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(回答先: バルセロナさんへ。そちらの映画祭で日本の土屋豊監督の新作が見られます。 投稿者 木村愛二 日時 2004 年 5 月 12 日 11:53:13)
バルセロナ映画祭での土屋豊の映画の一場面の写真と解説(拙訳)
大切な情報、ありがとうございます。ただ残念ながら、この映画祭は5月8日で終わってしまったようで、土屋豊監督の映画「ピープTVショー」も5月4日と7日に放映されたようですが、私はそれに気付かずに、結局見ませんでした。
元々があまり映画に興味が少ないせいもありますが、この映画際の主催者である「カサ・デ・アシア(アジアの家)」という団体が、国民党政権のときのマドリッド政府の肝いりで昨年作られたもので、私もその中の重要人物を個人的に知っており、なんとなく胡散臭い感じがしましたので、あまり近づく気がしなかったせいもあります。私の知り合いの日本人の中にはいろんな形でこの団体に近づいている人もいますが、私自身は今まで関係を持ちませんでした。
ただ、このような貴重な映像も見られるとすれば、今後はあまり「好き嫌い」を言わずに注目するようにしましょう。ただ上映時間が私にとっては非常に都合の悪い時間ではありますが。
なおこのメインページ( http://www.baff-bcn.org/ )の記載によると、映画祭の大賞である「黄金ドゥラン賞」はカワセ・ナオミの「沙羅双樹」が獲得した、ということです。
以下に、土屋豊の「ピープTVショー」についての解説を日本語訳して載せておきます。
この解説(スペイン語)と映画の一場面の写真は、下のUrlで見ることができます。
http://www.baff-bcn.org/film.php?id_pelicula=96&lang=esp
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PEEP "TV" SHOW | 日本, 2004, Color, vídeo, 98min.
監督: Yutaka Tsuchiya
脚本: Yutaka Tsuchiya.
配役: Takayuki Hasegawa, Shiori Gechoff, Akiko Ueda, Risako.
上映:
Auditori Caixa Catalunya: 5月4日, 18:00
Auditori Caixa Catalunya: 5月7日, 20:00
この映画は、ウエッブカムから携帯電話のカメラ、テレビ画面やインターネットを通した監視カメラに至るまでの、さまざまなビジュアルな手段で得られるデジタル映像によるあらゆる可能性を追求する、という前提の元で作られたものである。土屋豊監督は、アンダーグラウンド・ビデオ・アクトのドキュメンタリー・グループのメンバーであり、この映画の中では、フィクションと現実が溶けて交じり合っているのだが、日本の若者のサブカルチャーと共に、メディアによる現実の非現実化、メディアによる覗き趣味の魅力、アイデンティティの再定義、そして9.11以後の哲学的な影響を見ることができる。
PEEP "TV" SHOWは二人の主人公を登場させる。一人は「サイバーおたく」で、彼の現実との関わりは、絶え間無く録画される映像によって完全にメディア化されている。そして、ゴシック・ロリータたちのサブカルチャーに浸りきった生活をおくる一人の少女である。彼女は働きもせず勉強もせず、日々彼女の女友達と一緒に原宿の通りのojajis【意味不明:訳者】で写真をとってもらっている。両者とも、演技上の主人公というよりは観客であり、倒錯したコミュニケーションの世界に住むが、それは基本的にインターネットに基づいており、この若者たちは現実の世界に入っていくことを拒否し、彼らの部屋に閉じこもって生きる。第一印象で見られるほどには奇異でもない一つの現実への、危険に満ちた視点である。
受賞:FIRESCI賞(2004年、ロッテルダム)