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(回答先: 8月景気一致指数、50%割れの公算…1年4か月ぶり [読売新聞] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 10 月 05 日 21:03:41)
原油価格、再び最高値更新 打つ手なし
来月以降/「61ドル」予測も 中国/資源ガブのみ
イラク戦争後、原油供給国の政情不安などを引き金に始まった原油価格暴騰に歯止めがかからない。フル生産が続く産油国は生産能力に余力を失い、これ以上の増産は難しい。にもかかわらず、急拡大する中国経済の原油消費は「まるで底なし沼」(石油元売り大手)。先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は今月、原油高に重大な懸念を表明したが、冬の需要期に入る十一月以降、価格は「一バレル=六一ドル」(米大手投資銀行モルガン・スタンレー)にまで上昇するとの予測もある。(長谷川周人)
ニューヨークの原油先物相場は五日の取引で、一時一バレル=五〇・九九ドルと過去最高値を更新。国際指標となる米国産標準油種(WTI)十一月渡しも今月一日、終値で初の一バレル=五〇ドルの大台に乗った。暴騰の引き金は消費国に広がる心理的な「供給不安」。中国需要の拡大で需給がタイト化する中、産油国の政情不安などが価格上昇に拍車をかけている。
イラク戦争後、原油の価格上昇を招いた背景には、(1)石油関連施設への攻撃が相次ぎ遅れるイラクの原油輸出(2)チャベス大統領の罷免を問う国民投票の後も続くベネズエラの政情不安(3)経営破綻(はたん)したロシアの石油大手ユコス社の輸出大幅減−などがある。
さらに九月に入ると、ナイジェリアの内紛激化にともなうメジャー(国際石油資本)の現地操業停止が追い打ちをかけた。しかもこの直前にメキシコ湾岸を襲ったハリケーン「アイバン」の影響で、米国の石油精製施設は稼働率70%に落ち込んでおり、原油価格は一気に五〇ドルの壁を突き破った。
米国は戦略石油備蓄(SPR)の一部取り崩しを決めたが、同時に「価格操作にSPRは使わない」(マクレラン報道官)との方針を確認。備蓄の本格放出は大統領選を前に価格下落を招き、ブッシュ大統領は支持基盤である米石油業界から反発を買う。「油価維持はブッシュ陣営の選挙対策でもある」(石油業界筋)というわけだ。
ところが、世界の原油在庫は米国を除き、過去五年では最高水準にある。国際エネルギー機関(IEA)の九月報告によれば、今年第三・四半期の在庫は日量二百三十万バレル。これは昨年同期の約十一倍に相当し、実は「在庫はだぶつき気味」(石油連盟幹部)なのだ。
にもかかわらず、市場が政情に左右されて供給不安に振れるのは、まずフル生産状態にある産油国が生産余力を失っている点にある。
IEAの統計によると、八月現在で非OPEC(石油輸出国機構)加盟国の生産余剰能力はほぼゼロ。OPEC加盟十カ国のうち九カ国も日量十万バレルを割り込み、サウジアラビアだけが百万バレルの余力を残すだけ。つまり有事の際、頼る原油はサウジ以外にないのだ。
しかも世界の原油需要は、経済が回復基調にある米国の需要が堅調であるのに加え、外資の移転やモータリゼーションなどが加速する中国経済が、エネルギー資源をがぶのみし始めた。
一九九三年に原油の純輸入国に転じた中国は、経済成長の中で需要が急増。消費量は今年第三・四半期で、日量六百三十万バレルと日本の五百五十万バレルを抜き、米国に次ぐ世界第二位となった。しかも需要は日増しに増えるため、IEAは今年、需要見込みを毎月上方修正する「前代未聞の措置」(石油元売り大手)を迫られている。
さらに注目されるのは、中国の原油調達先が北アフリカから中東にシフトしている点。設備が古い従来の中国では、硫黄分の低い北アフリカなどの原油を必要とした。だが、外資などが最新鋭の設備を中国に投入した結果、硫黄分は高いが安価な中東原油を使うことができるようになったからだ。今後、メジャーと競合する形で争奪戦が激化する可能性が指摘される。
冬の需要期を控えてG7は今月、原油高騰に懸念を表明したが、過熱する原油市場を冷やす手だては見つからないまま。モルガン・スタンレーは「従来の長期的価格パターン」を根拠に原油価格は今後、最高一バレル=六一ドルに達すると予想する。
これらを材料にヘッジファンド(少数の投資家で組織する投資機関)は、巨額資金をつぎ込んで先物取引市場をあおる。ヘッジファンドによる売買実態がないいわゆる「ペーパー取引」は九月、実需が日量八千二百万バレル強なのに対し、すでに二億バレルに達しているという。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/06kei002.htm