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米軍のファルージャ包囲が解けないと人質の開放は難しい。あるいは狂言がばれて帰れない?
2004年4月13日 火曜日
■狂言誘拐説の検討〜シリーズ「イラク日本人人質事件」(2)■
04年4月に発生した「イラク日本人人質事件」には、謎が多すぎる。
最大の特徴は、犯人の「ふまじめさ」だ。まじめに自分たちの要求(自衛隊のイラクからの撤退)を実現する気があるとは思えないほど、彼らがマスコミに送り付けて来た手紙(犯行声明文)やビデオの内容が雑で、これでは、たとえ日本政府に自衛隊を撤退させる意思があったとしても、要求に応じるのは不可能だ。
今後、もし政府が自衛隊を撤退させなかった結果、人質が殺されても、その責任は政府にはなく、すべて犯人(と外務省の退避勧告を無視してイラクに入国した人質たちの無謀さ)に帰せられるべきだ。
●素人の兵士●
犯人側の「雑」な点の最大のものは、マスコミ(カタールの衛星放送アルジャジーラのバグダット支局)に送り付けて来たビデオに、余計なものが映りすぎている点だ。
たとえば、ほぼ同時期にイラク国内で米国人を誘拐(拉致)した「まじめな武装勢力」の場合は、人質1人だけを巨大なイラク国旗の前に立たせ、背景の窓や壁を隠した状態でその姿を撮影し「この人質を殺されたくなかったら、イラク駐留米軍は要求を呑め」と脅迫している(時事通信Web版04年4月11日、ほか)。
背景の壁や、窓の外の景色、犯人自身の姿などは、犯人たちの隠れ家や背後関係を特定するヒントになるので、映さないのが常識だ。
ところが、日本人人質事件で送られた来たビデオには、窓が映っている。それどころか、これみよがしにライフルや携帯型ミサイル(対戦車ロケット)を持つ犯人たちが、目隠しをされて座らされた人質のそばに立って、同じ部屋でいっしょにいるのが見えるのだ。
これにはみんな呆れている。
危機管理の専門家でもある民主党の首藤信彦・衆議院議員は、犯人たちの体格がよいことから、イラクと違って食糧事情のよい外国の出身者ではないかと推理し、さらに犯人たちの持つ銃が異なる機種で、仲間同士銃弾の互換性がないこと(実戦でタマ切れになりやすいこと)や、ほとんど使われてない新品の武器を自慢げに持っていること指して、犯人たちの未熟ぶりを嘲笑した(04年4月11日放送のテレビ朝日『サンデープロジェクト』)。
【野党民主党が、今回の件でいちはやく政府を支持し「テロリストの要求に屈する形で自衛隊を撤退させるべきでない(撤退の問題は人質事件とは別に議論する)」と表明した背景には、犯人たちの、ばかばかしいほどのレベルの低さに、民主党幹部が「やってられない」と思ったことがあるのではないか。】
軍事評論家の宇垣大成は、室内で対戦車ロケットを撃てば発射時に出るガスで大火傷を負うことや、ライフルを撃っても銃弾が壁ではねて撃った者も負傷することなどを、犯人たちが理解していないと指摘した(04年4月11日放送のフジテレビ『EZTV』)。さらに宇垣は「武器を持って人質のそばに立つと、人質ともみ合いになったとき暴発の危険がある(人質がライフルを棍棒のように振り回して殴ることもできる)」ので、そんなことも知らないこの犯人たちは、兵士として十分に訓練されていない、と結論付けた(04年4月10日放送のフジテレビ『ワッツ!?ニッポン』)。
が、犯人が武器を持って「安心して」人質のそばに立つことができる理由は、ほかにもある。宇垣のような、大手マスコミに出演する専門家は言いにくいだろうから、代わりに筆者が言おう。それは、人質と犯人の間に「信頼関係」がある場合だ。
●犯行声明文の謎●
大野元裕・中東調査会上席研究員によると、4月8日にアルジャジーラに届いた、アラビア語の手紙(犯行声明文)には、アルカイダなどのイスラム原理主義過激派の犯行声明によくある、コーランの引用がないこと、日付が西暦のみで書かれていること、など不自然さが目立つという(04年4月8日放送のNHKニュース)。アルカイダならイスラム暦のみを書き、イラク人ならイスラム暦を書いたあとに西暦を書くのが普通だ。高橋和夫・放送大学教授も「イスラムの知識に乏しい者が書いたのではないか」と指摘する(04年4月10日放送のNTV『ウェークアップ』)。
とくに注目すべきは日付だ。西暦とは、キリスト教暦であり、キリスト教徒が「われらが主イエスが生まれてから何年」と数えるための暦なので、イスラム教徒がアラビア語で手紙を書いたのに「イスラム暦の日付がなくて西暦のみ」などということは、常識では考えられない。しかもこの西暦はアラビア文字でなく、算用数字で「2004.4.8」と書いてあったのだ。
筆者は、翻訳会社ユニカル・インターナショナルの佐々木かをり社長の従姉弟ではない( 4月1日特集号)。
(^^;)
が、翻訳会社に外国語のビジネスレターの翻訳を依頼したことはあるので、その作業が実態としてどのように行われるかは、話で聞いて知っている。
いちばんよくある間違いは、日付だ。
依頼人は翻訳会社(翻訳者)に「日付のところは、あとで自分で入れるから、空白にしておいて」と言って手紙の翻訳を頼むことが少なくない。が、ここに落とし穴がある。
依頼人の語学力が乏しい場合は、英国人に出すレターの日付(日月年)を米国式(月日年)にしてしまったり、フランス語の手紙の日付としてうっかり「2004.4.8」などと、算用数字を日本式に並べてしまう、などのミスを犯す依頼人が少なくない、という(正解は「8 Avril 2004」)。
つまり、上記の犯行声明文の日付の間違いは、イスラムの知識がないどころか、アラビア語のわからない者が、アラビア語のわかる者に翻訳を依頼し、その際元原稿に日付がはいっていなかった結果、と考えると、辻褄が合うのである。
この日付の間違いは、日本のマスコミでさんざん指摘されたので、犯人たちも反省(?)したようだ。9日の日付で10日に送り付けて来た第2の手紙(犯行声明文)では、ちゃんと、イスラム暦と西暦の(算用数字でなく)アラビア文字で書かれていた。
しかし、この第2の手紙も、イスラム暦と西暦の日付のずれ(訂正ミス)や単語の綴りなどの間違いが5〜6か所もあるなど文が雑で、しかも自分自身の名前まで間違えている、と大野は指摘する(04年4月11日放送のフジテレビ『EZTV』)。第1の手紙では差出人は「イラクの聖戦士旅団(サラヤ・ムジャヒディン、戦士隊)」となっていたが、第2の手紙では、単なる「聖戦士旅団」となっていたのだ。
名前が違っても内容には連続性があるので、同一グループ内の違う人物が書いた、という見方で専門家たちはほぼ一致しているようだが、それにしても自分の名前を間違えるとは……よほどアラビア語の苦手な者がリーダーなのではあるまいか。
●日本的記述●
一般に、イスラム過激派が外国を非難するときは「われらの聖地(聖なる国土)から異教徒(または外国人)の軍隊は出て行け」などと述べるはずだ。この異教徒(外国人)にはキリスト教徒(欧米人)や日本人だけでなく、当然韓国人も該当する。
ところが、この犯人たちは異常なほど「日本」にこだわっており、韓国についてはなんの非難もしない(4月10日の共同通信Web版によれば、ほぼ同時機に韓国人の牧師7人を拘束した犯人グループは日本人人質事件の犯人と同じである可能性が高いのに、韓国軍の撤退は要求せずに短時間で牧師7人を釈放した、という)。これは不自然だ。第1の手紙にある「いままで日本人は友人だったし好きだったが、米国に追随して自衛隊をイラクに派遣して、イラク人を裏切った」という口調は、まるで日本の反戦活動家のセリフのようだ、と内藤正典・一橋大学大学院教授は言う(産経新聞04年4月10付朝刊2面)。
第2の手紙にも「広島と長崎に原爆を落とした米軍云々」という下りがあり、これをフジテレビの和田圭解説委員は「ホントにイラク人がこんなこと言うのか、と政府内でもみんな呆れている」と苦笑しながら解説したほどだ(04年4月11日放送のフジテレビ『EZTV』)。
これには、同席していた大野がその場で「教養のあるイラク人は広島、長崎のことはよく知っている」と、いちおう犯人を「弁護」したものの、「実は、手紙では『ヒロシマ、ナガサキ』は『ホロシマ、ナザキ』と書いてあるので、教養のない人が書いたのではないか」とすぐに弁護を撤回している。
となると、2つの手紙は「アラビア語のわからない日本人が元原稿を書いて現地人に翻訳してもらった(ためにミスが発見されずに送付された)もの」と考えるのが、もっとも自然ではあるまいか。(後略)
(私のコメント)
人の命がかかった人質事件なので、テレビや新聞などではあからさまな事は書けないのでしょうが、この誘拐事件は狂言ではないかと言う指摘がネット上では溢れている。私も2ちゃんねるの投稿記事などを紹介しています。人質事件にしては最初の声明文も開放するといった声明文もイラク人にしてはおかしな記述が多すぎるのだ。
誘拐犯人側に日本国内で活動している仲間がいるのかもしれない。もし犯人達とイラク国外の仲間が連絡をとっている場合は、衛星電話なのだろうから米軍などに盗聴されているはずだ。その内容は当然日本政府に連絡が行っているから、日本人の人質が無事でいることも知っているはずだ。
衛星電話が盗聴されて録音されていたとすれば、狂言であることを隠すことは難しいだろう。今のところは犯人達の手がかりとしては送られたビデオ映像と声明文しかないから、推測するしかないのですが、声明文には日本人が関与しているようだ。日付の書き方が日本式だったからだ。これは致命的な犯人のミスだ。
犯人の中に日本人が関与しているとすると、普通のイラクのイスラム過激派のテログループでない可能性が高い。ビデオに写っている犯人達の体格がよくてイラク人の体格ではないからだ。太っているのではなく腕が太くて鍛えた身体だ。
さらに三人の人質の手足を縛っていないのはなぜなのか。その内の二人は若い男性だから銃を奪い取って暴れれば逆にやられる可能性があるから手足だけは縛るはずだ。それに犯人の要求が自衛隊の撤退だけと言うのも不思議でならない。常識的に考えれば全ての外国軍の撤退や、ファルージャを包囲している米軍の包囲を解けという要求がないのはなぜか。
この事件が狂言ではないにしても、犯人側の日本人とは誰だろうか。ダッカ事件で開放された日本赤軍のメンバーかもしれない。4月11日の東京スポーツの記事には以下のように赤軍派のメンバーが関与している疑いも出て来ている。それならば日本国内の仲間とも連絡を取り合っていることも辻褄が合う。
人質の三人はまったくの被害者であり、犯人とは無関係であるとしても、赤軍が関与しており、それと日本国内の過激派グループが連動しているようだ。被害者家族達も元過激派グループのメンバーに踊らされている可能性もある。北朝鮮の拉致被害者家族のやり方を真似て反米活動を行っているのかもしれない。
この二三日のテレビ報道を見ていると、「このようなことを言ってはいけない」という報道の自主規制が多すぎるように思う。解説者の指摘も「声明文がおかしい」とまでは言えても日本人が関与しているとまでは口止めされている。狂言であること印象付けてしまうからだ。