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(回答先: ラファ事件についてのレポート(ナブルス通信・5月22日号No.1) ― 長文のため分離して転載します。 投稿者 シジミ 日時 2004 年 5 月 22 日 13:22:01)
○○○ナブルス通信 2004.5.22号○○○
*ラファ、5月の虐殺──嘘と犯罪*
http://www.onweb.to/palestine/
Information on Palestine
◇◇嘘と犯罪◇◇
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◇「家屋破壊はしていない」とイスラエル軍
20日の夕方には、人が中にいるまま、家屋破壊が行われているという
情報が次々届き、UNRWAからのプレスリリースもそのことを警告し
た。しかし、家屋破壊が次々となされていたにもかかわらず、イスラエ
ル軍は「有名なテロリストの家しか壊していない。または、過激派の拠
点とされていた建物だけだ。ブラジル地区では家屋破壊はしていない」
と言い張っている。
この嘘に対する反証をガーディアン紙のマクグリール記者が集めて書い
ている。抜粋で紹介。
***
「ブルドーザーが希望をうち砕く」
2004.5.21
クリス・マクグリール (ガーディアン)
Chris McGreal in Rafah
http://www.guardian.co.uk/israel/Story/0,2763,1221394,00.html
ファティマ・シャリフ・ハッサンはブロックOの自宅をイスラエルの
巨大な機械にずたずたに壊されて、1週間前にブラジル地区にある娘
の家に避難をした。75歳になるひいおばあさんのファティマには、
ここはブルドーザーの暴力から安全な場所だと思えた。
しかし、昨日、糖尿病で手足の自由が利かないハッサン夫人は、家が
倒壊する直前に壁に開けた穴を這って抜け出ないとならなくなった。
「イスラエルのブルドーザーが私たちの家を襲い始めた音が突然した
んだよ。壁に開けてくれた穴から逃げ出すしかなかった。私をみんな
が建物から建物へ運んでくれたのさ。何もかもなくしてしまった。入
れ歯も、お金も。髪を覆うために隣の人がこのスカーフをくれたん
だ」
家の持ち主だったナビル・ハッサンは語る。
「私たちはまったく寝ていませんでした。ずっと銃声がしていたから
です」
午前10時すぎ、一家は巨大な軍用ブルドーザーのうなり声に気づい
た。
「家を兵士たちが壊し始めたとき、私たちが『ここにいる』ってブル
ドーザーの運転手に知らせるすべがなかったんです。隣の家には両親
がいました。壁に穴を開けて、逃げようと声をかけました。ハンマー
を持ってきて、それで穴をあけたんです」
「最初に子どもたちを出し、年老いた母親を出しました。そのとき、
両親の家の破壊が始まったので、近くの大きな家まで走って逃げなく
てはなりませんでした」
しかし、ここも破壊のターゲットにされたので、一家は他の60人と
ともに、残っていた建物へ逃げた。そこにもブルドーザーは不気味に
迫ってきた。
「建物の基礎と柱が揺れて、女性たちは叫びをあげました。『殺され
てしまう、ここから逃げよう』とみんな叫びました。即席で白旗を作
り、ブラジル地区を抜けるまで子どもたちと一緒に歩きました。私た
ちは家から何も持たずに出てきたのです」
イスラエル軍は家屋破壊を否定している。テロリストの家か拠点だけ
が攻撃対象だと言って。また、ブラジル地区で家屋破壊はなされな
かったとも言っている。
しかし、逃げてきた住民たちはブルドーザーが一列ごと家を潰してい
ると語った。
ハッサン家の人々は、ブラジル地区の自分の家の通りだけで、最低8
軒の家が破壊されたと言った。他の住民の話も同じようなものだ。
パレスチナ人の救急車ドライバー、ムハンマド・ネラーブも、自分の
目の前で3軒の家が壊されたのを目撃したと言った。「ブルドーザー
と戦車がどこにでもいた。動くものは何でも撃っていたんだ」
昨日の破壊の後、国連に難民として登録している150人以上の人が家
を失った。
***
抄訳:ビー・カミムーラ
(参考)「動物園は壊していないという嘘」BY イスラエル軍
証拠写真が出ています。クジャクを運ぶ少年。
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/040521/ids_photos_wl/r2348131559.jpg
────────────────────────────────
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◇屋上で殺されたアスマとアハマド姉弟のこと
鳩に餌をやり、洗濯物を取りこもうとしていたアスマとアハマドのムガ
イヤル姉弟が家の屋上で撃ち殺されたのは、18日。この二人の死につ
いてイスラエル軍当局は、殺害を否定し、「二人はパレスチナ人が用意
していた爆弾の暴発か、パレスチナ人が通りに仕掛けた地雷によって、
事故で殺されたのだ」と発表した。
この件を追及した英国ガーディアン紙のクリス・マクグリール記者によ
るレポートを抜粋して紹介。
***
「証拠は遺体安置所にある──子どもたちの死」
2004.5.20
クリス・マクグリール (ガーディアン)
http://www.guardian.co.uk/israel/Story/0,2763,1220635,00.html
殺されたアスマの右耳のちょうど上、濃い黒髪を掻き分けた下に穿た
れた小さな穴はイスラエル軍によると「まぼろし」ということにな
る。
パレスチナ人は撃たれて殺された子どもたちと主張しているが、イス
ラエル軍は子どもたちがパレスチナ側の爆発物によって殺されたと発
表しているからだ。
**
ラファの病院の責任者、アリ・ムーサ医師は激怒して言った。
「彼らは嘘つきだ。本当に大嘘つきだ。子どもたちは頭を負傷してい
るんだ。間違いない」
二人の死を宣告したアハマド・アブ・カリア医師は殺害の方法を証明
すると言い張った。カリア医師はアスマの遺体を保管庫から取り出し
てきて、少女の髪を掻き分け、銃弾が入った耳の上の穴を見せた。耳
の上から入り、反対側にさらに大きな穴を開けて銃弾が貫通していっ
たことがわかる。
「いつも彼らは言うんです。──殺されたのはみんな武装闘士だっ
た。無差別に子どもを殺していない、と。でも、最初の日に殺された
4分の1は子どもたちでした。その証拠は、この病院の遺体です。」
とカリア医師。
アスマの遺体は他のテルエッスルターン地区の犠牲者と同じように、
家族が家から外へ出られないため、病院の遺体保存庫に横たえられて
いる。13歳の弟は遺体保存庫に入りきらず、少し離れた冷えた部屋
に置かれていた。
「小さな少年」
アハマドの遺体は他の14人の遺体とともに横たえられていた。他の
大人の遺体がそれぞれの所属党派の旗にくるまれているのに対し、ア
ハマドは白い布にくるまれていた。彼はとても小さい。誰もこの小さ
な少年を大人だと間違えることはできないだろう。
カリア医師はアハマドの遺体の向きを変えて、額の前髪の際にある小
さな丸い穴を指し示した。銃弾が抜けていった後頭部にはもっと大き
な穴が開いている。アスマにもアハマドにも他の傷跡はどこにもな
かった。特に爆発によるような火傷や、破片による傷なんてものは。
医師は他の若者の遺体も指さした。「これはイブラヒム・アルクン。
14歳。後頭部を撃たれました。銃弾は右目から出ていっています」
この少年の顔は傷でむちゃむちゃになっていた。
子どもたちの遺体は昨日、次々と遺体置き場に運び込まれていた。
サベール・アル・リッダ(13)は、朝、家族のために水を探しにテル
エッスルターン地区の家から外に出て、撃たれて死んだ。銃弾は背中
から入り、心臓を貫いた。サベールの兄も撃たれて重体になってい
る。
「誰がこの少年を『闘士』だと言えるんでしょう?この体の大きさを
見て下さい。傷の場所を見て下さい。背中です。誰かを攻撃などして
いないのです」とカリア医師は語った。
***
抄訳:ビー・カミムーラ