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8/23付・東京新聞の特報記事(http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20040823/mng_____tokuho__000.shtml)によると、小泉政権は、この二年越しで成立をめざしてきた新法『共謀罪』を今秋の国会に提出する準備にとりかかっているそうです。この新法が成立すると、それは日本国民の人権を甚だしく蹂躙することになるにもかかわらず、マスコミはもとより一般国民の関心も殆どこれには向けられていないようです。何よりも恐るべきことは、この東京新聞の特報記事が無ければ筆者も含めて殆どの国民は、新法『共謀罪』(特別法)について何も知らぬままに過ごすことになったと思われることです。なぜ、この報道は「東京新聞」一紙だけなのでしょうか?恐るべきメディア・コントロールが機能しているのでしょうか?
国会提出が準備されている新法『共謀罪』の概要と問題点を整理すると次のようなことになります(参考、表記の東京新聞・特報記事及び自由法曹団・共謀罪「五つの質問」、http://www.jlaf.jp/iken/2004/iken_20040115_02.html)。
2000年11月に、国連総会で「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約」(国連国際組織犯罪条約)が採択され、日本もこれに署名しました。これを受けて「共謀罪」が提案されることになりました。前の国会では、国際的な組織犯罪集団の取締りを目的とした「犯罪の国際化及び組織化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」として提出されましたが、衆議院解散とともに廃案となっています。その法案によると、「共謀罪」は死刑または無期もしくは長期4年以上の懲役もしくは禁錮の刑が定められている「罪に当たる行為で、団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行なわれるものの遂行を共謀した者」を処罰するものとなっています。(同法案第6条の2)。そして、長期4年以上の刑を定める犯罪についての共謀は懲役2年以下、死刑または無期もしくは長期10年を超える刑を定める犯罪についての共謀は懲役5年以下の刑が定められています。自由法曹団・共謀罪「五つの質問」は具体的に想定される次のような事例を示しています。例えば、「地域住民によるマンション建設反対運動」の場合です。ある町で緑が多い傾斜地を開発して地下4階、地上3階の地下室マンション建設の計画が持ち上がったとします。この地域は高さ10メートルまでの住宅地域です。突然の計画発表に対して住民の中から反対運動が広がりました。一方で建設業者は、安全・安心街づくり条例に基づいて建設するマンションの防犯設備について所轄警察署に設計図を提出して相談しました。警察は、マンションの出入り口と四方に防犯カメラの設置を指導しました。・・・(途中略)・・・話し合いを拒否された住民と建設強行を図る業者との間の対立は激化しました。住民たちは、建築資材の搬入を阻止する実力行使も検討しました。業者から防犯設備の相談を受けていた警察は、住民の反対運動に注目していました。このため、住民の中にその動向を警察に通報してくれる“協力者”をつくって情報を収集していました。業者の資材搬入日が決まると、住民たちは、大量動員してピケットをはり、資材搬入を実力阻止することを決めました。これが住民の中の“協力者”によって警察に伝えられました。資材搬入の当日の朝、住民がピケのため家を出ようとしたとき、組織的威力業務妨害『共謀罪』(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律3条7号)で逮捕され、このマンション建設反対運動は挫折しました。そして、地下室マンションは、業者の計画どおりに建設されました。
この新法『共謀罪』(案)によると、法廷刑が四年以上の懲役となる犯罪を複数の人々が“共謀”した場合は、最高で懲役五年の刑罰に問われることになっています。これまでも、刑法六十条による「共謀共同正犯」というものがありましたが、これは犯罪が実行されて初めて罪が問える法律です。ところが、新法『共謀罪』の特徴は“実際に犯罪がなされなくても、仲間どおしで事前に計画を相談しただけで罪に問われる”ということです。これは、明らかに日本国憲法の「思想表現の自由」に抵触する内容です。この東京新聞の報道によると、横浜弁護士会の森卓爾・弁護士は“共謀罪が成立する犯罪は557種類もある。中には市町村民税免脱罪や不同意堕胎罪など、組織犯罪と関係がない犯罪も含まれている。警察当局が組織的団体と認定すれば処罰ができるようになるので、住民団体やNPOも対象となり得る。”と話しています。常識的に考えると、このような「共謀罪」は刑法改正のフレームの中で行われるべきと思われますが、政府案は「組織犯罪処罰法」という「特別法」の改正という形で導入する計画なので、それが適用される範囲は組織犯罪を対象としたものだけに限定されなくなるようです。(参照、HP『J憲法&少年A』http://pdo.cocolog-nifty.com/happy/2004/08/post_17.html)従って、これについては、イラク特措法などの有事体制関連の法整備の一環と捉える厳しい視点が必要だと思われます。例えば、教育基本法・改正の関連で、日本国民が「愛国心」を一定の形で表現することが望ましいという方向性が自民・公明の連立与党によって検討されていますが、国民一人ひとりの“心の中の働きや有り方”まで国家が一定方向へ向けて強制しようとするのは全体主義的な統制国家以外の何ものでもありません。
奇しくもほぼ時期を同じくして、大統領選挙を三ヶ月後に控えたアメリカでも、Counter Inteligence Prgrams(COINTELPRO/敵対情報活動計画/ FBI が打ち出した政治的な反体制勢力を破壊する計画)の適用が本格化しているようです。(参照、Blog『暗いニュース・リンク』http://hiddennews.cocolog-nifty.com/)8月30日から始まる共和党大会を目前として、ブッシュ政権は、ニューヨークの共和党大会が行われる会場周辺での反戦団体、環境保護団体、中絶権利擁護団体などによる「反戦デモ」に神経を尖らしています。このため、FBI(連邦捜査局)の捜査官たちは、Counter Inteligence Prgramsを盾にして反戦運動に参加したことがあるアメリカ市民の自宅を訪問し、これらの一般市民たちを尋問し反戦デモへの参加をやめるように威圧しています(Blog『暗いニュース・リンク』及びNew York Times、2004.8.16付・記事/http://www.nytimes.com/2004/08/16/politics/campaign/16fbi.html?ex=1093625192&ei=1&en=8f33249093eacfe6による)。今のアメリカでは「テロ対策」と「愛国者法」(Ishikawa-News Com./http://blog.ishikawa-news.com/mt/archives/2004/07/post_9.html)の名目があれば、政府による人権無視の行為も許さざるを得ないという雰囲気に包まれているようです。去る7月23日、「9.11NY同時多発テロ事件」に関する「独立調査委員会」の報告は、大統領選挙に対する影響などを配慮してか、その内容は当初予想されたより穏やかなもので終わりました。しかし、そこでは、テロの犯罪者たちが米国政府の組織上の欠陥につけこんだことが指摘されており、米国政府は過去数年の間に10回にも及びテロ計画を防ぐ機会を失っていたと指摘しています。一部の陰謀論者によれば、これこそが米国政府の“やらせの証拠”だということになるのでしょう。必ずしもそこまで短絡できないにしても、“意図的な想像力の欠如”のような何となく怪しげな雰囲気が漂っていることも確かです。いずれにしても、東西冷戦構造が崩壊した1900年代の初めころから、米国の産軍複合体(国防総省と兵器製造・軍需・核開発・ハイテク・石油等の関連産業等との結びつき)が自らの生き残りと活路開拓のシナリオを描いてきたことは、ほぼ間違いがないようです。このような米国発の“黒い奔流”が日米の軍国主義化と隷属的日米同盟の背景にあることを片時も忘れるべきではないと思います。このような観点に触れると、即座に“左翼だ”、“共産主義者”だというような短絡的で不勉強な批判の声が上がることがありますが、大事なことは「公正」と「人権の擁護」という観点です。資本主義の持続的な発展方向にしても「不健全な発展」と「健全な発展」の二つの道があり、今進みつつある道は、どんなに割り引いて考えても前者の方だとしか考えられないのです。つまり、いつの間にか我われは「テロとの戦い」を口実にすれば何でも有りという世界に嵌っている(意図的に嵌められた?)ことが問題なのです。そして、次第に「米国発の“黒い奔流”→隷属的日米同盟→メディア・コントロール→イラク戦争→イラク特措法→自衛隊イラク派遣→メディア規制(テレビ・ラジオ局に対する有事対応事業者の指定)→共謀罪(超監視型社会の実現)」のシナリオが浮かび上がってくるのです。
このような観点から見ると、ポピュリズムの日本の小泉政権(支持率頼みのパフォーマンスに明け暮れる)は、米国発の“黒い奔流”が描くシナリオにとって極めて使い勝手がよい代理政権(Agent)であることが分かります。そして、目的不詳の“構造改革”の名の下で日本の財政赤字だけが着実に増え続けています(『日本の財政赤字カウンタ』http://ueno.cool.ne.jp/gakuten/network/fin.html)。その実態は単なる操り人形(ギニョール/guignol)だと言っても過言ではないでしょう。そして、この状況は、今、日本で噴出しつつある憲法改正や核武装論などの問題にも関連してきます。つまり、どんな憲法であろうが、そんな“くだらないもの”(基本的人権や平和主義など)は無視して当然とする立場(政治的・軍事的マキャベリズムを絶対視する“黒い奔流”は、意図的に危機を煽る生政治の演出と先制攻撃論を必須の手段とする)で政治的な影響力(絶対的権力)を行使すべきだという<アンチ民主主義>の考えを持つ人々(暴政論者たち)の暗黙の連繋の声が次第に大きくなりつつあります。しかも、殆どのマスコミは、その傾向を批判するどころか積極的にそれを誘導する傾向さえ見られるようになっています。これは独立国・日本にとっての「本来の国益」を無視する行為以外の何ものでもありません。また、今や、このように「暴政を是とする声」の発信源は、必ずしも政治権力者とは限りません。それは恰も前段階のガン細胞のように、選挙の洗礼に無縁な法曹・宗教・官僚・学者・経営者・教育者などの各界・各層にわたって恐るべき病巣のように広がりつつあります。特に産業界からは、とにかく経済優先の立場から「武器輸出三原則の廃止」が求められています。そして、このような誤った経済優先の考え方は今回の悲惨な美浜原発事故の原因と重なっており、同種の第二、第三の原発事故が起こる確率は非常に大きいと考えられるのです。ともかくも、それと呼応するかのように、アメリカでは核兵器の開発・管理を管轄するNNSA(米国エネルギー省核安全保障局)の核政策・立案者ジョン・ハービー博士が新型核兵器の開発・製造の検討に約10年ぶりで着手することを発表しています(2004.8.12、共同通信)。また、最近、英国政府はGTAC(Govermnt Technical Assintance Center)と呼ぶ新しいネット監視システムを準備していることを発表しました(Wired News/http://hotwired.goo.ne.jp/news/news/Culture/story/20000508206.html)。既に英米連繋のネット監視システム・エシュロン(Echelon)などが稼動していることは周知の秘密です。このような観点を結びつけると、日本における「共謀罪」の準備でもネット監視(対象は匿名の掲示板、メーリング・リスト、Blogのコメント&トラックバックなど)が視野に入っていることは間違いがないと思われます。ネット上の様々なレスの書き込みやBlogのコメントなどが証拠となり「共謀罪」を適用されるような、一昔前ならSFで描かれたような暗黒社会の到来が近いのかもしれません。或いは、それはフランク・バブロフ著『茶色の朝』(藤本一勇・訳、高橋哲哉・メッセージ/大月書店)が描く“密告社会”が近づいていることなのかもしれません。
今、日本はオリンピック報道で一色の感があります。日本選手たちの目を見張るような大活躍はよろこばしいことです。その姿を感動と共に伝えることはマスコミの大切な仕事の一つです。しかし、オリンピック関連ニュースの報道全体に対する露出の割合が異常に多いことが気がかりです。浅井久仁臣氏のBlog『私の視点』(http://blog.goo.ne.jp/asaikuniomi)によると、8月に入ってからの全国紙の紙面で自前記事は約3割程度であり、残りはオリンピック関連を中心とするスポーツ報道と広告で占められているそうです。雑誌「DAYS JAPAN」(9月号/服部孝章氏・署名記事、メディア・チェック)によると、6月に遡りますが、参議院選挙・投票日前の6月27日に、自民党は“最近、一部のテレビにおいて政治的公平・公正を強く疑われる番組放送がありました。わが党としては多様な意見を番組に反映していただきたい・・・”という批判の声明を発表しました。これは、一部のテレビ番組が「年金法」に批判的な専門家を起用したことへの批判です。こんなことを言われるまでもなく、報道機関の役割は客観的な視点と多様な意見を公平に報道することです。それにもかかわらず、このような身勝手な“公平論”に反論する毅然としたマスコミ側からの声は小さかったようです。また、今年2月に市民団体「立川自衛隊監視テント村」の3人が立川の防衛庁官舎に自衛隊のイラク派遣反対のビラを配布して逮捕されるという事件がありました。そして、起訴後も彼ら3人の保釈は認められず75日間にわたり拘置されました。このように、ごく当たり前の反戦活動のようなことでも、今の日本では厳しい覚悟(逮捕があり得ることの覚悟)を決めないと取り組めない環境(雰囲気?)となっているのです。「DAYS JAPAN」の同記事によれば、東京新聞(だけ?)が、この問題を執拗に追及して憲法問題(基本的人権の無視)と位置づける報道を行いましたが、朝日・毎日の両紙は不十分な報道で終わったようです。政治評論家・森田実氏の解説(http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/)によると、強固な日米同盟の真の狙いは“集団的自衛権と日本の徴兵制”を可能にするために日本国憲法を改正させることにあるということのようです。このような論点を直視した、このように近未来の日本国民の基本的人権と基本的厚生にかかわる多様な論点の舞台を提供しつつ、過誤や誤解については厳しく批判するのが本来のマスコミの仕事であったはずです。
ジェット戦闘機やジャンボ機のパイロットなら誰でも知っていることですが、航空機の操縦者が自分の操縦している航空機の姿勢・位置・運動状態(方向・速度・回転状態など)を客観的に把握できなくなる状態があり、これは「空間識失調」(ヴァーティゴ/Vertigo)と名付けられています。その原因は視覚機能、体性感覚、内耳機能が異常をきたして、統一的なバランス感覚(バランス意識)の保持が出来なくなった錯覚状態のことです。この「空間識失調」は、天地(上下)、左右の方向が判断不能となり航空機事故に直結する恐ろしい状態です。物理的な直接原因としては荷重(重力G)、回転、視覚刺激などが考えられており、特に雲の中から抜け出した瞬間、宙返りなどのアクロバット飛行、夜間飛行、計器飛行などのときに起きやすいとされています。そして、この「空間識失調」状態から抜け出すコツは自分の意識よりも、計器板上の姿勢支持器などを信じることが重要だとされています。視覚刺激の原因の中には色覚の錯覚もあるようです。例えば、青空の青い色のような色覚の現れ方は「面色」と呼ばれ、その特徴は距離感が不確定でつかみどころがないという感覚に襲われることです(原っぱで大の字に寝そべって晴れた大空を見上げた時の状態と同じこと)。これに対して地上の構造物や森林などの色覚は「表面色」と呼ばれる色覚の現れ方であり、その特徴は距離感が確定的であることです。しかし、地上の構造物や海の色などが必ずしも「表面色」として現れる保証はなく、例えば雲の中を飛行中に比較的近くにある雲海の穴(この衝立の穴のような存在のことを還元衝立(Reduction Screen)と呼びます)を通して海面を見た場合などに、海面の青い色が「面色」として現れる(知覚される)ことがあります。このような場合にも距離感を見失ってしまい「空間識失調」状態に落ちる可能性があります。
いずれにせよ、この「空間識失調」状態から抜け出すためには自分のバランスを喪失した意識に頼るよりも計器板上の姿勢支持器など(客観的な定位点)を信じる必要があります。先ほどから述べてきた、現在における日本の政治・社会状況は、このような「空間識失調」状態に喩えることができます。そして、飛行中のジャンボ・ジェット機の計器板上の姿勢支持器に相当する役割、つまり定位点を示す役割を担うのが新聞・テレビなどのマスコミのはずです。しかし、頼りとすべき、その肝心のマスコミ自身がヴァーティゴ状態(空間認識のための定位点を見失った錯乱状態)となっているのが今の日本の悲劇です。一国も早く、日本は、この危機的な「空間識失調」状態から抜け出さなければならないのです。「5.22訪朝」に関する“空白の10分間”問題や朝鮮総連との不分明なかかわりなどが指摘され、対北朝鮮交渉問題の不透明さが増しつつある一方で、肝心のジャンボジェット・日本号の機長、小泉首相は、今秋には海上保安庁の巡視船に乗って択捉・国後島などの北方領土訪問を敢行するという新たな「パフォーマンス作戦」に取り掛かろうとしています。日本の「空間識失調」状態という悲劇はいつまで続くことになるのでしょうか?
<参考URL>
http://blog.nettribe.org/btblog.php?bid=9816b255425415106544e90ea752fa1d
http://www1.odn.ne.jp/rembrandt200306/
http://blog.goo.ne.jp/remb/
http://blog.melma.com/00117791/