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(回答先: 低い生産性上昇はインフレ要因であってもデフレ要因ではありません。 投稿者 あっしら 日時 2004 年 8 月 13 日 23:40:26)
あっしらさん こんにちわ
疾走タクシー満足度知恵比べ――規制緩和の波、サービス多様化(けいざい探検)2003/09/06, 日本経済新聞 朝刊, 33ページ, 有, 2332文字
お迎えはベンツ。和服姿なら運賃1割引……
ご当地色を打ち出した割引、高級車を使った「ベンツタクシー」……。タクシーのサービスがずいぶん多様になった。規制緩和から一年半。生き残りをかけ、事業者は知恵を競う。その「疾走」ぶりを点検してみた。
和服を着て乗ったら運賃一割引き――。京都市で大手タクシーのエムケイが七月から始めた「きもの割引」だ。グループ内に一人でも和服姿の人がいれば適用する。「古都らしいサービスは何かを考えて導入した」(経営企画部)
和服での利用者は一日約三百組。全体の一・三%が割引の恩恵にあずかっている。日本情緒を味わいたい観光客らに受けて京都では一社が同様の割引で追随、もう一社が認可を待っているという。
二〇〇二年二月の道路運送法改正で、新規参入や値下げの基準が大幅に緩和された。最も敏感に反応したのが関西の事業者。一定の距離を超すと大幅に運賃を割り引く遠距離割引や初乗り運賃の引き下げなどで、大阪市内にはいま三十を超す運賃体系がある。リストラで残業が増える一方、タクシー代の支給は厳しくなったビジネスマンらには頼りになる存在だ。
◎ ◎
電車やバスでは当たり前の「学割」も最近、やっと登場した。京都府精華町の関西学研都市交通は学生証を提示すると一割引きになるサービスを導入、今月スタートさせた。
全国のタクシー・ハイヤー利用者は二〇〇一年度で延べ二十三億四千四百万人。五年で三億人強減ったのに、台数は約二十六万台とほぼ横ばいだ。その後も新規参入や既存事業者の車両追加で約六千台増えており、競争は厳しい。
規制緩和の狙いは「事業者の創意工夫による新たな需要の喚起」と国土交通省。「多様なアイデアを出してさえくれれば認可に向け積極的に動く」と説明する。しかし事業者からみると、官の壁をクリアするのはそう簡単ではないらしい。
「『帽子割引』の申請が出てきたらどうするんだ」。エムケイの担当者がきもの割引のアイデアを相談した当初、近畿運輸局では認可に慎重だったという。「あまりにいろいろな種類の運賃が登場したら、利用者が混乱しかねない」。結局、「着物姿ではバスや電車など他の交通機関の利用が不便。割引は移動を配慮したもの」と、狙いを“翻訳”しての認可となった。
公共交通機関である以上、特定の人しか利用できないような「不当な差別的」割引などは不可というのが国交省の立場。原則自由とはいえ、認可には一定の法的な歯止めがある。これがときとして個別のアイデアの認可、却下の線引きをわかりにくくする。
◎ ◎
福岡県北九州市の三ケ森タクシー。貞包健一社長は六月、政府の構造改革特区に「タクシー事業活性化特区」を提案した。九州運輸局に一月、定期券の導入を打診したのがきっかけだ。決まった病院に通う高齢者らにとって定期は便利だが、申請は却下。タクシーの「制度になじまない」という簡単な理由だった。
納得できない貞包社長は特区での実現を目指し、地域限定のフリーパスなども提案。国交省側は現状でも「基準を満たせば可能」との見解で、議論はすれ違っている。貞包社長は「前例のないサービスについて認可基準はあいまい」と不満げだ。
アイデア競争には業界の内なる壁もある。例えば国内のタクシーの二割超が走る東京都内。割引については個人タクシーが迎車料金を廃止するなどしているものの、法人事業者は模様眺めを決め込んでいる。
ほかの地域に比べれば一台当たりの営業収入が高いといった事情から、大半が割引に踏み切らずにいるのが実情だ。とはいえそんな都内でも、参入増による今後の競争などを見越し、質で利用者を引きつけようという挑戦は始まっている。
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「従来の料金で満足度を高める」。マッキンゼー・アンド・カンパニー勤務の経験もある日本交通(東京・品川)の川鍋一朗専務はこう語る。打ち出すのは高級車路線。都心部でかつてハイヤーの色とされていた黒塗りの車両を使い、接客態度などをもとに運転手も選抜した。
昨秋参入したふくねこタクシー(同・足立)は「メルセデスベンツC180」を使用。ユニークな社名と相まって「結婚式などの予約が多い」と千田義博社長はいう。
また、日の丸交通(同・文京)はカーナビゲーションを使って、利用者が行き先を登録したカードを示せば黙っていても目的地に送るサービスを展開している。
空港や病院など目的地まで送り届けてくれる便利なタクシー。料金やサービスで満足度を高めた事業者だけが、利用者の支持という「距離」をかせぐ時代がきている。
【表】タクシーサービス、どこまで充実?
定額運賃
規制緩和で実現。都内と成田空港を結ぶサービスの利用が拡大。阪神タイガース躍進で甲子園球場―ホテル阪神間も登場
遠距離割引
規制緩和で実現。5000円超5割引きは認可されたが、3000円超5割引きはいまのところ却下
往復割引
規制緩和で実現。一部で認可がおりたため今後、全国に広がる可能性もある
定 期 券
国交省は「基準を満たせば可能」との見解。認可例はまだない
キャッシュバック
道路運送法で「運賃の割り戻し」が禁じられているため実現は不可能
ポイント制
規制緩和とは関係なく、乗車金額に応じて景品や乗車券を贈呈するもの。全国に広がっている
お使い代行など
今回の規制緩和とは関係なく「救援事業」の名称で「本来の事業の妨げにならない範囲」で可能。サービス多様化の一環で最近目立っている
新規参入
需給調整を撤廃した今回の規制緩和で容易に。6月末までに全国184社が申請した
【図・写真】和服姿で利用するとエムケイは料金一割引き(京都市)
ほかにも、こういう、細かい規制があり明らかに潜在需要の掘り下げを妨げている
法律がいくらでも在ると思います。経営者や出資金はデリケートなため、すこしでも
見えないリスクがあると、そこをよけて通るとおもいます。
そのよけて通るとこに、需要が存在している可能性もあります。
反対に、規制緩和をしすぎてもいけないのが難しいとこだとおもいます。
また、民間の経営手法が稚拙であれば、需要予測を大きくはずしたり、モラル低下といった問題もでてきます。日本はいままで規制をすることで産業保護をすることで地域経済と中央集権による資源の再配分を成功させたため、民間(欧米の企業にくらべて)にノウハウの蓄積がなくなっているのは確かです。
できれば、公的機関は事前チェック→事後チェック方式にしていくことが必要だとおもいます。