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(回答先: Re: 普通のおばさんの質問と感想です。 投稿者 朧月夜 日時 2004 年 9 月 08 日 11:50:15)
朧月夜さん、どうもです。
>給料があがると、景気が好転するという話は大変感銘を受けました。
>ここで、「優良企業に給料を引き上げさせる」いい手段はあるのでしょうか?リスト
>ラ(人件費削減)に向かっている昨今、その逆を行うようにするにはかなりのエネル
>ギーが必要な気がするのですが。引き上げるのなら、すべての優良企業でいっせいに
>行わなくてはいけませんよね。それって結構難しいような・・・?いえ、素人考えで
>すけれど。優良企業のトップの方々と対話が必要だということなのでしょうか。
給与引き上げは、政府が説得したり仕掛けをつくるのはかまいせんが、政府が強制することには反対です。
説得するためには、従来的な経済社会観(経済論理認識)の不合理(誤り)を正す合理的なものを提示しなければならないと思っています。
「産業資本主義の終焉」シリーズもその一助になればという思いで投稿しました。
給与引き上げは、確かに、トヨタを筆頭とする輸出優良企業が一斉に行うほうが望ましいと思っています。(自分のところだけがコスト面で不利になる策はなかなか採れない)
そのためには、大企業経営者の組織である日本経団連が徹底的に議論して給与引き上げの意義を得心する必要があります。
昨年から今年前半にかけての好況は、人件費削減のリストラによる“収益条件の改善”に輸出増加が達成されたことでもたらさせたと言われていますが、人件費削減を行っていなければもっと好況になっていたはずです。
外需増加による雇用増加と残業増加による可処分所得の増加が内需を支えてきました。
(なまじ対中輸出が増大したことで、リストラが好況の“糧”だと錯誤されかねないのが悩ましいと思っています)
80年代までなら外需による利益増加が設備投資や不動産投資につながり国民経済全体の好循環を支えていたのですが、今はそれを期待することはできませんから、輸出で稼いだ優良企業が給与を引き上げてその代わりを果たすしかありません。
給与引き上げという“起動力”が、徐々に設備投資や不動産投資を呼び起こすことになります。
政府でも日本経団連でも、会ってとことん議論するつもりですが...
>急がなくてはいけないのですね。
中国が刹那主義的な金儲け主義に走っているのが救いですが、戦後日本が達成した産業基盤の強化は中国人でも可能です。
中国人が経済論理をきちんと理解したり、日本の企業経営者が愚かにも様々な財の生産拠点を中国に移すようになれば、日本の貿易収支はあっという間に赤字に転換します。
(中国の経済学者は、日本の経済学者よりも米国流市場原理主義を信奉しています。これが、中国の弱点であり将来を危うくすると思っています)
路線転換は、痛みが少ないほうがうまくいき、痛みが多いほうが失敗します。
(痛みに耐えて「構造改革」を行えば未来が開けるというのは、先の大戦で見られた精神主義となんら変わらないタワゴトです)
10兆円を超える貿易収支黒字がある段階で路線転換をしたほうが、スムーズにことは進みます。
>あっしら様理論で、現在の経済を回復してしまったら、そのまま現在の生存様式を継
>続させたいと考える人が多いと思うのですが。経済社会に固執する人を説得するのも
>大変そうだなあ(感想です)。
>「新しい生存様式」を考える作業は、とても楽しそうです(いえ、その大変さは理解
>しています。でも、まず楽しむことが肝要かなあと。女の浅知恵かな。)。
私の処方箋でも、「産業資本主義の終焉」を食い止めることはできません。
(いろいろその方法も考えましたが、私にはどうしても見つけられません(笑))
今の日本なら経済を回復することができますが、それでもそう遠くない時期に「産業資本主義の終焉」に直面することになります。
しかし、近代経済社会の規定論理が理解されていれば、その終焉を悲劇や災厄にするのではなく、よりましな生存様式への転換機会にできるはずです。
資本増殖に資本家を含む生身の人間が奉仕するという倒錯した経済社会からどうやって脱け出すのかということをみんなで考えなければならない時期になったのです。
資本に奉仕するのではなく、歴史的に蓄積してきた資本(生産手段)をうまく使ってできるだけ楽に面白く生きる方法はどのようなものかという視点で...