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(回答先: 意図的に危機を煽る生政治の演出と先制攻撃論を必須の手段とする 投稿者 こいけ 日時 2004 年 8 月 30 日 20:55:04)
ご指摘のとおり、「生政治」は政治権力が人間の生の身体を支配し統治するという現実を示すためにフーコーが使った用語をイメージしています。また、アガンペンが予言したとおり今や全世界が“収容所”化しつつあるようです。確かにブッシュ政権が進める政策は「先制攻撃論」のような生易しいものではなく、これから幾らでも繰り返され得る「予防戦争」ですね。それは、権力者の思惑どおりにホモ・サケル(アガンペンが言う“聖なる人間”=法から除外された人間=極貧者たちの群れ)の再生産という手段によって全世界の人々を絶えず「空間識失調状態」へ陥れる作戦のようです。まず重要なことは、生身の身体を持った人間と自然環境とのバランスを回復させるという視点だと思っています。“弱者へのいたわり”も絶対に忘れるべきではないでしょう。まともな社会のあり方を模索したロールズの正義論の後継者たちにも期待しています。これらの観点を普遍的な価値として人類が共有できるようになることに未来への望みがあると思います。そのためには高遠な諸学問のあり方などに関する価値基準や従来型の人間性(ヒューマニズム)の定義を根本的に見直す覚悟が必要かもしれません。ところで、芸術を堪能するディレッタント気取りの権力者は特に要注意だと思います。何故なら、現実を誤魔化すために美化したポピュリズムの種を撒き散らすことで、弱者であるはずの国民の心に権力者がつけ込む隙を与えるからです。論理が飛躍するかもしれませんが、小泉首相の靖国参拝問題の深刻さは、この辺にあると思います。大半のマスコミは、その種蒔きの手伝いに大童で「共謀罪」を報道する暇がなかったようです・・・・・こんなことを書いていると「共謀罪」になるのでしょうか?
ところで、『ドグマ人類学総説』(ピエール・ルジャンドル著、西谷修監訳、平凡社)のご紹介ありがとうございます。是非とも読んでみたいと思っています。