上昇をコントロールしながら、安定成長から外れない路線を歩むことである。
何のことはない、本来の金融政策である。
英国では2度の利上げで誘導金利は4・5%となっている。ユーロ圏は成長の足取りが堅調になったこともあり、今後の原油価格の一般物価への影響次第では、利上げを実施することが予想される。中国の金融当局も引き締め政策を取っている。
世界的な金融政策正常化のための協調が進んでいるとみていい。では、日本はどうしていくのか。
実質成長率でみれば、先進国で最も高い状況が昨年秋以降続いている。それにもかかわらず、量的緩和政策は維持され、出口論の具体的議論は行われていない。日銀が金利操作による本来の政策を回復するまでには、現在、30兆〜35兆円に維持されている当座預金残高を大幅に減らすことが不可欠である。そのためにも、準備は万全の状態にしておく必要がある。
原油価格上昇や商品市況高騰の影響で7月の国内企業物価上昇率は前年比1・6%と13年ぶりの高い伸びとなった。量的緩和解除は頭の体操の段階は過ぎたといっていい。国際的な金融政策協調を大事にする時だ。
毎日新聞 2004年8月12日 0時12分
http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/seisaku/news/20040812k0000m070148000c.html