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(回答先: Re: どなたかご教示ください: 一般的で素朴な疑問 考古学、人類学研究グループメンバーの専門分野 投稿者 シジミ 日時 2004 年 7 月 26 日 20:55:49)
シジミ樣、ご教示ありがとうございます。
私の友人が西日本の町役場の教育委員会で古文書の解読をしております。先日彼と電話して「考古学はどこまでが社会科学で、どこからが自然科学なのかわからなくなったね」といったのが質問の発端でした。
日本での古文書の解読というのは、まず変体仮名や崩し字の読み方を覚えなければならず、それにかなりの時間を費やします。それをパソコンに打ち込んで活字とする。そしてここで古文で習ったような古語を使って現代語訳するそうです。大学や研究所レベルはいざ知らず、町役場などでは「パソコンが出来る人は変体仮名や崩し字が読めず、それが読める人はパソコンが出来ない」といったDigital Divideがあって苦労するとか。でもこれは時間が解決する問題と思います。
けれども古い家屋のふすまや屏風の詰め物にしていた紙に、結構生き生きとその時代を見せてくれるような古文書がたくさんあるそうです。例えばお店の台帳なんかで物価と生産高も推測できますね。江戸時代が暗い百姓と庶民を搾取していた時代であったという見解が段々崩れてゆき、江戸時代は農業生産も上昇して実質資本主義の割合と自由な時代であるという見解に変化しているいるそうです。
これもこうした在野の古文書解読が蓄積されて見解が変化していったものでしょう。古いふすまの詰め物の紙は、出来ればきちんと保存しておいて、教育委員会なんかに寄付するか保管してもらっておきたいものですね。時代を見せてくれる貴重な史料なんですから。
今までは人類学や歴史学というものは社会科学の分野の研究でした。しかし自然科学の進歩によって別な面からの切り口で新しい発見や定説が覆されるなど、今後は色々と面白いことが期待できそうですね。