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■「はだしのゲン」市民グループが全10巻の英訳完成
広島で被爆した少年がたくましく生き抜く姿を通して、戦争の悲惨さや命の尊厳を
描いた漫画「はだしのゲン」(全10巻)の英訳版「BAREFOOT GEN」が、
8月から日米で出版される。
翻訳したのは、金沢市の市民グループ「プロジェクト・ゲン」
(浅妻南海江(なみえ)代表)。「被爆者の痛みが素直に伝わる作品。
投下したアメリカの人々に読んでほしい」と、4年がかりで出版にこぎ着けた。
「はだしのゲン」は、6歳の時に広島で被爆した漫画家・中沢啓治さん(65)の自伝的作品。
代表の浅妻さん(61)は、1986年のソ連(当時)・チェルノブイリ原発事故を
きっかけに、ゲンのロシア語訳を自費出版。その際に、中沢さんから、東京のボラン
ティア団体が76年に英訳し、1度アメリカで出版されたことがあるが、第4巻で
途絶えていることを聞いた。
浅妻さんは「主人公ゲンが生きる希望を見いだす10巻まで読まないと、
原爆の悲惨さだけで物語が終わってしまう」と英訳を決意。共感して集まった主婦や
会社員ら十数人のメンバーとともに英訳作業に取り組んだ。
左側から読み進む英訳版に合わせて、パソコンのスキャナーで1ページずつ読み込み、
コマのレイアウトを替える地道な作業も。
浅妻さんは「海外でゲンを自国語に翻訳しようと活動している人がいる。
翻訳料が入ったら、そうした人たちを支援したい」と話している。
中沢さんは「最大の核保有国アメリカだからこそ、ゲンを読んで核兵器の恐ろしさ、
悲惨さを知ってほしかった。英訳版の完成で、ようやくその機会が訪れる」と喜んでいる。
価格は、10巻1セットで1万4000円。初版はアメリカ2000セット、
日本1000セット。8月に1、2巻を出し、順次10巻まで配本する。
問い合わせは浅妻代表(076・242・6559)へ。
◆はだしのゲン=1973年から87年まで少年漫画雑誌などで連載。
広島の原爆で肉親を失ったゲンが、貧困や差別を乗り越え、成長する姿を描く。
戦争の悲惨さだけでなく、主人公らの純粋さやたくましさが共感を呼び、
「汐文社」「中央公論新社」で単行本化され、600万部を超すロングセラーとなっている。
2004/7/29/15:30 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/culture/news/20040729i307.htm