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(回答先: 人間ヒトラー描く映画に熱狂する独、仏紙は冷たい視線[読売新聞]【独紙:資本主義の問題点を指摘しただけで反ユダヤ主義..】 投稿者 あっしら 日時 2004 年 10 月 05 日 02:18:31)
朝日新聞04年10月5日 大阪本社版 朝刊 文化欄
(本文)
ナチスドイツが崩壊する寸前のヒトラーとその側近たちを描いた映画「Untergang(滅亡)」(ヒルシューゲル監督)がドイツで封切られ、話題になっている。ホロコースト(大虐殺)の過去背負いながら民主国家を築いてきたドイツ人が、戦後60年を経て過去の負い目から解き放たれたことを示す象徴的な作品だ。
(ベルリン=古山順一)
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映画は45年4月、ソ連軍に取り囲まれたベルリン中心部のヒトラー総統本部と地下壕を舞台に、ヒトラーの最後の12日間を描く。
ドイツで有力な映画制作者ベルント・アイヒンガー氏が、映画と同名の歴史研究書とヒトラーの秘書の回想録をもとに脚本を書いた。テレビ界で定評があるヒルシューゲル監督が記録ドラマ風に仕上げた。
これまで、劇画的に描かれることの多かったヒトラーを一人の人間として描き、英米メディアは「ドイツはついに戦後のタブーを壊した」(英紙デーリー・テレグラフ)と衝撃的に伝えた。
ヒトラーが自殺した後、ゲッペルス宣伝相の妻が6人の子供に1人ずつ毒薬を飲ませるシーンがある。総統地下壕跡に近いポツダム広場の映画館で見た10代の少女の涙をさそった、と地元紙は伝えた。
ドラマの部品を強調するあまり、ナチス犯罪全体をみる歴史的視点がぼやけ、総統の周辺も「被害者」の印象を与えるという批判は独メディアにもある。
ヒトラーの自伝『わが闘争』が現在も出版禁止とされ、ナチスを公然と礼賛することが犯罪とされるドイツでは、ヒトラーを描くことに自己規制があった。
制作費1350万ユーロ(約18億円)をかけた「滅亡」は史実に忠実で、さらにヒトラー役のスイス出身ブルーノ・ガンツが地下壕で狂気のように叫ぶ老いた独裁者を好演し、同情を呼ぶ要素は少なそうだ。
しかしタブーが破られたことで、今後新たな形でヒトラーを描こうとする試みも予想される。極右を刺激するような作品の登場を警戒する声も出始めている。
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