現在地 HOME > 掲示板 > Ψ空耳の丘Ψ36 > 401.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
http://www.chibalab.com/news_otoshiana/documents/20031025.html
詐欺と略奪の弱肉強食ワールド No.6【2003年10月25日】
ラスベガス風に進化した賭博経済
戦後の日本経済は、加工貿易を国家の柱にすることでずっと貿易黒字を維持し、とにかく世界第2位の資本主義国家になることができた。もちろん、そこには地理的な幸運が大きく作用した。米ソの長い冷戦構造が存在したために、極東アジアのデッドエンドにある地理的ポジションが、アメリカのアジア覇権に於ける戦略の要としての民主化モデル、つまり「反共の防波堤」として日本はとても利用価値が高かったわけなのだ。
アメリカは、戦略的な基地として微妙な位置にある日本を、ソ連に取り込まれて共産化させるわけには絶対にいかなかったし、中国や他のアジア諸国を自由主義陣営に取り込むためにも、何としても日本を自由主義を象徴するアジア先進国モデル国家にしたかったわけなのだ。もちろん敗戦後アジアの何処よりも日本がたやすく高度経済成長を達成できたのも、それが最大の根拠であり、それ以上でもそれ以下でもない。
この真実を日本人は未だに理解できない。確かに日本人は勤勉だし、起用であることも間違いのない事実だ。しかしそれと実際に世界経済の中でジャパン・アズ・ナンバー1に日本が成れたこととは、まったくと言っていいほど関連性がない。様々な利権と欲望が渦巻く世界覇権の力学は、はっきり言って、そんなに生易しくできてはいない。純粋な絵に描いたような力学で動く理想的な社会は、残念ながら現在のところ、この地球上の何処にもまだ実現されていない。
今も昔も、この世は支配するか、支配されるかで成り立っている。遥か昔にバイキングがおこなった略奪システムは、現代社会にそのまま脈々と受け継がれている。つまり支配する側が、その時代の流れに応じて、巧妙にやり方を変化させているだけなのだ。あくまでこの世はゼロサム社会であり、仕方なく口先だけで民主主義とか平等とかを唱えはするが、実際のところは、略奪こそが文明社会の基本となっている。美しく愛に満ちた社会は、未だにバーチャル空間にしか存在しない。
世の中には得をする人間と、損をする人間の二種類しかいない。これは神が与えた運命というよりは、人間が住む社会の仕組みから生まれる必然的な成り行きなのかもしれない。だとしたら、日本人はどうなのだろうか。
90年代に入って、日本はついに経済破綻した。株式を売買する東京証券所がある兜町は、散々な苦境に陥った。日本人は誰にだまされたのか。アメリカの金融マフィア?それともジョージ・ソロス率いるヘッジファンド?もちろん間違いではないが、投機屋であるジョージ・ソロスは雇われて忠実に動いているに過ぎない。彼は与えられた役割をこなしている駒のひとつに過ぎないのだ。
もちろんジョージ・ソロス等投機屋は基本的に金のない国では生きられない運命にある。イギリスが繁栄した時代には大英帝国の基礎を築いた産業革命の機械化と、ジョージ・スチィーブンソンの蒸気機関車の発明による鉄道の発達があり、アメリカが繁栄した時代には、ロバート・フルトンによって蒸気船が発明された後、鉄道、石油、鉄鋼、電気、通信、自動車、テレビ、ハリウッド映画、コンピューター、航空機、宇宙開発、インターネット等を育て上げ、いずれも大財閥と億万長者を創造した。そして日本が繁栄した時代には、そのすべての分野でアメリカを追いかけ、小型かと改良という利便性と経済性と追求してみごとに世界を席巻した。
90年代にビル・ゲイツが登場して新しい産業が再び怒涛のごとくやってきて、倒れかかっていたアメリカの金融界を、再び日本から取り戻すことに成功した。次から次と新しいものを世界に提供してきた独創性という意味で、アメリカは、19世紀以来一貫してトップの座を守り続けてきた優れた国である。その経済が転落しそうになると、必ず軍事戦略が政治の前面に出てきて、世界をアメリカの軍事力で強引にねじ伏せ混乱させて、管理してゆこうとするのが、アメリカの特徴である。
そのビル・ゲイツ達、現代の産業家が存在してこそ、初めてジョージ・ソロス等投機屋がウォール街活躍できるのである。あくまで彼らは莫大な金を移動させることを生業とした、何処まで行っても付加価値を産みださないゼロサムビジネスである。98年には、すでに全米で700万を超える口座が開かれ、ネット取引によって株の売買が行われるようになった。全世界のデリバティブ市場は150兆ドルに達し、デイ・トレーダーと呼ばれるにわか投機屋がゲイツのプログラムを駆使して相場を乱高下させてマーケットをゲーム化する。そのヘッジファンドの運用額は、ピーク時に8兆ドル、つまり880兆円という規模までふくらんだが、 LTCMが破綻したあと、98年11月にはその半分の4兆ドルに落ち込むほどの危うい世界である。
この被害者は、本当はいったい誰なのだろうか。ジョージ・ソロスの被害は大げさにマスコミで報道されるが、彼らが損をするはずはない。投資銀行ゴールドマン・サックス会長時代に年俸30億円をもらっていたロバート・ルービンは、大統領選でクリントンの選挙参謀として資金集めに奔走した後、経済担当の大統領補佐官に就任すると、たちどころに円高政策を実行に移して日本経済をどん底に突き落とした。
91年、イギリスの新聞王ロバート・マクスウエルが船から落ちて怪死する事件が発生すると同時に、莫大な債務と資金使い込みが明らかになったが、その金融犯罪に関与していたのが、ゴールドマン・サックスであった。その5年前の86年、ゴールドマン・サックスは住友銀行に同社株3900万株を保有するよう投資を迫って1000億円近い資金を注入させ、しかし経営には一切口を出させなかった。さらに同社は富士銀行、あさひ銀行と提携し、東邦生命本社ビルを300億で買収した。破綻した日本長期信用銀行の取締役会が譲渡先選定のアドバイスをゴールドマン・サックスに依頼した結果、前 FRB議長のポール・ヴォルカーを顧問に抱えたアメリカの清算屋リップルウッド・ホールディングス・グループが長銀を落札した。
そしてウォール街の絶頂期に入ったゴールドマン・サックスは共同出資経営を99年5月に廃止し、全株の13%を公開して、ニューヨーク証券取引所に上場した。公開翌日には株価はなぜか狂ったように3割も上昇し、一瞬で約4200億円調達した。こうした新規公開株の大騒ぎの背景では、公開前に間違いなくボイラー室犯罪がアメリカ財界の大物個人のあいだで取引され、国際金融マフィアの胴元がはるかに大きな利益を得ているのである。
2003年1月には、三井住友ファイナンシャルグループが不良債権処理のため1503億円の優先株を発行し、ゴールドマン・サックスが全額引き受けることで合意したと発表した。その一ヶ月前に、三和銀行、東海銀行、東洋信託銀行の合併によって誕生した UFJ グループが、メリル・リンチから1000億円の優先株出資を受けて新会社を設立し、不良債権1兆円分を分離するというニュースが流れたばかりだった。さらに三井住友ファイナンシャルグループは来月にも主幹事にゴールドマン・サックスを選んで、海外投資家から3450億円追加増資を発表した。日本人の預金を管理する大銀行が、不良債権をなくするためにアメリカに次々と負債をつくりだす。
為替レートの人為的な操作によって、あらゆる国で労働賃金が国際的な尺度に無理やり当てはめられ、地方にある優れた中小企業が立ち行かなくなり、ついには工場閉鎖を余儀なくされ、日本国内の空洞化が加速する。いつまでも止まらない企業倒産の結果として、失業者と自殺者が過去最大に増え続けている。この不良債権の貸し倒れ現象にとっては、国際金融マフィアによって一日に1兆ドルもの為替取引がなされるという、その制度そのものがすでに金融犯罪なのだ。
マレーシアのマハティール首相の発言によって、世界で初めてその犯罪性がメディアを通して指摘された。そしてこのような金融社会が、いま軍事シンクタンクと共同で、いよいよ世界を戦争経済に導きはじめている。