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ファルージャで何が起きているか:/上(その1)
http://www.mainichi-msn.co.jp/search/html/news/2004/04/25/20040425ddm001070096000c.html
◇「両親、兄2人、弟まで失った」
イラク中部ファルージャ一帯を舞台とした米軍の過激派掃討作戦と地元武装集団の反撃は、24日で20日目を迎えた。日本人人質事件をも誘引した米軍の猛攻により、イラク人の死者は「600人以上」(病院当局者)に達したともいわれる。だが、完全に包囲され「陸の孤島」と化した町からは、実像がなかなか伝わって来ない。ファルージャから脱出し避難した数々の住民の証言をもとに、「何が起きているか」を探った。【バグダッド斎藤義彦】
◇自宅出た瞬間、米軍狙撃−−残された13歳少年
負傷者の一部はバグダッド市内の病院に入院している。ハイダラ君(13)もその一人。避難してきた親族や、バグダッド在住の叔父(35)がベッドを囲んで証言した。
それによると12日午前6時、ファルージャ郊外ガルメラ地区の自宅で、砲撃音に目覚めたハイダラ君の父アブドル・ワハブさん(37)が、門から外へ顔を出した瞬間、数百メートル離れた米軍に狙撃された。銃弾は眉間(みけん)から後頭部に抜け、即死した。驚いて出てきた母(31)も頭を撃たれ、続いて16歳と14歳の2人の兄も撃ち殺された。戦車砲撃により平屋の家は崩壊し、就寝中の1歳に満たない弟も死亡した。
近隣住民は狙撃を恐れ、翌日午前8時になって様子を見に来た。がれきの中から「お父さん」と呼ぶハイダラ君の声がした。コンクリート板の下から救出されたハイダラ君は、頭と腹に砲弾の破片を受け、骨盤を骨折。家族5人の遺体は毛布にくるまれ、モスク(イスラム礼拝所)に運ばれた。
米軍は周囲にムジャヒディン(イスラム戦士)の拠点があるとみて、上水施設などを破壊していたという。だが、アブドルさんは右足のない障害者のうえ、「反米闘争とは無関係」と親類は話す。叔父は「これが米国の民主主義か。市民を無差別に殺すのはフセイン元大統領の虐殺よりひどい」と憤る。カタールの衛星テレビ「アルジャジーラ」などアラブのメディアは「米軍は女性や子供ら市民を意図的に攻撃している」と非難している。
◇「市民を盾に」
これに対し、駐留米軍のキミット准将は12日、「根拠のない報道。武装勢力が市民を人間の盾にしている」と批判。米軍はイラク人死者について「多くは武装勢力で、狙撃は正確だ」としている。
だが、毎日新聞が得た住民証言からは、米兵が無差別に発砲している実態が浮かび上がった。(6面につづく)=次回は国際面に掲載
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◇ファルージャ
バグダッド西約60キロにあり、人口約20万〜30万人。イスラム教スンニ派が多く、ドレイミ族の拠点。3月31日に米民間人4人が射殺され遺体が民衆に傷つけられる事件が起き、米軍は4月5日から一帯を包囲し過激派掃討作戦を開始。停戦交渉が行われながらも、戦闘は泥沼化している。
毎日新聞 2004年4月25日 東京朝刊