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(回答先: Re:イラク人の犠牲に同情する朝日新聞ですーー所詮、他人事です 投稿者 長壁満子 日時 2004 年 4 月 18 日 14:40:38)
毛利正道さんのメール通信
2004.4.17
安田・渡辺さんも解放されました。嬉しいことです。
一方、イラクでの住民虐殺の更なる進行と帰国する3人への誹謗中傷の一層の拡大が
本当に危惧されます。
末尾に、「自己責任論」特集があり、そのまた末尾に世界社会フォーラム連絡会事務
局からの「自己責任」論への批判声明への賛同署名コーナーがあります。
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毛利正道 mouri-m@joy.ocn.ne.jp
http://www1.ocn.ne.jp/~mourima/
〒394-0028岡谷市本町2-6-47 林百郎法律事務所
tel 0266-23-2270 fax -23-6642
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◎伊の人質殺害と明暗 米企業警備と草の根支援で
【ローマ15日共同】高遠菜穂子さん(34)ら日本人人質三人が十五日無事解放さ
れて沸く日本と対照的に、人質四人のうち一人の殺害が同日確認されたイタリアは悲
しみに沈んだ。明暗の背景には、イラクで米企業警備員として働いたイタリア人人質
と草の根のイラク人支援を目指した高遠さんらの職業や立場の違いがある。
両国の人質はともに中部ファルージャ付近で武装集団に拉致され、武装集団はイラ
ク駐留部隊の撤退を政府に要求するなど共通点が多い。小泉政権もベルルスコーニ政
権も要求を拒否した。
しかし、イタリア人のクアトロキさん(36)は十二日行方不明になって二日前後
で無残に射殺された。婚約者との結婚資金を蓄えるため、高給が約束されたイラクで
働くことを決意。母親を心配させないよう内証でイラク入りした「もの静かな」(親
族)男性に対し、武装集団は米軍と一体とみて全く容赦しなかった。
イラクへの部隊派遣に反対する市民団体の救出運動が盛り上がり、家族が地元メ
ディアで直接イラク人に嘆願した日本人人質の場合、女性や少年を含む人質の殺害を
強行するのは困難だった。バグダッドの路上をさまよう少年を抱き寄せる高遠さんの
写真は多くのイラク人の心を打った。
イタリア世論は日本以上に撤退支持であるにもかかわらず、救出運動が盛り上がる
間もなく最悪の結果となった。
◎日本人拉致、続発の危険 「対米協力」に根強い反発
【バグダッド15日共同】イラクで拘束されていた今井紀明さん(18)ら日本人
三人は十五日、無事解放された。しかし米国主導の占領統治に強く抵抗する武装勢力
が割拠するイラクでは、今後も日本人を標的とした同種の拉致事件が続発する危険性
が高い。
サマワに自衛隊を派遣し、占領統治に協力的な日本は、イラク国内で米国を軸とす
る「有志連合」の一角としてはっきり認識されているからだ。武装勢力は今回の解放
の理由について「日本で自衛隊撤退を求める世論が現れたからだ」と示唆した。「親
米」か「反米」か。極めて単純化した判断基準で、拉致の対象を絞っている。
今月だけで少なくとも十八カ国、五十人以上の拉致事件が続発したイラクでは、宗
教的方向性や部族、指揮系統もバラバラな多数の武装勢力が、各国の対米協力を阻害
するという目的のみを共有しているのが実情だ。
日本人を拘束した「サラヤ・ムジャヒディン(戦士旅団)」と名乗る武装勢力の実
態は依然として不明。同じく戦士旅団を名乗るグループは、十四日に解放されたフラ
ンス人記者に託した声明文で「連合国、占領を支持する国の人間」らを拉致の標的と
して明確に名指しした。
仮に戦士旅団の実態が解明され、犯人グループが逮捕されることがあっても、占領
に対する怒り、外国人に牛耳られる怒りにあふれるイラク人は無数に存在している。
個別の武装勢力を摘発するだけでは、全面的な解決は不可能なのが現実だ。
◎ザーリ師の発言要旨
【バグダッド14日共同】イラク・イスラム聖職者協会会長のハーリス・ザーリ師の
発言要旨は次の通り。
一、犯行グループに人質解放を呼び掛けた声明はファトワ(宗教令)。
一、ファトワを出したのは、われわれが衛星テレビで人質の家族が、人質になって
いる自分の子供らの解放を訴えているのを見たためだ。
一、友好的な日本の国民はこの事件に関心を持っており、ファトワを出せば日本や
他国の人質の解放への助けになると考えた。
一、さまざまな国籍の人質がおり、ファトワに応えた犯行グループもいる。われわ
れは特に日本人を人質にしたグループがファトワに応えるよう期待している。
一、人質の家族には人質は生きていると断言したいし、すぐに解放されると強く期
待している。
一、(犯行グループが声明通りの二十四時間以内に解放しなかったのは)犯人らは
人質の引き渡し時に発見され逮捕されることを恐れて、どのようにしたら人質を引き
渡せるか考えているからだろう。
一、日本人がどこに拘束されているか正確には知らない。もし知っていたら私が
行って交渉する。
一、直接交渉しているのは神を満足させる以外に目的はない有志の人たちだ。
一、犯行グループは政治目的で人質を取った。金目当てではない。
一、日本の国民は自国政府に対し、米国によるイラク侵攻、占領を支持する政策を
撤回するよう圧力をかけてほしい。
(了) 04/14
◎朝日
人質の「自己責任」批判にフリー記者が緊急集会で反論
映像記者や報道写真家でつくる日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(代表・広河
隆一さん)は16日夜、東京・中野で、イラクでの人質事件を考える緊急集会を開い
た。「自己責任」を理由に、被害者への批判や報道の自粛要請が高まっていることに
対し、「被害者の側に立った報道が出来ない」「日米政府にとって都合の悪い実態は
隠れてしまう」などと反論の声が相次いだ。
集会では、イラクでの取材経験のある4人のカメラマンがスライドを使いながら現
地の状況を報告。アンマンで事件直前の6日、3人に会った古居みずえさん(55)
は「危ないからと戦場から記者がいなくなれば、傷つく側から戦争を伝える人がいな
くなる。弱い側の立場から伝えることこそジャーナリストの仕事だ」。豊田直巳さん
(47)も「ファルージャの戦闘では、600人以上のイラク市民が死んでいる。そ
れを伝えることが無謀と言うなら、我々は仕事が出来ない」と訴えた。 (04/16
23:09)
◎報告
> 日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)
> DAYS JAPAN
> 【日本人人質事件を考える緊急集会】
> 【講演者】森住卓 豊田直巳 古居みずえ 広河隆一(司会)
> 【日時】 2004年4月16日(金曜日) 会場6時半 開演7時
> 【場所】 なかのZERO小ホール
> http://www.jvja.net office@jvja.net
イラクの人たちは、ひごろ目にする自衛隊の姿から、自分たちの味方ではなく、
米軍の仲間であることを感じ取っているようです。等身大の米兵と等身大の自衛
隊員とを並べたりすれば、人道支援などといえないことがわかりやすく伝わるの
ではないでしょうか。
(以下、昨日の集会の報告です)
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定員550のホールはとっくに満杯で、舞台の上、通路、ロビーに人があふれ、
たいへんな熱気でした。私は、ホール後方の扉の後ろからのぞき込む状態。
森住卓さん、豊田直巳さん、土井さん(ビデオの方)の話は映像とあいまっって
とても説得力がありました。(私はここまでしか参加できなかった)
特に、
○占領によっても生活がよくならない
失業・貧富の差の広がり、停電、渋滞
○イラクの人々は、米軍の横暴なふるまいを日常的に体験している。
・米軍車両が乱暴な運転でしょっちゅう交通事故を起こす。もともと交通渋滞が
ひどくなって、みんなかってに逆走したりしている。
・戦車が二台の車をふみつぶして一人が死に、一人が重傷を負った。戦車は作戦
行動中ということでそのまま行ってしまった。その車の映像。
・バクダットでも低空を米軍のヘリが頻繁に飛び回り、街頭に戦車と自動小銃を
持った米兵が立ち、イスラム教のお祭りにも銃をかまえた米兵がやってくる。
・理由もはっきり告げられずに家を襲われ、こわされ、連行される。まともな裁
判も無いまま刑務所に送られる。
・米兵が宣伝パンフを配っているので二つくれ、という意味で指を二本たてたら、
占領軍に対する抵抗(Vサイン)と解釈され連行され刑務所(収容所)に入れら
れている17歳の少年。しかも、すべて裁判など行われない。たくさんの人が、
なんだかわからないのに米軍に連行されて刑務所に入れられている。
・米兵自身が恐怖にさいなまれている。正義感をもてず民衆からの反感を肌身で
感じ、現実に仲間が街頭で突然爆弾等で次々に死んでいく。だから怖くて仕方が
無い。街中でも動くものは撃つ、という反応がおこる。
○自衛隊の姿
・日常的に横暴なふるまいをしているうえにファルージャ、ナジャフなど、残虐
な作戦を実行している米軍。
・警備を担当しているオランダ軍
・人道支援をしているという自衛隊
この三つを並べてみると、みなまったく(ほとんど)同じような軍用車両に乗っ
て同じような戦闘服で同じように武装している。
イラクの人たちは、自衛隊が米軍の手伝いをしていることを肌で感じている。
○テロについて
イラクの人たちは、市民が巻き込まれるテロを当然歓迎していない。
しかし、彼らは、「これは米軍の陰謀だ。シーア派とスンニ派を仲違いさせるた
めに米軍が仕組んだ陰謀だ」というふうに受け止めている。
○イラクの大学生
○ジャーナリストの仕事
どうして政府・小泉は、5人がイラクに入ったことを問題にして、バッシングを
意図的に行っているのか。
それは、3人が、政府としては絶対に見せたくないものを取材し日本の人たちに
伝える行動(広い意味で)をしているから。だから政府としては何が何でも、こ
ういう活動を押さえ込み、取材できない雰囲気を作り上げたい。
しかし、かつてのソンミやベニンと同じように、いま「危険だから行くな」と言
われているイラク、ファルージャを取材し報道することはジャーナリストの使命
である。
◎朝日
「笑顔の実力者」 人質救出の宗教者委アルクベイシ師
イラクの人質事件で解放された3邦人の様子を伝えるテレビ映像の中に、ひときわ
目立つ笑顔があった。武装グループに解放を呼びかけたイスラム宗教者委員会のアブ
ドルサラム・アルクベイシ師だ。同師は、先に相次いだ中国(7人)、ロシア・ウク
ライナ(8人)、フランス(1人)各国の人質救出でも決定的な役割を果たしたとい
われる。
AFP通信によると、同師の肩書は宗教者委員会の広報責任者で、「情報の十字
路」にいることは疑いない。現地の宗教人脈、有力部族への影響力も役立っている。
11日に拉致された仏人記者アレクサンドル・ジョルダノフ氏の解放を求めて、パリ
からアルクベイシ師に連絡を取ったムハマド・バルー記者(レバノン系仏人)による
と、イラクの知人を介して同師に電話がつながったのは14日朝。同師は、ジョルダ
ノフ記者が拉致された地域にある全モスク(イスラム教礼拝所)を通じ、犯行グルー
プに「仏人記者は敵ではない」と説いた。
同日正午と午後2時の2回、師から「もうすぐ良い知らせが入る」と電話があった。
同3時半、ジョルダノフ記者は宗教者委の拠点モスクの前で解放された。モスクから
出てきたのがアルクベイシ師。師は邦人の解放時と同じように、飲み物や食べ物を与
え、ねぎらった。
同師は邦人解放後、米軍の攻撃を受けたファルージャの惨状を訴えた。
16日の記者会見では、邦人解放をめぐり小泉首相が直接、宗教者委の名を挙げて
評価しなかったことに触れ、「我々の努力を日本人の多くが評価してくれている。し
かし、日本政府はそうではないようだ」と不快感を示した。解放が遅れた一因は日本
政府の対応にあるとも語り、「善意の仲介者」にとどまらないしたたかさを見せた。
一方、行方が分かっていないフリージャーナリストの安田純平さんと市民団体メン
バーの渡辺修孝さんについて「今のところ情報はない。各地の組織を通じ、情報収集
に当たっている」と話した。
(04/16 23:56)
◎2004年4月17日(土)「しんぶん赤旗」
イラクは全土が戦争状態
米軍占領の協力者として
自衛隊駐留続けていいのか
米占領軍によるイラク中部ファルージャにたいする報復的な軍事作戦を契機に、深
刻な状況を迎えているイラク情勢。自衛隊は、その無法な占領に協力者として加担し
ている―。イラク国民からもそうみられ、撤退を求める声が上がり始めました。もと
もと憲法をふみにじって強行された自衛隊のイラク派兵を、このまま続けていいの
か、いま、根本から問われています。
NGO、報道機関相次ぎ撤退
四月以降、すでに九十人近い米兵が死亡し、占領軍に参加している複数の国が撤退
を表明するなど、イラク全土は戦闘状態にあります。
米軍がイラク中部・ファルージャでの掃討作戦を開始した五日以降、在イラク日本
人は激減(グラフ参照)。昨年八月からバグダッドで学校修復を行ってきたNGO
(非政府組織)のひとつJEN(ジェン)は、今月七日以降、治安悪化のため活動を
全面休止。日本国際ボランティアセンター(JVC)も、バグダッドの日本人スタッ
フをヨルダンに一時退避させる方針を決めるなど、民間団体による人道援助ができな
い状態になっています。報道機関も相次いで退避しています。
イラク特措法では、自衛隊の活動は「非戦闘地域」に限定され、かつ安全に配慮す
るとしています。そもそも、「非戦闘地域」の存在そのものが虚構だと批判されてい
ましたが、四月以降の劇的な情勢悪化で、イラク特措法に照らしても、派兵をつづけ
る根拠は崩れています。
こうした事態に陥ったのは、米軍によるファルージャでの無差別殺りく行為で
す。イラク全土に抵抗運動が広がり、統治評議会も辞任が相次ぎました。日本共産党
の志位和夫委員長は、十四日の党首討論で「国際人道法をも無視する戦争行為にたい
しては、『支持できない』という立場をとるべきだ」と迫りました。自民党内にも米
軍の行動に異論が相次いでいます。(別項)
それでも政府は、自衛隊は「イラク人のために活動している」から「撤退する理由
がない」(福田康夫官房長官)との立場を変えていません。
しかし、米国の侵略戦争と占領が復興支援の大きな障害になっているのが実情で
す。国連のアナン事務総長は八日、イラクでの暴力の拡大に「重大な懸念」を表明。
十三日には、「不安定な状況」を理由に「大規模な国連チームを派遣することはでき
ない」とのべました。国際赤十字も昨年十月に活動停止に陥り、いまだ再開できてい
ません。
こうした事態をつくりだした米国の無法行為を支持し、加担していいのかが問われ
ています。
司令部に参加、武装兵輸送
イラクで活動する自衛隊が、米占領軍への協力者として駐留しつづけたらどうなる
のでしょうか。このことを考えさせられる事態がすすんでいます。
八日には航空自衛隊の津曲義光幕僚長が会見し、クウェートを拠点に活動する空自
のC130輸送機部隊が、武器を携行した連合軍兵の輸送を実施していたことを認め
ました。防衛庁によれば、空自のC130輸送機は、日本からの物資や、各国・関係
機関の物資・人員、陸自部隊への補給物資などの輸送を、五日までに十八回実施して
います。
ファルージャへの掃討作戦などイラク国民の怒りに火をつけた米軍の作戦が展開し
ているなか、自衛隊は各種の占領軍司令部機構に連絡幹部を派遣しつづけています。
イラク・バグダッドにある第七連合統合任務軍(CJTF7)司令部、同バスラの多
国籍師団(南東部)司令部などです。
たとえ、ファルージャでの作戦に参加していなくても、米軍と一体とみられること
は必至です。
現地で人道支援活動を展開する非政府組織(NGO)は、かねてから「米軍と同じ
くイラクを占領するための活動を行っているかのごとき印象を与える可能性が高い」
「日本国旗をつけた軍服を着た人々が活動することは、現地における日本に対する感
情を悪化させかねない」と警告していました(JENの「自衛隊派遣に対する意見
書」昨年十二月)。その警告どおり、自衛隊の活動実態が明らかになるにつれ、イラ
ク国民の反発は強まっています。
自衛隊がこのまま占領軍の一翼として駐留をつづければ、自衛隊がイラク国民に銃
口を向ける事態に足を踏み入れることになりかねません。いまこそ勇断をもって自衛
隊を撤退させるべきです。
自民内からも米軍統治に疑問
自民党からも、アメリカによるイラク統治への疑問の声があがっています。
「国連を中心とした国際協調が必要だ」「米国による武力行使もできる限り抑制され
る必要がある。『目には目を。歯には歯を』というやり方では問題は収まらない」(十
六日、河野洋平衆院議長)
「(反米勢力と米軍の)双方が本来なら禁じ手であるはずのものを超えてしまっ
た。モスクや宗教指導者を狙った攻撃は問題だ」(十五日、橋本龍太郎元首相)
米追随、最も目立つ日本
中東調査会の大野元裕上席研究員
「スペインがイラク駐留部隊の撤退を表明した今、米国に追随してきた国として最
も目立つのは日本だ」(「東京」十三日付)
自民党の久間章生幹事長代理
「日本は戦争終結後に自衛隊を派遣したが、イラク人からは、日本は米国の手先と
のレッテルを張られてしまっている」(「東京」十四日付)
イラクの聖職者は… 自衛隊でなく一般の人々の支援を
NHKによるイラク・イスラム聖職者協会のクベイシ師へのインタビュー
イラク国民と日本の人たちは、ずっと良い関係を続けていかなければなりません。
悲しいときもうれしいときも、同じ考えでいなければなりません。
日本の人々は、ずっと戦争に反対してきました。自衛隊は、海外に出てはいけない
はずです。それなのに、イラクにやってきました。自衛隊ではない、一般の人々によ
る支援がイラクにとって一番なのです。こうした良い援助による印象が、自衛隊の派
遣によって傷ついてしまうことは、残念なことです。(十六日に放映。NHKの同時通
訳から) 日本に派兵する権利はない
中東の衛星テレビ・アルジャジーラが放映した討論番組でのシーア派聖職者の発言
一言いわせてください。私たちは人質、とくに日本人の人質の解放を求めています
が、だからといってアメリカの圧力に屈して、イラクに派兵をした日本政府の立場へ
の批判をやめたわけではありません。日本人はヒロシマに原爆を落とされて、いまで
もアメリカをおそれているのです。そうだとしても、イラクに派兵する権利はありま
せん。たとえ、人道支援のためでも、ダメなものはダメなのです。(十三日に放映。
NHKの同時通訳から)
◎何が「停戦」だ!(毛利)
米軍またモスク爆撃/ファルージャ15人が死亡/ナジャフでも攻撃
2004年4月17日(土)「しんぶん赤旗」
米軍またモスク爆撃
ファルージャ15人が死亡
ナジャフでも攻撃
【カイロ=小泉大介】米軍と武装勢力との間で十六日午前九時(日本時間同日午後
二時)まで停戦が延長されていたイラク中部ファルージャで十五日、米軍による爆撃
が終日にわたり行われ、イラク人多数が死傷、十六日も攻撃が継続しています。
またファルージャで二番目に大きいモスク(イスラム教礼拝所)が十五日、米軍に
よって爆撃されたとの情報に関し、イラク・イスラム聖職者協会幹部のクバイシ師は
十六日の会見でモスク爆撃を確認しました。
カタールの衛星テレビ・アルジャジーラやロイター通信が病院関係者の話として伝
えたところによると、十五日の米軍の爆撃でイラク人十五人が死亡、二十人が負傷し
ました。アルジャジーラ現地特派員は、米軍が再びクラスター(集束)爆弾を使用し
たと伝えています。
同地では十六日も本格的な停戦に向け交渉が継続中とされますが、米軍側は攻撃態
勢を崩しておらず、予断を許さぬ状況です。
一方、イラク中南部のナジャフでも十六日現在、二千五百人規模の米軍部隊がイス
ラム教シーア派指導者、ムクタダ・サドル師を拘束または殺害する構えで緊張が続い
ています。十五日に同地のスペイン軍駐屯地が迫撃砲の攻撃を受け、十六日午後に
は、ナジャフ近郊で米軍とサドル師支持の民兵が交戦しました。アルジャジーラによ
ると、イラク民間人二人が死亡、米軍にも死傷者が出ている模様です。
ロイター通信十五日は、ナジャフを拠点とするシーア派最高指導者のシスタニ師が
米軍にたいし同地侵攻を行わないよう要求したと伝えました。
◎17:43 行方不明だった2邦人も無事保護されたそうですね!
よかった! あも
◎あと二人の日本人も解放されたようですね
イスラエルやアメリカのやっていることを
知るとテロリストと言われてるイラクの武装
している人達の方がまともな人に思える
時もあります日本のしていることに比べて
もそうです。
人質になっていた人達が生きて解放されて
本当に良かったです、すばらしい、
イスラエル、アメリカ、イギリス、日本の
やっている蛮行、テロリストと言われている
人達のやっている蛮行、世界にはまだまだ
蛮行があります、世界のあらゆる蛮行が
この世から早くなくなってほしいです。
とよしま
◎信濃毎日17日
ドバイで見た「人質事件」
板垣雄三
日本危機管理の無力さ露呈
日本人三人の人質事件は、おひざ元での解放劇によって面目をつぶされた占領当局も
さることながら、日本政府の危機管理の無力さを暴露した。そればかりか、日本のマ
スコミの報道力の欠陥を無残なまでに表面化させたように思われる。
アラブ首長国連邦での日本・アラブ間文化対話の会議に招かれた私は、偶然にもドバ
イでこの事件を観察することになった。八日夜ドバイに向かう関西空港で事件の第一
報に接し、十五日夜帰国して羽田からのバスで解放のニュースを聞いた。
事件発生を聞いた最初から、これは米国人が殺害されさらし者にされたことへの報復
として、米軍がファルージャ市民を無差別に殺害している事態の下で起きた事件だと
いうことは、すぐ察しがついた。
ところが、この数日間ドバイから見た日本社会の姿には、日々驚きあきれるばかり
だった。中東では、NHKの国際放送が日常的に視聴されている。だが報道姿勢は内向
きで、国際的なメッセージ力が欠けている。
「テロに屈せず」とか「撤退はしない」という言葉だけが強調され、今や崩れ始めた
連合国の支えとして米国が頼りにし始めた日本の姿が浮き彫りになっている。あとは
哀願する家族の動静が伝えられるばかりで、ただ「日本人の命を助けて」という訴え
は、ファルージャの惨劇やナジャフの危機に心を痛める中東の人々にとっては、違和
感が募るだけだったに違いない。
川口外相のビデオ・メッセージの一コマに、私の友人は冷酷さと傲(ごう)慢さを感
じると憤慨していた。危機管理の観点からすれば、そして内閣の安定度からしても、
撤兵要求のデモなど政府への「圧力」を示す映像が必要だったときに、これを印象付
けたのはNHKではなく、CNNだった。
日本でファルージャ情勢との関連が議論されだすのは、中東から眺める限り、やっと
十三日あたりからである。それまでは、北朝鮮の拉致問題の続きの感じであった。増
派決定やイランへの仲介依頼など、米国の苦境は後追い情報になっている。自衛隊を
派遣している国としては、イラクの軍事情勢に対する日本のマスコミの関心の在り方
が疑われた。
中東では、というより世界では、十二日から十三日にかけて、衛星テレビ局のアル
ジャジーラやアルアラビーヤに対する米国側からの非難がまたもや集中していた。虚
偽の報道で世論を扇動しているというのだ。米軍の司令官たちがファルージャの死者
数や攻撃実態の映像について、国際的反響を打ち消そうと努力していた。このとき日
本は問題のテレビ局を頼らざるを得なかった。
人質になった人たちは、日本社会の中に政府と異なる立場が存在することを示し、民
主主義の活力を証明した。この人たちの行動はサマワの自衛隊を守る力にもなる。
「自己責任」を問うなど、その狭量は論外だ。
日露戦争に倒れた日本の兵士、広島・長崎の原爆犠牲者、戦乱の中東で身をていして
働いた日本の企業マン、中東で自主外交を模索した日本・・・・・・。これらがもたらした
アラブ大衆の対日親近感という日本の資産は、もはやない。「日本人は米国に魂を
売ったのか」と、アラブの大衆は日本を信じていた自分に腹を立てている。類似の事
件はまだ起きるだろう。それでも、今回と同じことが繰り返されてはならない。
(いたがき・ゆうぞう)
東大名誉教授。1931年生まれ。東大東洋文化研究所教授、東京経済大教授な
どを経て現職。著書に「イスラーム誤認」など。
信濃毎日新聞 2004年4月17日
◎塩見@NPO法人 仙台夜まわりグループ です。【転送・転載可】
アラビア語を読み書きできる友人より、アラビア語版反戦バナーを頂きました。
バナーの内容は以下の通りです。
1.占領止めろ!
2.ファルージャに平和を!
3.戦争反対、占領反対!
4.私たちは占領に反対です!
5.殺すな、殺されるな!
6.自衛隊を撤退させよ!
7.三人の解放ありがとう!
8.私たちはイラク民衆の友人です。
各バナーはjpgの他、編集用にBitmapにてもダウンロード可能です。
デモ・集会や、ホームページに貼って民衆同士の国際連帯表明などに
利用していただければ幸いです。
データはhttp://www.yomawari.net/ からリンクを張っています。
尚、データは無断転載、無断転用を歓迎します。
――――――――――「自己責任論」特集―――――――――――
◎朝日 「人質解放の費用公表を」 政府・与党に自己責任問う声
日本人3人の解放から一夜明けた16日、政府・与党内から、退避勧告にもかかわら
ずイラク入りした3人の自己責任を問う指摘が相次いだ。これまでは救出交渉に支障
が出かねないと抑えられてきたが、解放が確認されたことで3人の行動への不満が噴
出した形だ。3人の家族は同日午前、国会内で自民党の安倍晋三幹事長に会い「ご迷
惑をかけて申し訳なかった」と陳謝した。
16日朝の与党対策本部では、公明党の冬柴鉄三幹事長が「損害賠償請求をするか
どうかは別として、政府は事件への対応にかかった費用を国民に明らかにすべきだ」
と発言。自民党の役員連絡会では額賀福志郎政調会長が「渡航禁止の法制化も含めた
検討をすべきだ」と主張した。会合後に記者会見した安倍幹事長は「山の遭難では救
助費用は遭難者・家族に請求することもあるとの意見もあった」と指摘した。
自民党の外務政務次官経験者は記者団に「費用は20億円くらいかかったのではな
いか」と語った。また、閣議後の閣僚懇談会では、北海道出身の中川経産相が「人質
の家族が東京での拠点に使った北海道の東京事務所の費用負担をどうするか、知事は
頭を痛めている」と紹介した。
閣僚の記者会見でも、3人の行動への非難の意見が続いた。井上防災担当相は「家
族はまず『迷惑をかけて申し訳なかった』と言うべきで、自衛隊撤退が先に来るのは
どうか。多くの方に迷惑をかけたのだから、責任を認めるべきだ」。河村文部科学相
は「自己責任という言葉はきついかもしれないが、そういうことも考えて行動しなけ
ればならない。ある意味で教育的な課題という思いをしている」と語った。
一方、石破防衛庁長官は「想定される危険から身を守る能力をもった組織は現在の
日本国では自衛隊のほかない、ということで自衛隊が行っている。渡航自粛勧告が出
ているわけで、(イラク支援活動は)いまは自衛隊でなければできない」と述べ、3
人がイラク入りしたこと自体に無理があったとの見方を示した。
(04/16 17:28)
◎朝日
航空券と健康診断費用は自己負担 人質事件で外務省
外務省はイラクで解放された日本人の人質3人に、バグダッドからドバイへのチャー
ター便の費用の一部と、ドバイの病院で行った健康診断の費用について、自己負担を
求める方針を決めた。
外務省幹部は17日、救出にかかった費用を本人に負担するよう求める声があがっ
ていることに関連して「こうした点にはガイドラインがあり、チャーター便について
はエコノミーのノーマル料金を負担してもらい、健康診断については当然かかった費
用を基本的に負担してもらうことになろうかと思う」と述べた。それ以外の費用につ
いては「現在進行形でオペレーションが進んでおり、総額を出す段階にない」として
いる。
(04/17 21:33)
◎毛利さんが定期的に「3名を救え・各地の動き」のメールを送ってくださる事で、
私はマスコミ報道を客観的に見ることができました。
普通に過ごしていたら知ることができなかった事だらけです。
曇りない目で、現実を見ることができた事をうれしく思います。
まだ2人が心配な状態の中でこんな事を言うのはたいへん軽率なんですが、
この事をとても感謝しています。
メールを送ってくださってありがとうございます。
最近「自己責任」についてとても考えさせられています。
「救出にかかる費用に私達の税金が使われるなんてもったいない」
「なんでも政府の責任にするな」とかの声を聞いていると、
どうしてそう思うのか、たくさん考えました。
そもそも、「税金は国民のためのお金」です。
私達から税金を取るだけとって、経済が不景気になっても、
政治家は自分達の私利私欲に使い、無駄をやめない。
とうとう私達の年金にまで手をつけて使い込んでゆく…。
その上で、日本人を国として救出する費用までも出し惜しみ…
例えは良くないかもしれないけれど、
もし国内で犯罪を犯して刑務所に入っても、
彼らの衣・食・住である「基本的人権」が守られているのは、
税金のおかげです。「税金が国民のためのお金」だからです。
根本的にそういう性質をもったお金で、
ただのお金じゃないことを、
政府にも、国民にも、気づいて知ってほしいです。
そういう事に興味がなく、ただただ過ごしていると、感覚が麻痺し、
目に見えない「政府責任」の存在すら忘れてしまいます。
政府に責任があるって言える人は、見えている人だと思います。
でも、見えないのが本当に悪いのでしょうか?
見えないものを見えるようにするには、どうしたらいいのでしょうか?
自分はメールを読むことで見えたものがいっぱいあったけれど、
でも、もしこのような縁がなければ…きっと見えていません。
自分の国の自衛隊がイラクでしている事も見えない日本人でした。
自分も「知らないこと」を知らない日本人でした。
これまで私は「知る」という事を、これほど快感に思った事はありませんでした。
真実を伝えてくれるカメラマンやジャーナリストの方々は、
大切にされるべきです。
そんな人たちが非難されるという事がとても悲しいです。
◎自己責任とパウエル
1、自己責任じゃなくて、不可抗力だと思う。
私は、人質の3人は自己責任を100%果たしていたと思います。
こんな場合に、自己責任などという言葉を持ち出すのなら。
単純なところから言えば
彼らは危険を回避するために、遠回りをするルートを選んでいるし
服装などが、浮き出すほど華美だったわけでもない。
もうひとつ付け加えるなら
私が常々思っているのは、
”武器を持つことほど、危険なことは無い”ということです。
その意味においても、彼等は自分達の信じる最大の自己防御策をとったと思います。
武器を持つことほど危険なことは無いというのは
武器を持ったとき、それは敵意を表現し、相手に敵意を生じさせるもととなりうると
信じるからです。
本来人間には、共存するために
相手を殺傷するにあたって”良心”が痛むという、最大限のブレーキが備わっていま
す。
でも、敵意や憎しみは、それを麻痺させ機能不可能にする。
相手が武器をもって自分に対しているとき、人間は恐れからくる自己防御のためと
相手が自分に敵意をもっているということで、生じる憎しみや敵意が最大限にふくら
むと
私は思います。
責任、というのは、
予め予測され、回避することが可能であったのにも関わらずそれをしなかったことに
より
起きたリスクに対して、負うべきものではなかったでしょうか?
はじめに今回の事件は、彼等に予測されたでしょうか?
いくら退避勧告が再三出されていたからといって
同じ口で、「イラクは戦闘地域ではない。自衛隊派遣によって
イラク人に日本人に対する敵意が産まれることは無い。
イラク人は自衛隊の活動を望んでいる。歓迎されている。」
とは言ってなかったでしょうか?
同時に、「自衛隊派遣が、自衛隊員にとっても危険だ危険だというが、
道を歩いていても、死ぬときは死ぬ」
と、言わなかったでしょうか?
道を歩くこと、と同程度の危険度、から発せられる退避勧告をきいて
退避するジャーナリストやボランティアがどこにいる。
今井さんは、イラクで劣化ウランにより被爆することは、予測し、恐れていたと報道
で伝えられています。つまりそれは予想されていました。しかし、回避は不可能でし
た。
なぜなら、その地において、それを個人が回避することは困難であり
同時に、それであっても今井さんは、イラクでその現状を調査することは
そこに存在しなければならない人達と同じ人間として
どうしても知識を持った人間=自分が調査し摘発や警告することが
必要であり避けるわけにはいかない、避けられないと気がついた以上
また本人にそれができる条件がそろってしまった以上
不可避であったと思われます。
しかも、今回の”起きてしまったリスク”は、ウランによる被爆ではありません。
また高遠さんは、生きるために手段を選ばなくなった人々による盗賊行為などに、
襲われる危険性は予想していた、とこれも報道で伝えられていました。
そして、それを回避する為に個人にできる最大限の努力
(服装が華美ではない、地域情報にできるだけ過敏であるようにする など)
はしていました。また、もし相手が盗賊だった場合、相手を威嚇しないことや
持っているものは全て渡すなどの、命だけは守る行動を
とったのではないかと、これはあくまで推測ですが。
しかし、今まで、イラク人の中に、現在ほど政治的面から生じた敵意が無かった以上
それまでの経験から今回の事件について、完全に予想ができていたかどうかは
わかりません。また、そのような敵意に対して
個人ひとりひとりの回避努力というのは、とても微力です。
人質となった3人がこれまでやってきた事が、また今回もその運動の一環であるとい
う、目的が、この面での個人にできえた最大限の努力のしるしといえるし
事実、今回の無事救出はこれが功を奏した結果だと思います。
(たくさんの支援者がそれぞれせいいっぱい動けたのにも、
この事実が作用した部分もあるとは思いませんか?)
その点、彼等は、普通個人には望むべくも無いほどの”回避努力”をし、
自己責任を最大限に果した、といえます。
次に、では今回の事件は、彼等が個人的に回避できるものだったしょうか?
実行する為の条件(経済的なものやその為に築いてきたコネクション、本人の実行力
および自覚される体力、技術力能力知識など)が揃った事と、人間としてそれ(ボラ
ンティア活動や伝えられるべきイラクの現実を伝えるという使命)は避けてはいけな
いことだと気がついた、という事により、まず、渡航は不可避であったと思われま
す。また、いくら個人にできる最大の努力懇願働きかけをしていたにも関わらず、国
が自衛隊を派遣して撤退させなかった、アメリカの戦争に対する支持をやめなかった
という現実は、今回の事件の最大の原因である、イラク人が自分たちに敵意を持つと
いう危険も彼等個人には努力をしたにもかかわらず回避が不可能だったという事実を
示しています。
他に、書き忘れていることはないかな?
あるかもしれないけれど
とにかく以上のことにより
これは、この事件は悲しいほどに不可避だったと私は考えます。
自己責任という非難は、まず根本から言葉の使い方が間違っています。
2パウエル発言は、とても怖い
次に
パウエル発言。
あれは危険です。
以前にも、憎しみの感情は目を曇らせると書きましたが
私はそれをもう一度思い出しました。
パウエルさんは、頭がとても良い。
彼にとっては、アメリカに最大限の利益がありさえすれば
日本の首相が、”コイズミ”であれなんであれちっともかまいません。
また、与党が自分たちに都合よく動きさえすれば
何党であろうとどんな政治団体であろうと
きっとちっともかまわないと思っているのではないかと
私は邪推してしまう。
(たとえば自民党であろうと民主党であろうと。
民主党は今回とても奇妙な方針を示し
とても矛盾した動きと発言をしていると私には思える。
私は小沢さんという人は怖いと常々思っています。)
私達個人の力が集まったpower to the peopleは
何にもまして強い。
これが憎しみの軌道を通った時、まっすぐアメリカに向かうよりも、
少しでも”おばかさんな日本政府、冷酷無比な政府関連者”
にその方向がそれてくれれば、アメリカはずいぶん助かるのではないでしょうか?
同時に、
身を挺して、危険を冒してまで、”正義”に殉ずる美徳(日本人はこれが大好きで)
が、もし自衛隊派遣に多少の肯定的感情を与え
自らの国の人命的リスクを、日本が少しでも多くわけもってくれる方向に
power to the peopleが向かってくれれば
アメリカにとってこんな都合の良いことはないのではないでしょうか?
杞憂ですか?
私はとてもそれが怖いです。
書き忘れていることたくさんあるような気がします。
でもとにかく、
とりあえずはとりいそぎ。
あも
◎全てのメールに目を通してはいないので、すでにとっくに指摘ずみの問題
である可能性が高いのですが、現在進行している人質非難の本質は以下の
2点に集約されるのではないでしょうか。
@ NGOの敵視政策
A ジャーナリストの敵視政策
「国益」の擁護、「国策」の遂行に、NGOとジャーナリストが障害にな
るからこそ、3人の人質は非難されるのです。
「非国民」の指名は真っ先に不法滞在外国人に向けられましたが、グロー
バル化した市民運動を前提にすれば、次順位は、NGOだったという訳で
す。
手がかりは、NGOやジャーナリズムとの連携にありそうに思いますが、
いかがでしょうか。
◎朝日 「日本にも新世代育つ」 仏紙が3邦人の行動を弁護
17日付の仏紙ルモンドは評論欄の1ページを割き、イラクで3人の日本人が人質
になった事件に関するフィリップ・ポンス東京支局長の論評を掲載した。「事件は、
外国まで人助けに行こうという世代が日本に育っていることを世界に示した」とし
て、「無謀で無責任」と批判されている元人質を弁護している。
「日本、人道主義の勢い」と題した長文記事は「軽率で無邪気すぎるかもしれない
が、ネクタイ・スーツ姿と夜遊びギャルの間に、激変する社会に積極的にかかわろう
とする者がいることだけは分かった。彼らは自分なりに世界を変えたいと考えてい
る」と、元人質の行動に理解を示す。
また「親の世代のように企業社会に服従することを拒み、新たな感受性を見つけた
若者たち」を束ねる「10万の非政府組織(NGO)」の活動にも注目。「阪神大震
災以降、人道・奉仕活動に身を投じる子供たちが増えている。日本人の人質たちは一
つの象徴だ」と結論づけている。 (04/17 11:09)
◎阪神・淡路大震災 被災地NGO恊働センターより
被災地KOBEは、10年前に阪神淡路大震災に遭い、甚大なる被害を被りました。その
節は、国内外から多大なるご支援を頂き、ほんとうにありがとうございました。被災
地に住む一人として心からお礼を申し上げます。
さて、当事者であるNGOとして、この度のイラク人質事件に関連してアピールし
たいと思います。何故これを書こうと思ったかと申しますと、今朝4月17日朝日新
聞朝刊に掲載された小倉利丸様(富山大学教授)の−イラクとNGO 「自己責任」
論でいいのか−を読ませて頂いたからです。私は小倉様の論に全面的に賛同します。
見事に問題点を整理して頂いているように感銘を受けました。
10年前の「あの時」、延べ130万人のボランティアが被災地KOBEに駆けつ
けて来られました。おそらくそのほとんどは、余震も含め危険な被災地に、誰かに言
われたからではなく、自らの意志で被災地の救援活動のために駆けつけて来てくれま
した。その時にエネルギーが、その後10年にわたる復興の過程で大きくプラスの影
響を与えたことは周知の事実です。よく「自然」災害と「紛争」災害は違うと言われ
ます。もちろん違うことは認識しているつもりです。しかし、内容の格差はあるにし
ろ、どちらもその地の復興(再建)に寄与する活動として重要な位置づけをされるも
のであることは間違いないことだと言えます。
とすれば、何故今回は「自己責任」論で片付けようとする人たちがいるのでしょう
か?災害後のボランティアが活動する対象分野は、ほとんど「公」領域にあるものだ
と理解します。残念ながら、被災地の行政も大打撃を受けたために、普段なら対応で
きていた筈の多くの公的事業ができなくなり、全国から駆けつけたボランティアに依
存したのです。その結果、見事に「支えあい、助け合い」の社会が”いっとき”成立
したのです。あの時、私たち被災地の多くの人間は「人間は一人では生きていけな
い。支
えあって、助けあって生きていくのだ。そしてその過程で自立・自律を獲得していく
のだ」というようなことを学んだのです。
今、与党自民党議員の発言から、国会で「渡航禁止」についての立法措置について
の議論が起こっています。この「渡航禁止」の内容は、おそらく「危険なところには
ボランティアやNGOは行くな!」というものになるのでしょう。そうなると、今回
のようなイラク、あるいはKOBEのような被災地に行くなということになります。
一体、10年前に学んだことは何だったのでしょうか?今、進んでい「地方分権」の
ことも、小泉首相が声を大にして言ってきた「構造改革」にしても、その根本の担
い手の原理はどうなるのでしょうか?日本という国は、こんなにも曖昧だったので
しょうか?
10年前のあの時から「たった一人の命も大切に!」と言い続けてきました。今回
のイラクの泥沼状態を見て、私たちが大切にしなければならない視点は、星川淳さん
も指摘されおられます「誰も殺してはいけない、誰も殺させてはいけない、誰も殺さ
れてはいけない」ということではないでしょうか?
今こそ、NGOとして声をあげなければ、人間の住めない日本になってしまいま
す。
2004年4月17日
被災地NGO恊働センター
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
被災地NGO恊働センター e-mail ngo@pure.ne.jp
URL http://www.pure.ne.jp/~ngo/
◎世界社会フォーラム連絡会事務局からの
「自己責任」論への批判声明確定版を転送します。
さて、自己責任論に関して、
コリン・パウエル米国務長官から
「危険を知りながら良い目的のためにイラクに入る市民がいることを
日本人は誇りに思うべきだ。もし人質になったとしても、
『危険をおかしてしまったあなたがたの過ちだ』などと言うべきではない」と
彼ら3人の人質の行動を賞賛しています。
(コリン・パウエル米国務長官と言えば、ブッシュ政権の中でも
国連主導を唱える人で、政権内のネオコンとも対立している人ですが)
それにひきかえ、政府、マスコミなどでは、最近、自己責任論が
急に盛り上がりをみせ、迷惑をかけたということで、
「チャーター機や健康診断の代金は請求することになるだろう」とか、
一部マスコミでは、こんどの記者会見をねらって、
政府の「被害額」として「4億円」などと計算し、それを彼らに示して
謝罪の言葉を引き出そうとしているようです。
(4億円のうち、1〜3億円は仲介の労をとった宗教関係者への謝礼
とのこと)
我々の税金がそのような目的に使われることは、
私自身も望んでいたし、逆に、自衛隊派遣に使うお金を、
NGOなどの派遣に使いたい気持ちの方が強いのです。
(もちろん安全を確保した上での話しですが)
============
緊急共同声明の賛同呼かけ
============
非政府組織(NGO)、市民運動団体、ジャーナリスト団体およびこれら団体に携
わっている多くの皆さんに呼かけます。イラクにおける人質事件をきっかけに、
政府やマスメディアの一部から「自己責任」を問う声が非常に強くなっていま
す。こうした動きは政府から独立して活動する私たちにとって見過ごせないと
考え、以下のような声明を出しました。是非ともこの声明にご賛同ください。
(賛同の方法、現時点での呼かけ団体(個人)および賛同団体(個人)は末尾
にあります)
(お願い)共同声明の原案の段階で呼かけ・賛同団体(個人)になられた方で、
リストにお名前がない方がいらしゃれば至急おしらせください。お手数ですが
よろしくお願いします。追加訂正はウエッブ版で行います(集約係 小倉/呼かけ人)
(回覧をお願い致します。回覧期間 2004年4月21日)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■(共同声明) ■
■「自己責任」論による非政府組織(NGO)、市民団体、ジャーナリ ■
■スト等の活動への批判に憂慮します ■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
わたしたちは、世界中の人々との草の根の交流、人びとの生活や人権などへの
支援活動、ジャーナリストとしての活動などをおこなっている非政府組織
(NGO)、市民団体やこれらに関わる個人です。わたしたちは、イラクにおける
人質事件以降、政府および一部のマスメディアが今回の人質事件の原因を危険
なイラクに出向いた被害者たちにあると批判し、事態の責任を「自己責任」の
名のもとに、現地で活動しているNGOや個人に転嫁しようとしていることに大
きな憤りと悲しみを感じています。(注)
このような「自己責任」論は、NGO等として紛争地域などで活動する人たちの
人命が危険にさらされるような事態になったとしても、それは当事者の責任で
あると考えるあやまった世論をつくり出してしまいます。このような世論形成
は、人命を軽視した安易な武力行使や実力行使を正当化させかねず、NGOなど
による海外での活動を大きく制約しかねないという危機感を大変強く持ってい
ます。
政府や一部マスメディアが主張する「自己責任」論は、自律した個人が自らの
責任で社会活動をすることの意義を意味するという、その本来の意味をすりか
えにしています。そして、人質の人たちとその家族を、そのようなまちがった
「自己責任」論によって批判するようなことはすべきではないということを強
く訴えたいと思います。
紛争地域などでのNGO活動には多かれ少なかれリスクは伴います。このことは、
海外で活動する人びとにとっては十分理解されています。武器をもたずに、ど
こかの国家の組織に属することもなく、イラクの人びとの 安全や人権を守り、
真実を伝えるために危険な地域におもむいた人びととその行動を「自己責任」
論を持ち出して批判することはできません。 ところが、現在、政府や一部の
マスメディアが批判のために持ち出している「自己責任」論は、紛争地域での
NGOやジャーナリストなどの活動を萎縮させて閉め出し、その独立性を失わせ、
ますます地域の不安定を助長することになりかねないのです。
はたして自衛隊や日本の政府がNGOにかわって劣化ウラン弾の被害の調査を行っ
たり、貧しい子どもたちを支援するといった活動を行ってきたでしょうか。ま
た、政治的な理由に左右されることのない人道支援を行えるでしょうか。戦争
の被害を当事国の利害や国益にとらわれずに正確に把握することが果たして戦
争の当事国にできるものなのでしょうか。国連のガイドラインでも、人道およ
び軍事活動間の明確な区別を維持するために、軍事組織は直接的な人道支援を
すべきではないという基準を設けており、紛争地域で中立な立場で人道支援で
きるのはNGOだということが確認されています。これに反して、「自己責任」
論は、人道支援の軍事化を促し、人びとの安全をますます損なう結果となるこ
とに強い危惧を持つものです。
NGO や市民団体は、政府や軍隊には出来ない多くの分野で支援の実績を達成し
てきました。この事実は正当に評価されるべきことであっても、「自己責任」
の名において批判されるべきではありません。あるいは、戦時のマスメディア
がどれほど戦争の真実を伝えてきたでしょうか。軍隊や政府の庇護を受けない
フリーのジャーナリストの報道は不要だといえるでしょうか。検閲や自主規制
にとらわれないフリーのジャーナリストが戦争の真実を伝えるために、報道の
自由に果たした役割ははかり知れません。
私たちは、政府や一部マスメディアによる「自己責任」論に基づく人質とその
家族の皆さんへの批判はいわれのないものであって間違いであり、これを撤回
することを強く望むものです。そして、現在のイラクの状況から、人道支援の
最大の障害は軍隊なのだということがあらためて明らかになっているというこ
とを強調したいと思います。日本政府が自衛隊をいち早く撤退させ、米国や連
合国にも軍隊の撤退を働きかけかけることこそが、イラクの人びとの生活と生
命の安全を保障し、NGOなどの援助活動、人権監視活動、ジャーナリストとし
ての活動の安全を確保するもっとも確実な方法なのです。
(注)
「自己責任」論についての政府、報道機関の言及の一例
外務省の竹内行夫事務次官の発言「非政府組織(NGO)メンバーによるイラ
ク国内での活動について「自己責任の原則を自覚して、自らの安全を自らで守
るということを考えてもらいたい」
『日経』4月13日社説 「自己責任がイラクにおける基本的な行動原則である」
『読売』4月13日社説 「自己責任の自覚を欠いた、無謀かつ無責任な行動が、
政府や関係機関などに、大きな無用の負担をかけている。深刻に反省すべき問
題」
=======切り取り線=======
「(共同声明) 「自己責任」論による非政府組織(NGO)、市民団体、ジャーナリス
ト等の活動への批判に憂慮します」に賛同します。
お名前
所属
連絡先(メールかファックスをお書き下さい)
なお、いただいた賛同署名については、お名前と肩書きを公表いたします。連
絡先は公表されません。
===================
●賛同署名の送り先および問合わせ先は下記です。
賛同署名の送り先
電子メール
jikosekinin@freeml.com
ファックス(ピープルズプラン研究所)
03-5273-8362
電話での問合わせ先
070-5553-5495 (小倉/WSF連絡会)
メールでの問合わせ先
jikosekinin@freemail.com
ウエッブ上でのアクセス((WSF連絡会ウエッブサイト内)
http://www.jca.apc.org/wsf_support/ngo_statement.html
●よびかけ団体(この他に若干増える予定です)
アジア太平洋資料センター
アジア平和連合ジャパン
大阪ティモール協会
在イラク自衛隊監視センター
東京東チモール協会
ナブルス通信
日本消費者連盟
反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)
ピープルズ・プラン・研究所
米兵・自衛官人権ホットライン
JCA-NET
●呼びかけ人(あいうえお順)(若干増える予定です)
天野恵一(派兵チェック編集委員会)
生田あい(米兵・自衛官人権ホットライン、在イラク自衛隊監視センター)
大橋正明(恵泉女学園大学教員)
小倉利丸(WSF連絡会事務局)
小倉英敬 (国際キリスト教大学非常勤講師)
大林ミカ(NPO法人 環境エネルギー政策研究所)
春日 匠 (ATTAC 京都)
きくちゆみ(グローバルピースキャンペーン)
小池康弘(ニカラグアの会事務局長・愛知県立大学助教授)
越田清和 (ほっかいどうピースネット)
コリン・コバヤシ (グローバル・ウォッチ/パリ)
佐伯奈津子 (インドネシア民主化支援ネットワーク)
坂元 一美 (ODA ウォッチャーズ)
佐久間 智子(「環境・持続社会」研究センター)
三部義道(社団法人シャンティ国際ボランティア会)
杉田優子(エクアドルの子どものための友人の会代表)
田中徹二 (ATTAC Japan)
千田 容子 (フリーライター)
長瀬理英(PARC理事)
服部 順治(グリーンズネットワーク)
藤澤みどり (「湾岸戦争の子どもたち」写真展UKツアー)
本田真智子(フリーライター)
松原明 (ビデオプレス)
武者小路公秀 (反差別国際運動日本委員会理事長)
武藤一羊 (ピープルズ・プラン・研究所共同代表)
森原 秀樹 (反差別国際運動(IMADR)事務局長)
門間光憲(まちづくりNPOげんき松島研究所 代表幹事)
山崎久隆 (劣化ウラン研究会、たんぽぽ舎)
山本史郎 (イラク攻撃に関する世界情勢のニュース・ML)
山本俊正(日本キリスト教協議会、総幹事)
吉原 功 (日本ジャーナリスト会議)
──────────────
●賛同団体
世界中の人々と交流をすすめるSAT(国民性なき全世界協会)会員の会
日本国際法律家協会
ピースボート
Greenpeace Japan
●賛同人
稲月隆
今井恭平
遠藤嘉則(JCA-NET)
きくちゆみ(グローバルピースキャンペーン)
金城睦(沖縄県憲法普及協議会)
小森麗子 (<シャマーレ・アフガニスタン>プロジェクト)
近藤ゆり子
田崎 透
遠野はるひ (横浜アクションリサーチセンター/ATTAC JApan)
なすび(山谷労働者福祉会館)
西塔文子(プルトニウム・アクション・ヒロシマ)
福澤郁文(シャプラニール、Gデザイナー)
村井完江 (<シャマーレ・アフガニスタン>プロジェクト)
森 法房/人間いきいき研究会世話人
山口亮 (<シャマーレ・アフガニスタン>プロジェクト)
八木航 (<シャマーレ・アフガニスタン>プロジェクト)
水越 伸 (市民コンピュータコミュニケーション研究会)
山口正紀 (ジャーナリスト/人権と報道・連絡会世話人)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
毛利正道さんのメール通信
2004.4.18
そろそろこの通信は終わりたいのですが、アメリカと日本政府がなかなか終わらせて
くれません。私としては、頻度はセーブしつつ、しばらくは続けたいと思っていま
す。このこと自体について、ご意見頂けたらありがたいです。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
毛利正道 mouri-m@joy.ocn.ne.jp
http://www1.ocn.ne.jp/~mourima/
〒394-0028岡谷市本町2-6-47 林百郎法律事務所
tel 0266-23-2270 fax -23-6642
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
◎泉通信より
拘束されていた二人の日本人ジャーナリストも無事解放されました。まずは喜びたい
と思います。
@「自己責任」論
昨日の朝のことでしたが、小泉首相、川口外相、公明党冬柴幹事長の被害者批判発言
を聞きながら、娘と口論になってしまいました。娘もこれだけ心配かけたのだから、
又イラクに出かけるというのはおかしい、というのです。途中でやっとトリックに気
付きました。被害者への記者の質問は「これからも活動は続けますか」という質問で
した。被害者は「いやなこともあったけど、イラク人を嫌いになれない。活動を続け
る。」と答えたのです。これは、すぐに又イラクに行き活動を再開するといっている
のではありません。今後もイラクの苦しんでいる人々の力になっていきたいという意
思の表明です。素直な心情の表明です。「ひどい目にあった。イラク人が嫌いになっ
た。もうイラクには二度と来ない。」と言わなければいけなかったのでしょうか。皆
さんもそうは思われないと思います。一方、娘がおかしいと言ったのは、今すぐにで
もイラクに帰って活動するという理解のもとでの批判だったのです。確かに、治安が
極端に悪化した今日の状況で、又イラクに行くと言えば、「自分は死んでもいいと
思っているかも知れないが、まわりにかける迷惑のことを考えろ」と言いたくもなる
でしょう。きわめて常識的な話です。ここにトリックがあったのです。中長期的に
「活動を続ける」という答えが、今すぐにでもイラクに戻って「活動を続ける」とい
う答えにすり替えられてしまったのです。このすり替えは、首相に質問する記者が
「活動を続けると言っている被害者がいますが?」等と曖昧な表現の質問をし、それ
を受けて首相が都合の良い理解を前提とした批判的コメントを行い、今度は被害者が
意図もしていなかった文脈での発言の片言がそれへの批判的コメントと共に一人歩き
していく、という形で行われてきたのです。そして、「非常識で自分勝手な」人たち
というレッテルが貼られてしまっているのです。
A「身代金」説と経費被害者自己負担論
億単位の身代金や謝礼がスンニ派の宗教団体に支払われたという話がまことしやかに
流され、一方で救命活動に要した費用を被害者に請求すべきだという主張が公明党の
冬柴幹事長からなされています。しかし、今日のサンデープロジェクトに電話出演し
たイスラム聖職者協会のクベイシ師は日本政府からの接触も身代金も無かったと発言
し、同席していた日本人コメンテーターも身代金は無かっただろうと発言していまし
た。ここにも私達が信じやすい事柄を利用して被害者を貶めようとする意志が感じら
れます。
B被害者批判の目指すもの
こういう私達の常識的感覚を悪用して何が行われようとしているのでしょうか。それ
は、世論の眼が
1)イラクをこんな危険な状況に追いやった米国のイラク占領支配と、
2)自衛隊を派兵することによってイラク人が日本を敵視するようになってしまった
ことに
向けられ、ブッシュ政権とそれに追従する小泉政権への批判に結びつくことを回避す
ることです。できることなら、自衛隊派兵に反対し、憲法の平和条項改正にも反対す
る目障りな平和運動全体にまでも「非常識で自分勝手」というレッテルを貼り世論か
ら孤立させようとさえ考えているように思われます。
C今注視すべきもの・・・1) イラク占領支配体制の破綻とファルージャへの無法な
攻撃
今回の一連の外国人拘束事件の原因は米軍によるファルージャ封鎖と攻撃にありま
す。勿論、そのきっかけ自体はファルージャでの米国人民間人の惨殺にあったのです
が、その事件自体が米軍による占領支配への反発にあった、という具合に既に泥沼化
している状況を示しています。今回のファルージャへの攻撃は度を超えたものとなっ
ています。今日はメールの最後尾にファルージャの様子を報道した記事を紹介してあ
ります。これは日本人記者が報道したものではありませんが、政府の「自己責任論」
に従っていれば報道されることのないものです。
D今注視すべきもの・・・2) イラクへの政権委譲と国連の役割
米国は一方で軍事的な制圧路線を走る一方で、国連の巻き込みに必死になっていま
す。米国大統領選との兼ね合いからも6月30日までのイラクへの政権委譲は必須と
なっているにもかかわらず、受け皿政権づくりが全く進んでいないのです。アナン事
務総長の氏名でブラヒミ氏が草案を練っているようですが、新政権メンバーの選出は
米国占領当局と相談することになっているとか、政権委譲後も米国軍は十万以上の規
模を維持し、国連軍とは別に独立して機能する(国連軍は国連代表機関の警備のみを
担当)といった案が噂されています。もしそのような内容であれば、「国連も米国の
隠れ蓑でしかなかった」と批判を浴び、国連が米国と一緒に泥沼に引き込まれてしま
うことになるのではないかと懸念します。
E今注視すべきもの・・・3) イスラエル・シャロン政権の力の政策によるパレスチ
ナ和平の混迷
今日は詳しくは触れませんが、シャロン政権はヨルダン川西岸地区のユダヤ人植民地
を確保したままパレスチナを塀で取り囲み、一方的に領土を確定させてしまおうとし
ています。シャロンの訪問を受けたブッシュ大統領はこれを承認しています。更に17
日には、ハマスの精神的指導者ラティシ氏がイスラエル軍によって暗殺されました。
3月22日にヤシン師が暗殺され、後継者になったばかりでした。シャロンとブッシュ
は力の政策で世界をいっそう不安定で危ういものにしようとしているようです。
F今注視すべきもの・・・4) イラクへの自衛隊派兵見直しと政権交代
小泉政権が追従し続けてきたブッシュ政権のイラク政策、中東政策の破綻は明らかに
なってきました。ブッシュ路線の破綻は、自衛隊派兵を強行し、これからも米国と一
緒に海外派兵できる体制を準備してきている小泉路線の破綻でもあります。このまま
の小泉路線の継続を許すのかどう、許さないとすればどのようにして政策変更を求め
ていくのか、小泉政権に政策変更が期待できるのか、が問われています。「自己責任
論」の流布はこの問いに対する目くらましのように思われます。
以上 2004.4.18
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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前回のTUP速報で、「一時停戦中のファルージャより」を流しました。
ファルージャの大量虐殺は、ベトナム戦争のソンミ村の大虐殺に例えられる
ほど、世界中に衝撃を投げかけています。
ここでは、別の二人の記者からの現地レポートを訳出しました。
(パンタ笛吹/TUP)
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米軍はファルージャ市民を虐殺している
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ダール・ジャマイル
4月13日 アンチ・ウォー掲載
ファルージャではここ数日間、市全体が米軍により包囲され、水も電気も
ないまま、一般市民が「集団処罰」を受けているという。なのにマスコミは
その惨状をほとんど報道してはいない。
実際、ファルージャ市内で取材している記者は、たった二人しかいないの
だ。私は現場で起こっているだろう残虐行為をこの目で見て世界中に報らせ
るめ、ファルージャに行くことにした。
バグダッドの友人たちの助けもあり、私たち世界各国から集まった小さな
グループは、医薬品などの人道支援物資を大型バスに積んでファルージャに
向かった。いつまた始まるか分からない次の虐殺の前に、負傷者たちをバグ
ダッドの病院に連れ帰ることも、このバスの目的のひとつだった。
いまとなっては、バグダッドを離れるだけで危険きわまりない。米軍はヨ
ルダンまでの道路を封鎖している。ハイウェーでは爆破されたタンクローリ
ーが道路わきでくすぶっていた。また、抵抗勢力の攻撃を受けたばかりなの
か、まだ黒煙をあげている米軍の巨大なMー1戦車の横も通り過ぎた。
途中、道路わきの小さな家から子供が飛び出し、バスに向かって、「ぼく
らは死ぬまでムジャヒディン(聖なる戦士)なんだぞ!」と叫んだ。
最初の米軍検問所では、米兵たちはすでに30時間ぶっつづけでそこにい
るとぼやいていた。兵士たちから車内検査をされたあと、バスはファルージ
ャに向かった。そこでも道路わきに、破壊され放置された武装軍用車があっ
た。
ちょうど近隣の村人が、その軍用車からたくさんの箱を略奪し、運んでい
るところだった。路上には他に車が走っている様子はなく、それはまさに殺
伐とした風景だった。
いったんハイウェーの検問所から離れると、もうそこには米軍の姿はまっ
たく見えなかった。私たちは、ムジャヒディンが米軍から奪還した領域にい
るのだ。
バスが農道を通過する間、イラク人とすれ違うたびに彼らは、「ファルー
ジャに行くのか? 神の祝福があらんことを!」と叫びかけてきた。すべて
のイラク人が私たちのバスに向かって手を振ったりピースサインを出したり
した。
町に近づくにつれ、道路わきの子供たちがパンや水を、無料で人々に渡し
ているのを見た。子供たちは平たいパンのかたまりを、バスの中の私たちに
も気前よく投げてよこした。
これらイラク人たちの隣人愛というか親しく接待する気持ちは、信じられ
ないほどだった。彼らはみんな私たちを歓迎してくれているようだった。
ファルージャに到着するなり、市内から巨大な爆煙がのぼるのを見た。
米軍が大きな爆弾を投下したのだ。「一時停戦」なんて、あったものではな
い。
ファルージャ市内は、ムジャヒディン戦士たちがそれぞれの街角で待機し
ている以外は、ほとんどもぬけのからだった。ここは、戦闘中の街なのだ。
私たちのバスは、イタリアのNGOから託された医薬品を届けるために、
町中の小さな医院に向かった。
街でいちばん大きな病院は、そこに出入りしようとする人々を米兵が狙撃
するので使えないし、もう一つの病院は米軍がすでに爆撃したので使用不能
だ。いまファルージャで機能しているのは、二つの小さな医院だけだった。
それはこの医院と、もうひとつは車の修理工場内に設置した臨時医療所だ。
私がその小汚い医院にいる間に、米兵に撃たれた女性や子供たちがひっき
りなしに運び込まれた。ひとりの女性は首を撃たれ、息をするたびに妙な音
をたて、苦しそうにもがいていた。
同じく首を撃たれた小さな子供は、医者が必死で命を救おうとする間も、
うつろな目を空に向けて、口から何かを吐き続けた。30分たったころ、医
者は二人の命をあきらめざるをえなかった。
外では狙撃の音が断続的に続いていた。米軍の侵略行為で傷ついた犠牲者
が次々に運ばれたが、そのほとんどが女性や子供たちだった。
夕方、モスクのスピーカーから「ムジャヒディンは米軍の軍用車隊のひと
つを壊滅させた」との放送があった。すると町中から歓声があがり、お祝い
の銃声が道々にとどろいた。
そしてモスクから祈りの詠唱がひびきわたると、この町の人々の決意と自
信がひしひしと伝わってきた。
11歳の小さな少年は、自分の背丈ほどもあるカラシニコフ銃を手に持ち
医院のまわりを警護していた。彼は銃撃戦になるのを恐れてはいなかった。
米兵はこの11歳の少年と戦うことをどう感じているのだろう? とふと思
った。
次の日も、ファルージャを去るときも、私はいくつかの少年のグループが
ムジャヒディンとして戦っているのを見た。
医薬品を医院におろしたあと、私は3人の友人といっしょに、まだ動いて
いる救急車で、路上の負傷者を乗せて連れもどることにした。その救急車の
フロントガラスには、すでに三つの弾痕があった。米軍狙撃兵が救急車のイ
ラク人運転手の頭を撃ったのだ。
外では爆撃が散発的に爆発し、銃撃の音がしばしば聞こえるなか、今度は
私たち外国人が救急車に乗っていれば、米兵も狙撃しないだろう。そうすれ
ば、路上で苦しんでいるイラク人負傷者を助けられると思ったのだ。
夜になると、私たちは地元民の家に泊まった。そこの家主は、自分がここ
数日間に撮影したビデオを見せてくれた。次々に出てくる、血まみれになっ
て殺されたファルージャ市民たちの映像・・・中でもひどかったのは、お乳
を吸っていた赤ちゃんが、母親の胸から引き剥がされ、海兵隊員によって、
無惨に殺されてしまった姿だった。。
私がファルージャにいる間中、ひっきりなしに聞こえてきたのが米軍が放
った遠隔制御無人戦闘機のブーンブーンという音だった。夜、私たちがから
っぽの街路を宿泊所まで歩いていくときも、無人戦闘機は私たちの上空を飛
びながら、いくつかの照明弾を発射した。
私たちは走って近くの壁に身を隠した。クラスター爆弾を落とされるので
はないかと恐れたのだ。
地元民の話では、今夕、医院に最後に運びこまれた二人の犠牲者は、クラ
スター爆弾でやられたそうだ。二人の体は引きちぎられ、恐ろしいくらいに
焦げていた。
翌朝、友人の女性は、また救急車に乗って、米軍に狙撃され傷ついた老人
を医院まで運び込んだ。この老人は自分の家の前で撃たれて倒れたのだが、
その妻と子供は、さらなる狙撃を恐れて外に出られないので、家の中から、
外で苦しんでいる老人に向かって泣き叫んでいたという。
病院に着いたときには、老人の体はすでに硬直していて、その傷口にハエ
がたかっていた。
状況はひどくなるばかりだ。米兵からは「掃討作戦」が始まるので待避せ
よとの警告も受けた。私たちはバスに乗せられるだけのイラク人負傷者を乗
せてバグダッドに向かうことにした。
帰りの路上では、もっと多くの米軍用車が「自由の戦士」たちに撃破され
て、黒煙をあげていた。
私がこのレポートで伝えられることは、ファルージャではマスコミが伝え
ているような「停戦」など履行されていないということだ。イラク人の女性
や子供が米狙撃兵によって、撃たれ続けているのだ。
ファルージャではすでに六百人が、アメリカの侵略により殺された。住民
は二つのサッカー競技場を集団墓地にして、次々と死体を葬っている。
そしていま、米軍は最大スケールの侵攻を再開しようと準備している。
四人の米国人警護員(実際は傭兵であり、住民に憎まれている非公式の戦闘
員)が殺されたので、その犯人を捕まえるためにという口実で、これらすべ
ての惨劇が起きているのである。
(抄訳・パンタ笛吹/TUPチーム)
http://www.antiwar.com/orig/jamail.php?articleid=2303
(訳者注・上記のURLで、記事にそった写真も見られます)
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◎まとめて仏ルモンド記事、米国務長官の発言記事、ドイツ・南ドイツ新聞記事を転
載します
========
17日の朝日新聞Webニュースに、以下の「ルモンド」に関する記事があります
> 「日本にも新世代育つ」 仏紙が3邦人の行動を弁護
>
> 17日付の仏紙ルモンドは評論欄の1ページを割き、イラクで3人の日本人が
> 人質になった事件に関するフィリップ・ポンス東京支局長の論評を掲載した。
>
> 「事件は、外国まで人助けに行こうという世代が日本に育っていることを世界に
> 示した」として、「無謀で無責任」と批判されている元人質を弁護している。
>
> 「日本、人道主義の勢い」と題した長文記事は「軽率で無邪気すぎるかもしれ
> ないが、ネクタイ・スーツ姿と夜遊びギャルの間に、激変する社会に積極的にか
> かわろうとする者がいることだけは分かった。彼らは自分なりに世界を変えたい
> と考えている」と、元人質の行動に理解を示す。
また「親の世代のように企業社会に服従することを拒み、新たな感受性を見つ
> けた若者たち」を束ねる「10万の非政府組織(NGO)」の活動にも注目。
「阪神大震災以降、人道・奉仕活動に身を投じる子供たちが増えている。日本人
> の人質たちは一つの象徴だ」と結論づけている。 (04/17 11:09)
TBSサイトに、以下の、米国務長官の発言記事があります
> http://news.tbs.co.jp/ 内の16日付け分より抜粋
>
> 米国務長官「3人を誇りに思うべき」
>
> アメリカのパウエル国務長官はJNNの単独インタビューに
> 応じ、人質となった3人について、「イラクの人々のために、
> 危険を冒して、現地入りする市民がいることを日本は誇りに思
> うべきだ」と語りました。
>
> JNNとの単独会見に応じたパウエル国務長官は3人が解放さ
> れたニュースを聞いて、「とても喜んでいます。日本人人質の
> ことを心配していたので、無事解放され、とてもうれしい」と
> 語りました。・・・・・・
>
> さらに日本の一部で、人質になった民間人に対して、「軽率だ、
> 自己責任をわきまえろ」などという批判が出ていることに対し
> て、「全ての人は危険地域に入るリスクを理解しなければなり
> ません。しかし、危険地域に入るリスクを誰も引き受けなくな
> れば、世界は前に進まなくなってしまう。彼らは自ら危険を引
> き受けているのです。ですから、私は日本の国民が進んで、良
> い目的のために身を呈したことをうれしく思います。日本人は
> 自ら行動した国民がいることを誇りに思うべきです。また、イ
> ラクに自衛隊を派遣したことも誇りに思うべきです。彼らは自
> ら危険を引き受けているのです。たとえ彼らが危険を冒したた
> めに人質になっても、それを責めてよいわけではありません。
> 私たちには安全回復のため、全力を尽くし、それに深い配慮を
> 払う義務があるのです。彼らは私たちの友人であり、隣人であ
> り、仲間なのです。」と述べています。
>
> パウエル国務長官のこの発言は自己責任論を強調する日本政府
> の見方とは著しい対照ぶりをみせています。アメリカ政府は有
> 志連合の結束に影響が出ることを警戒していますが、アメリカ
> 人、民間人をターゲットにした誘拐事件が今後も頻発すれば、
> 世論にも大きな影響が出るものとみられ、イラク情勢は予断を
> 許さない状況が続きそうです。(16日 16:26)
15日の「南ドイツ新聞」に、以下の記事がありました(翻訳としては17日受信)
> http://www1.jca.apc.org/aml/200404/39016.html
>
> 誘拐された日本人家族に口枷(くちかせ)
> ヘンリック・ボルク記者
>
> 東京発・だれがどのように彼らを黙らせてしまったのだろうか?
>
> 彼らイラクで誘拐されてた日本人の家族たちは、かれらの日本
> 政府に対する批判に、突然口を閉ざしてしまった。三日前には
> 家族たちは大声で日本軍のイラクからの撤退を要求していたの
> である。先の日曜日には、イラクで誘拐された34歳の高遠菜
> 穂子の妹の井上綾子は「私たちが最も望むのは撤兵によって
> (人質の)命が救われるようになることです」と述べていた。
> 高遠はイラクでストリートチルドレンを援助しようとしていた。
>
> イラクの誘拐犯は、ビデオで高遠とともに18歳の反戦派の今
> 井紀明と34歳のジャーナリスト郡山総一郎の喉元にナイフを、
> こめかみに銃口を突きつけて、日本政府が3日以内に550人
> の部隊をイラクから撤退させなければ、かれらを「生きたまま
> 焼き殺す」と脅迫した。日本の小泉純一郎首相はこれを拒否し
> ている。家族らは先の木曜日に人質劇が始まって以来、カメラ
> の前で泣きながら、まさにこの撤兵を訴えてきた。それにより
> 小泉には次第に圧力が強まっていた。
>
> ところが、数百人のレポーターが押し掛けた水曜日の記者会見
> では、すべての家族たちが目立って沈黙がちになっていた。フィ
> ナンシャルタイムスの記者の「あなたは小泉政府の人質対策に
> 満足していますか?」との問いに、「申し上げられません」と
> 18歳の人質の父親である今井隆志は答えた。南ドイツ新聞の
> 「あなたは日本政府の役人からあなたの批判を緩めるよう要求
> されたのですか?」との質問には「申し上げられません」。他
> の記者の「あなたはこれまでのように、イラクからの日本軍の
> 撤兵を要求しますか?」にも「申し上げられません」。さて、
> 東京の政界の観察筋では、日本政府の役人の人質の家族たちへ
> の「助言」があったのではなかろうかとの推定がなされている。
> その証拠はなにもないのだが、しかし家族らの畏縮(いしゅく)
> ぶりは見過ごせるものではない。「どうかみなさん、わたした
> ちの家族の命を危険にするかもしれない質問をしないでくださ
> い」と井上綾子は嘆願した。彼女は数日前には撤兵と小泉との
> 面会を公然と要求していたのである。 (訳・梶村)
◎自己責任論を展開していない(あるいはその観点自体を問題と
しない新聞社説)
──────────────────────────────
(自己責任論を展開していない社説・論説13本)
──────────────────────────────
■フリーの記者の行動には無謀との批判もある。しかし、イラ
クから社員である記者を退避させたテレビ局などが頼っている
のが、フリーの日本人記者たちだ。そんな状況を考えれば、彼
らの行動を単純に非常識だなどと切って捨てることはできない。
(朝日新聞)
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
■危険を承知で行動することに批判の余地はあるが、日本人が
標的とされないような政策と外交こそイラク国民が日本に求め
ているものではないか。(北海道新聞)
http://www.hokkaido-np.co.jp/php/kiji.php3?j=0032
■「最も正しき戦争よりも最も不正なる平和を取らん」と言っ
たのは、古代ローマの政治家キケロだ。至言である。(秋田魁
新報北斗星)
http://www.sakigake.co.jp/servlet/sknews.column.hokuto
■政府のODA戦略 イラク支援にみる矛盾(茨城新聞)
http://www.ibaraki-np.co.jp/serialization/ronsetu/page01.htm
■小泉首相は今回の事件を契機に、ブッシュ米政権に対してイ
ラク占領統治政策の転換を率直に助言すべきである。(新潟日
報)
http://www.niigata-nippo.co.jp/column/index.asp
■政府はイラク支援のあり方を再検討すべきだろう。旧フセイ
ン政権崩壊一年を経て、新しい局面に入ったとみるべきだから
だ。 (神戸新聞)
http://www.kobe-np.co.jp/shasetsu/index.html
■政府はブッシュ政権の強権策に自制を求めるとともに、引き
続き二人の安否確認に全力を挙げてほしい。(山陰中央新報)
http://www.sanin-chuo.co.jp/ronsetu/ronsetu.html
■日本政府は、米国に働きかけるなどして、これ以上の流血・
破壊を食い止めることだ。そのことをおいては、どんな「人道
支援」も意味をなさない。(愛媛新聞)
http://www.ehime-np.co.jp/shasetsu/
■わが国は完全武装の陸上部隊を引き揚げ、非政府組織(NG
O)を中心にした民間の復興支援プログラムに変えてもいい。
イラク特別措置法が規定する生活基盤の復旧、教育振興、医療
の充実など幅広い専門家を送り込む。実績次第では他国も同調
しようし、治安安定の近道になるはずだ。(宮崎日日新聞)
http://www.the-miyanichi.co.jp/news/index.php3?pt=4
■人質事件の背景には戦争の大義がないままイラクを攻撃、無
辜(むこ)の民間人にも多大な犠牲者を出し、その後も武力に
ものを言わせた米国の強権的な占領政策への反発があることは
間違いない。今後の国内外のテロの再発を食い止めるためにも
小泉首相は米国へ政策転換を迫ってはどうか。(佐賀新聞論説)
http://www.saga-s.co.jp/pub/ronsetu/index.html
■暴力の応酬、憎悪の連鎖を断ち切らなければならない。日本
は米国にイラクの現実を直視、自制するよう求めたい。(南日
本新聞)
http://www.373news.com/2000syasetu/syasetu.htm
■三人の解放はイラクと日本、両国民の「信頼」をかろうじて
守った。そこに、国家ではなく、個人の活動への尊重があった
ことの意味を考えたい。(沖縄タイムス)
http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20040416.html#no_1
■復興支援のために派遣されているはずの自衛隊がなぜ撤退を
要求されているのか。人質事件の根本的な原因を解くカギはこ
こにある。(琉球新報)
http://www.ryukyushimpo.co.jp/shasetu/shaindex.html
◎塾講師等教育分野に携わってきている細井と申します。
恰も,被害者を装い「自作自演」を企図していたかの如きメールの捏造-流布や,御家
族等への脅迫や悪質な嫌がらせ等卑怯な犯罪は無論,心無い批判や誹謗中傷には非常
にショックを覚え「本当に同じ日本人-人間なのか?」高潔な志や情熱,勇気,実行力を
持つ益々希少化の若者達をスポイルする企図-悪意の国家-組織的所業かと疑った程
で,これらは論外だろうが,何かと「有名」な週刊誌や(あまりよく知らない人達なら
兎も角)責任ある人々の内でも「自己責任」論等,一連の批判-苦言の続出(また3人の
帰国に先立ち,更に懸念されていた2人も無事解放との朗報)に触れて,私からも悲嘆と
憤怒の思いを込めて是非共1つ「苦言」を呈したい。
当初私は、最悪の事態を感知しての[責任逃れ]の布石で無い事を祈り,3人の解放時に
は「下衆の勘繰り」だったかと反省しつつホッとした.が改めて考えると,本当に杞憂
なのだろうか?昨日確認された2人についても(それ自体は非常に喜ばしい事だが)外務
省職員等が「解放に至った事情-経緯等を聴取している」程関知していなかったのだ
ろうし今なお消息未確認の人々について小泉政権は確り責任をもち続けているのだろ
うか?もし(イラクで無く欧米や)日本で同様の事件があっても矢張り同様の対応なの
か。明らかに,政府の成果というより他の尽力で解放された彼(女)等への個人攻撃等
に議論-話題を集中-矮小化し以後の「責任放棄-転嫁」の為の正当化を企図している
のでは無いか,との疑惑を改めて抱くに至った。
以下,私達がこの事件から本当に考えなければならないだろう「自己責任」について
の前に,今回の「拉致-誘拐被害者」達への「自己責任」論についての見解を述べる。
確かに「自由」には相当の「自己責任」は伴うものだろう。現在我々は,職業選択の
「自由」も,移動の「自由」も保証されている,という事になっている。外交官は無
論,(本来「国民の生命・財産及びその自由」を専守)自衛(する為の軍)隊(だ等の政府
与党の公式説明を信じて外国に進駐する事など全く想定外だった)にしても志願制で,
特に今回の要員は「皆自ら希望した者のみ」という発表だが,家族を含め重々危険を
承知での志願なのだから殺されても何があっても文句も泣き言も意見一切言う権利は
無い、という事なのだろうか?
「政府に責任が無い」等というのは「政府などは無意味,全く無用の長物だ」といっ
てるのと同様(に極論)ではないか。
(揚げ足をとる人もいるかも知れないので念の為付言するが)私は何も彼(女)等を「英
雄」に祀り上げ崇め奉れ等と言っているのではない。
然し,彼(女)等も御家族も既に充分以上の「自己責任」を負担し苦しんでいるのでは
ないでしょうか?
特別の権限も保障も無い1個人にこれ以上リスク負担を要求し被害に遭っても「自業
自得」寧ろ「心配-迷惑」掛けた「厄介者だ」等と非難-攻撃するなら,益々己さえよ
ければよい,己の事しか考えない人々が増える一方で無いかと心配される。(「表現・
報道の自由」や「国民の知(らされ)る権利」は勿論尊重されるべきだと思うが1個の
私人・特に被害者やその家族のプライヴァシーも矢張り尊重されるべきだし,何より
生命に関る問題は最大限に考慮されるべきであると思う。)
3人の思い(入れ決意,意気込みもそれぞれあろうし,この間の実状)等も憶測するしか
無いが,私だったらさぞや動転混乱するだろう。これ迄信じ献身的活動の中での1つの
結果,裏切られた様な事件-現実をどう受止め整理したらよいのか,また,日本やイラク
等想いも寄らぬ程多くの人々が救出に懸命になってくれた事に感謝感激する余りどん
な顔を出したらよいか困惑し,重圧の過大さに恐縮するだろう。勿論,即座に見殺しに
しようとした(挙句ヌケヌケと恩着せ誹謗している事を知ったら)小泉政権などに(一
言ならず文句は言いたいだろうが)無理矢理頭を下げさせられるなら死んだ方がマシ!
と思うかも知れない。
彼(女)等にそれを強要する圧力には厳重に抗議する。然しそれでも先ずは一旦帰国し
て欲しい。暫くは休養(になるどころか寧ろ過重な圧迫に苦悩するかも知れないが)、
彼(女)等の元気な顔,元気な声を待っている人々が日本にも大勢いるのだから。
元々「イラク戦争」にも「人道・復興支援」にも断固反対で自衛隊どころか外交官等
も全く居らず,政府として責任持ちたくても到底困難という中で,敢えて5人の日本人
だけが警告-禁制も無視して入国し,且つ彼(女)等だけが遭難したというなら話はまた
別かも知れないが,まず,3+2人(内,今井紀明氏は初めてかも知れないが)に限らず,自
衛隊派遣以前から,ボランティアや仕事で(射殺され真相・犯人等も未解明の2外交官
も含め)官民問わず多くの日本人が,「イラク人道・復興支援」の為に自らの身を張っ
て彼の地に渡り,そして(漸く落着いてきたかに見えた矢先,まさに不幸にも,丁度,今
月初頃からのサマワも含め各地での占領軍とそれへの抵抗運動との急転直下の戦闘激
化,これに巻込まれての一連の拉致誘拐だという事は首相以下も認めるところであり,
然しそうした危険判明後の)今もなお,懸命に奮闘されている。彼(女)等は決して,観
光や遊興の為でも,殺傷破壊等「御迷惑を掛ける」犯罪-(自衛隊も?含め)戦闘に参
加・協力する為に行っている訳でもなく,益して今回の5人は皆悲劇に見舞われても2
階級特進や特別補償がある訳でも,重武装防備で広大な宿営地の空調はじめ諸施設完
備の中にただ居るだけで日当3万円の他,衣食等(水すら自ら浄化した当地のを人々と
共にするので無く態々輸送取寄せているとの話もあり日本並の環境)も給与される様
な人々でも無く,極々限られた貴重な資金・時間,それこそ我が身を削る思いでこれ迄
も活動し渡海してきたの(遭難迄の詳細等は未だ不明だがこうした点は相当に配慮さ
れて然るべき)だろうし、事実,当地の情勢や自衛-戦闘について遙に熟知熟練し装備
も組織力等もある人々が既に多数「拉致誘拐」,殺傷等の危害に遭い,犠牲になってい
る。そして今後も情況次第では間違い無く続発,更に激化し,イラク以外へも拡大して
いく可能性が無いと否定-保証できる人がいるだろうか?
「国民の生命・財産,自由を守る事こそ,(「血税」や対外上公式代表権他広範な諸特
権を信託委任されている)政府の最も重要且つ基本的な責任-義務」(等と声高に叫ん
で有事法制等の整備を強行してきたのは当の政府与党)であり,決してお情けや恩恵で
は無い筈だ。<音無しく言う事に従い,泣いて縋るなら厭々乍援けてやる,迷惑掛け面
倒みてやるんだから異論反論などとんでもない>といった態度はそれこそとんでもな
い勘違いも甚だしい。
/「退避勧告」を出すだけなら莫大な予算も人員、特権も要らない。それこそアル
ジャジーラや現地の聖俗有力者等事情通に問合せた方が余程情報も保証も多大-精確
で信頼できる事が今回ハッキリしたろう。
/「解放迄の必要経費を計算する」というなら自衛隊進駐費用(対効果)等も並べて頂
きたい。自衛隊が悲劇に遭った時「私が身代りになるからどうか助けてあげて」と
言ってくれるイラク人が果してどれ位出るだろうか?安全確保に一体どれだけの費用-
労力を要するのか。今回の「拉致-誘拐」事件以前-無関係に,サマワのCPA等迄迫
撃砲弾等を受けて基地の中に引篭り、この間給水活動どころか碌な交流も何もしてお
らず日々貴重な「血税」による資金-物資-時間を浪費していただけでは無いか?危険
で「人道-復興支援」の目的を果せないならば考え直すべきでは無いか。
益してや,元々イラク戦争を支持し自衛隊を派遣するに当って,ブッシュ政権が強硬に
推し進める「テロとの戦い」に日本全体が巻込まれ危害に見舞われる惧れは散々指摘
-懸念されてきており,それらに対し「危機管理」「安全保障」,或は「アラブ・イス
ラム情勢」の専門家だと称し,俺達はよく解っているんだ、また「米軍等の戦争に参
加するのでは無い、世界平和,イラクで苦しむ人々への人道・復興支援の為に貢献す
るのだ」と押し切り「政治生命」を懸けて踏出した政府与党の人々が,イザ,事件が起
こ(り,奥・井ノ上両外交官殉職の時点で既に明らかだったが,殆ど即死状態でもあり
多分に御遺族への圧迫等で見事な迄に収拾,逆に「派兵」へ利用出来たのと異なり,手
に負えなくな)るや,「自己責任」だ等と,今更何を言っているのか?今回の事件で
(「危機管理-対応,安全保障」や現地における情勢把握,信頼・協力関係の損失分以
上に必要な補強-再構築等、何ら有効な機能どころか準備すら出来ておらず、少なく
と)も実際前半はブッシュ政権頼みで,然しそのブッシュ政権も他人事に構う余裕も
無く,寧ろ泣きつきたい窮状にある事が露呈した。日本を始め世界中に日本人は居る
が,危害が及んでも皆「自己責任」で我々は関知しない,迷惑掛けるなとでもいうのだ
ろうか?もしそうなら,直ちに皆辞職し,改めて公表・明言した上で「進駐」の是非を
含め国民の信を問うべきだ。
最初の犯行声明後,厳しい選択-決断を迫られて小泉首相は「自分だけの問題などで無
い、日本国全体の問題だから」「政府の全力を挙げて救出-解放する」等と宣言し
た。が実際は凡そ程遠いものだった。早々に「自衛隊の撤退しない」と表明し,相次
いで駆けつけた当のブッシュ政権の<右>腕等には頭を撫でられ満面の笑みを浮かべ
乍,目と鼻の先に滞在し毎日寸暇を惜しみ乍も面会を求めて訪ねる御家族に今だに1秒
も逢おうとせず,遂にその理由を質されて「悪影響も危惧され」等と答えを濁し(た
が,犯人側との交渉上というなら既に散々喧伝している様に「毅然と」応接すればい
いだろうに,部下や番記者等と違いコントロール下に置けない御家族に言質をとられ
最悪の事態に至った場合の世論への「悪影響」にこそ兢々としたのだろう)、環境相
はヘラヘラし乍「5人のアラブ人に道を尋ねると皆違う事を言う」等と(例え彼女が知
るアラブ人がそうであったとしても)この時期公式の場・プレスの前で吹聴すべき事
なのか(日本人だって閣-官僚のみならず平気で嘘をつく事も知ったかぶりする事も,
善意でも間違える事も幾らでもあり,5人から偶々間違った道を聴いたと思った外国の
現職の大臣が逆にそのような事を公言吹聴して回ったら日本人はどう感じるだろう?
犯行グループは無論少しでも協力して貰うべき折角のアラブの知人達迄協力させ難い
情況に追込むのでは無いか)?また,「24h以内に解放する」との情報(も本当に犯行
グループのものかすら確認もしない侭)直後,政府や第一党等与党の幹部、アラブ・イ
スラム情勢や危機管理の「専門家」としてTV始め公共の場で発言する者達が,「要求
を即一蹴したのが成功の鍵」等と自慢げに(一部はなお)言立てて回っているが,今に
なってはハッキリ(彼等が何らの貢献どころか情況自体掴めておらず如何に知ったか
振りをしていたかも,「声明文」が本物なら尚更)全く正反対である事も明らかだ。イ
タリアも同様だったが結果「拉致被害者」は処刑されてしまった.両者の違いは「被
害者」当人達自身の問題で前者が「イラク戦争」占領-自国の派兵等にも批判的で以
前から熱心に本当にイラクの人々の為に尽力していた(が然し犯人側に伝わらなくて
は無意味で,同じくイラクへの「人道・復興支援」に乗出している政府与党は然し何
故かそれを積極的に伝えるというより寧ろ隠蔽しがちで,結局は親近者のみならず,ま
さに「寝食を削って」懸命に声をあげた内外一般個々人の努力ー連携でイラク,中で
も自分達の身命すら脅かされているファルージャの人々すらも驚く程知らされ「解放
せよ」と声を上げ終いには「安全確保」の朗報を共に歓迎した)のに対し後者は同じ
民間人ながら米占領軍の下請警備「手先」視された事にある。流石に無理があると自
覚していたのか,解放予告期限後も確認できず行詰るや「いたずらに混乱を招く」と
いう名目で「取材に応じない」という情報統制を(閣議で申合せ)宣言したが,その責
任は極めて重大だろう。
勿論世論に押された事もあり,外務省の担当部局等極一部は躍起だったたろうが,到
底,公人として「非常識,無思慮,不注意,無責任」等(と,被害者達を批判する)見識-資
格の欠片も無い冷酷で無神経極まる挑発的な言行の数々が,当然に,現地へ伝えられ,
交渉(の余地自体)も(仲介-協力の独自ルートも殆ど無かったのだろうし)実際ま
さかこれ程とは思わず驚嘆した程役立たず,結局頼みのメディア等からの諸情報をも
整理・確認できず「いたずらに混乱」したのだろう。慌てて自粛したようだが遂に改
めるには至らなかった。代りに打出し始めたのが所謂「自己責任」論だろう。
以上,見てきて、「拉致-誘拐被害者」達に対し,「政府与党等がまさに一丸となっ
て」冷酷に対応したからこそ,無事解放されたのだ,等といった苦し紛れの詭弁は,
「解放に至る事情-経緯を(全く把握出来ておらず,聖職者協会からの連絡で外務省職
員が慌てて迎えに馳せ参じ)聴取」等(のついでに,或は御家族を介しての圧力-説得
下,如何に取繕おうとも)凡そ成立たない事は最早明白ではないか。
彼(女)等の(「自己責任」追及という)個人(攻撃で御家族等関係者への圧迫にも利用
し)問題にされているが,改めて問いたい。現在なお消息不明の方々や他の(ボラン
ティアン・ジャーナリストから外交官,自衛隊迄の)在イラク,或は世界中に散在する
邦人だったらどうなのか?更には国内で起きたら?そして相手が(素顔等も見せられず)
「解放引渡し」を前提にする面倒な「拉致監禁」等の手間(余裕も無くなる等)省き
「要求」を呑む迄,本当に「テロ」即殺傷攻撃を始めたら?それでも「自己責任」、
「被害者」個人の失点等を根掘り葉掘り探し回り論い無理にでも捏造,無関係の事迄
指弾し「生贄」になっても当然-仕方ない「奴」だ等という論陣を張る事に奔走する
のだろうか?
戦時中,或は戦後も「外交上の配慮」といった諸国策の下,多くの(外国人は言うに及
ばず)自国民すらも否応無く(例え明瞭な証拠があってさえ何十年も平然と隠蔽黙殺放
置され続けた,核兵器や北朝鮮の「拉致」等々国家的犯罪の)犠牲になった事が既に多
く明らかになっている。現政府与党が「自衛隊進駐」に固執する限り「見殺し」にし
非難を逸らす為の理論武装-正当化に傾注するのだろう。だとすれば益々「やられた
被害者」が「間抜け」,私達は常にビクビクし他人を皆疑い挙句武装防備すら必携し
ながら窮屈-不自由に生活して当然という事になるのでは無いか。
私達が今(回の事件を教訓に)此処で考え議論,そして選択-決断すべき事はまさにこれ
からの自分達1人1人に跳ね返ってくる(まさに「自業自得」となる)問題だろう。
今回無事「解放」されまたその朗報をイラクや米国含む世界中の心ある人々と共に歓
迎できた事等明るい希望も見えた反面,今後の日米政権の対応如何で逆方向へ転落し
この「悲劇」が拡大発展していきかねない岐路に立っているのだろう。
振返れば、あの「9・11」、世界中が驚愕-同情し,(「我々に従うか、テロリストの
仲間か」といった二択設問、独善-専断,強引なブッシュ氏の手法自体には,新たな悲
劇を拡大するのではと懸念-批判をし乍も)アフガニスタン侵攻迄は殆どの国が諒解-
承認はした。が,戦う意思も手段も皆無の人々迄「無差別」に虐待し「大量殺戮-破
壊」しメチャクチャにした挙句,肝心の「標的-首謀者」と決め付けていた「ビン・ラ
ディン氏」も一向に捕捉できないまま,今度はイラクが亡命-潜伏先として隠匿,少な
くとも「アルカイダ」と関連がある、といい,それには流石に無理があると否定され
ると、「大量破壊兵器」保持-秘蔵の嫌疑を言い立て,国連-査察機関等を圧迫し続け
遂に(主任官に選任された米国人ですら既にその無茶苦茶さを指弾し,仏独露中等多く
の国々)NATO-UNの承認も得られぬ侭、一方的に先制侵攻-占領。己の非は一顧だにせ
ず,「敵-テロ」を惹起-生み出し増やし続けるブッシュ政権に引きずられる米英等,そ
して日本。いつ迄「追随-盲従」しそのメチャクチャに破壊した後始末を只管して回
り続けるのか?カネ,そして汗(もムザムザ見殺しにするより益しだし、本来,戦犯者に
求めるべきだが批判1つ出来ぬ政府与党が特にアフガン・イラクについては大きな
ハードルを次々と踏越え「支持-協力」した以上その責務でもあろうが,)血迄捧げ,或
は直接殺し合いに没入し一般人-後々迄テロに怯え自ら首を絞め不自由になっていく
事を望むのか?そうなってしまってから撤退する方がそれこそ「テロに屈し」た事に
もなり,ダメージも大きく,より困難なのでは無いか?それ以前に果して戻れるのだろ
うか?だからといって泥沼に全身填り込む迄突き進むのか?
それとも「大事な友人」として「貴方は確かに一番強く豊かであり,羨望-嫉妬もされ
るが,尊敬でなく嫌悪されるのは決して羨望-嫉妬ばかりでは無い。自分だけは皆の
ルール、貴方自身が他に押付けるルールをすら守らない。そのやり方では自ら,大切
な仲間も含め自他共に不幸-悲劇に追い遣っていくばかりだよ」と忠告-諌止し「私達
も協力するから皆が納得し幸せになれるルールをつくり直そう」と説得し続けるか。
手足は汚れたがまだ填っておらず引返せる今,一人一人が考え選択し行動しなければ
ならない。
今回の「拉致ー誘拐被害者」達を「日本にも新世代登場」と評した仏紙、日本での非
難に対し「とんでも無い!日本人は誇りに思うべきだ!」と(国際協調派の)パウエル
(氏とはいえ外国それも当の侵略-占領元凶たるブッシュ政権の一翼担う)米国務長官
に一喝された小泉政権以下の方々は是非共反省すべきだろう。此は「主人公はお上か
国民かの違い」だといった指摘がある.確かに米軍-ブッシュ政権は自国民含め人命を
あまりに軽んじている反面,盛んに「英雄」を演出する,それも世論を(操作する手段
としても)重視するがゆえともいえるだろうが加えてブッシュ政権やそのイラク政策
への支持率低下が伝えられる米国世論の変化も一因に挙げられ,ブレア英首相との会
談後,イラク暫定政権づくりに当り改めて,国連関与を要望した「ブラヒミ提案を歓迎
する」と表明.ここ迄は概ね既定の方針で充分予期され問題は寧ろ今後実際遂行・具
体的な中身の如何だろうが明るい方向へ転換する可能性も秘めている。同じ「後塵を
拝する」にせよこれは積極的に追随応援すべき事だろう。
政府与党関係者は,またも世界の動向に逆行「半周遅れ」置いてきぼりにならぬよう
確り<頭>を切換えて頂きたい。先ずは一連の「自己責任」論等の批判を直ちに撤回・
陳謝し今後厳に戒め,寧ろ彼(女)等のような若者達の活動をサポートする形での「人
道・復興支援」に尽力して頂きたい(もし出来ないというならそれこそ此以上「御迷
惑」を掛けない内に早々と全員辞職すべきである)と重ねて要望する。
(最後になりましたが,以上は,3人の解放以前に別題で流したものに加筆補整した為重
複長文に及び且つBCCでの失礼を深くお詫び申し上げます。)御一考頂ければ幸いに存
じます。
◎今回、私の気持ちを暗くさせるのは、ご本人やご家族に対する誹謗
中傷が行われ「自作自演説」がネットを中心に流布されたことです。
この「自作自演説」の「根拠」を検証するページがありました。
http://www.creative.co.jp/top/main1289.html
これをご覧いただければ、如何に根拠薄弱であるかが分かります。
この「自作自演説」の情報源が、実は総理官邸であるという記事が
次の3誌で取り上げられています。
●週刊文春4月22日号P28〜29 「自作自演ではないか」との疑念
●週刊新潮4月22日号P34〜35 「官邸」にまで達していた「自作自演情報」
●FRIDAY 4/30 P10〜11
小泉&官邸「許されざる家族への暴言!」オフレコ言行録
週刊新潮によると、警察庁から出向中の小野次郎首相秘書官と飯島
勲秘書官との間で、当初から自作自演の可能性が話し合われていた
とのこと。週刊新潮ですら「被害者に対して失敬な憶測」と評して
います。
週刊文春によると、事件発生当夜「自作自演」の疑念が官邸で蔓延し、
事件翌日、疑念を裏付ける証拠のごとくネット上に飛びかった書き込み
が「捏造物」だったことが明らかになった後も疑念は根強く残り、この
ために初動が遅れたことは否めないと官邸記者が語っているそうです。
FRIDAYでは、小泉首相の側近や公安担当部門が、記者たちに「調べて
みろ」と圧力をかけていた形跡があるという全国紙政治部記者の発言
を紹介しています。
官邸が自作自演説を流していたとは、驚きを通り越してしまいます。
だから、事件直後に「自衛隊は撤退せず」という発言が政府首脳から
自信をもって飛び出したのでしょうか。政府首脳の発言を聞いたご家族
の気持ちになれば、記者会見で感情的になったり、自衛隊撤退を訴える
ことを非難できないと思いますが。
◎16日付の読売新聞の記事を読みながら書いています。
部分引用になりますがお許しください。
>国民に「自己責任」を求めるべきだとの意見が改めて強まっている。
*国民の誰もが無事解放されることを願っているときに
この意見を持ち出してきたのはマスコミではないでしょうか?
さらに言えばこのような記事が書かれ始めたのと
チエイニー副大統領の来日とが妙に符合しているような気がしてなりません。
>今回解放された3人と、新たに拉致されたとされる2人は退避勧告を無視してイラ
ク入りした。その行動を止められなかった3人の家族は、人質救出を優先して自衛隊
の撤退を政府に求めた。こうした行動や要求を疑問視する声が、政府や与野党内に少
なくない。
*拉致された五人は物見遊山や好奇心でイラクに出かけのではないことは明白です。
五人とも経験も積み、イラクの実情も熟知した上で、彼らにしかできない仕事を
果たしに出かけたのです。
その行動や勇気をどうして疑問視しなければならないのでしょうか。
イラクをこのようにした確信犯である与党諸兄には言わずもがなですが
自衛隊派兵に反対した民主党のなかにこのような発言をする議員がいることには
落胆せざるをえません。
>自民党の安倍幹事長は15日夜、記者団に対し「イラクにとどまっている人たちは
1日も早く出ていただきたいし、入ろうとしている人たちもぜひイラクに入るのはや
めていただきたい。自衛隊にまかせるべきだ」と述べた。
*全てを自衛隊に任せてしまえば政府だけでなく私たち全員がアメリカに荷担し
この侵略戦争を支援することになります。これこそ政府の思う壺です。
このような状況を作るべく今後政府が躍起になってくることは明白です。
ちょうど都合よく国会では有事関連法案の審議が始まりました。
今回のイラク派兵はこれらの法案のサンプルを得るための格好の機会です。
私たちは自分たちの首を占める縄をなうために、
税金をせっせと支払っているわけですね。
>平沼赳夫・前経済産業相が「自己完結型の自衛隊が行くのも危険だから行くなと言
っている親が、未成年の自分の子供を止めることができないで、ああいう戦地に行か
せてしまう。これはやっぱりおかしい」と批判している。
*笑い話にもならないほど語るに落ちてます。
自衛隊は戦地ではなく、非戦闘地帯に派遣する・したと
口を酸っぱく繰り返しているのは川口・石破両大臣です。
それなのに前閣僚が「危険な戦地」だと言い放つ。末世ですね。
この不条理に取材記者は詰問もせずに記事にする。
法を無視するのは小泉首相だけではなく自民党そのものの体質のようです。
奢る平家・自民党なら一切の法を無視しても許されるとでも言うのでしょうか?
>自民党内からは「渡航禁止といった法体系も検討しなければならないのではない
か」(額賀政調会長)
*強制力のない退避勧告ではなく渡航禁止令を制定する。
勿論憲法が保障する「移動の自由」に違反するわけですが
このネガティブキャンペーンが成功すれば簡単に制定されてしまうでしょう。
今イラクで取材されてるジャーナリストのみなさんは私達の目であり耳です。
大方のサラリーマン記者は防衛庁発行の許可書という鎖で繋がれる代わりに
自衛隊に安全を守ってもらって御用記事を書くか、
某対策会議と同じに遥かはなれた隣国から
さも現地にいるかのごとく作文した記事を書くかです。
こんな目や耳ならない方がまだましです。
そいうなかで本当に現地の様子を伝えてくれるのが
勇気ある彼らフリージャーナリストの皆さんです。
民間NGOの方たちは自衛隊が来るズ~ット前から
自衛隊ができるよりもっと大きな支援活動を
イラクの人達の中に入って続けてこられました。
多くの方が言ってらっしゃるように
NGOが自衛隊の邪魔をしているのではなく
自衛隊がNGOの活動を妨げに私達の税金を使ってイラクへ行ったのです。
政府宣伝の給水能力にしてもNGOは自衛隊の12~25倍の実績を挙げていました。
●本当に人道支援が必要だと政府が考えるなら、自衛隊を派兵するのではなく
現地で活動する民間NGOにこそ、物資・資金・人材の援助をするべきでした。
490億円も使えば、それこそスンニ派にも大感謝されていたことでしょう。
●今回のネガティブキャンペーンが有事諸法案の一環として渡航禁止令を作り、
政府検閲済みの報道しかさせないようにすること、そしてNGOが政府の意向に
反して自発的に活動できないように管理下に置く事にあると思えます。
今回の拉致事件でいちばん利益を得るのは日本政府のようです。
◎宗教者委のアルクベイシ師、自衛隊派遣への不満伝える
イラクで拘束された日本人のフリージャーナリストら2人の解放を武装グループに
呼びかけたイスラム宗教者委員会のアブドルサラム・アルクベイシ師は17日、日本
の上村司・駐イラク臨時代理大使に対し、自衛隊派遣への不満を伝えた。ロイターテ
レビが報じた。
外務省によると、上村代理大使は17日夕、解放された2人を迎えに行ったバグ
ダッド市内の同委員会事務所で、15日の3人の日本人の解放への努力について感謝
する川口外相名のメッセージをアルクベイシ師に伝えた。ロイターテレビによると、
この時に同師は感謝の意を表したうえで、「私たちは日本国民ではなく日本政府を責
めているのです。自衛隊をイラクに派遣したことで憲法に反する行動をとったからで
す」と話したという。
(04/17 23:36)
◎家族支え、奮闘1週間〈北海道東京事務所発〉
応援7人、24時間態勢
イラクの人質事件で、3人の家族たちが東京での活動拠点にしていたのが、千代田区
永田町にある北海道東京事務所だった。この1週間、日ごろは閑静なビルに全国の注
目が集まった。
●解放、「疲れ消えた」
15日午後8時43分、事務所4階。「3人解放」の一報に家族の控室から歓声と
悲鳴があがった。
「本当であってほしい。違っていたら非情すぎる」。家族の世話をしてきた道職員
たちも、家族とともに祈り続けた。待つこと約20分。外務省から正式に「解放」の
連絡があった。疲れが吹き飛んだ瞬間だった。
鉄筋コンクリート地上4階、地下2階建て約1870平方メートルの東京事務所
は、1963年に建てられた。国会や首相官邸、自民党本部などが集まる一等地にあ
る。
多くの自治体が事務所を置く「都道府県会館」の1県あたりの広さと比べ、7倍以
上の余裕がある。道庁の出先機関として、中央省庁との連絡や企業誘致、観光PRの
役割を担う。職員は32人。これまでは人の出入りも少なかった。
そんな事務所が、高遠菜穂子さんと今井紀明さんの家族が北海道から上京した9日
以降、一変した。事務所では札幌の本庁から応援を7人呼び、24時間態勢をとっ
た。
郡山総一郎さんの家族が住む宮崎県も9日、宮崎県東京事務所長と職員1人が、北
海道東京事務所に駆けつけた。
宮崎県の職員は1日3交代で北海道の事務所に3、4人が詰めた。郡山さんの家族
に女性職員らが付き、宮崎の言葉で地元の話題を話した。
しかし、北海道や宮崎県が、家族をめぐるすべての活動を支援したわけではない。
13日夜に支援者たちがJR渋谷駅前で集めたメッセージを、事務所内で家族に手
渡そうとした。メッセージには「いのちはたった一つだけ」「自衛隊が撤退するのが
イラクの平和」などと書いてあった。
政治的な場に使われるとして、事務所側は「施設内での受け渡しはやめてほしい」
と家族側に要請し、事務所内での受け渡しはなかった。
北海道も宮崎県も、事件の第一報の直後、知事が「ご家族をできる限り支えるよう
に」と異例の指示を出していた。
東京事務所の職員らは当初、「聞いたこともない仕事だ」と驚いたが、打ち合わせ
をする暇もなく対応に奔走してきた。
この間、道庁や県庁には「よくやっている」「がんばってほしい」と熱心な姿勢を
評価する声が寄せられた。
●仕事、道民のため 「特定の人に便宜」批判も
一方で冷ややかな意見や批判もあった。「なぜ事務所を使わせるのか」「特定の人
への便宜供与はおかしい」という電話があった。
「道民や県民のための仕事なのに、なぜそんなことを言うのか」。ある道職員はこ
んな気持ちをのみ込んだ。
政治家からも疑問を呈する声が出された。
麻生総務相は13日の会見で「イラクの話を北海道東京事務所でやってる。不思議
と思わない?」と不満げに話した。
家族への批判や中傷が続く中、事務所の関係者らは「自分たちがもっと支えなくて
は」と意を強くしたという。家族たちと交わす言葉に励ましが増えていった。
解放後、15日深夜の記者会見。謝罪と喜びの声が相次ぐ中、家族の支援者の一人
が「右も左もわからない中、北海道東京事務所の方々の協力なしにはここまでこられ
なかった」と感謝を述べた。
聞いていた職員は「その一言だけで十分。道民である家族の方々にも喜んでもらえ
た。やりがいがあった仕事だった」と話した。 (04/17 12:11)
◎「日本政府は解放望まず」 クバイシ師が痛烈批判(共同 2004/4/18)
http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/kokusai/20040418/20040418a3910.html
【バグダッド17日共同】
イラクで拉致された日本人解放に貢献したイラク・イスラム聖職者協会の
クバイシ師は17日、高遠菜穂子さん(34)ら3人の解放の際に川口順子
外相が同協会に言及しなかったことに触れ「日本政府は人質が解放されず、
日本人が誘拐されたり、殺されたりした方がいいと思っているはずだ」など
と痛烈に批判した。
同師は「日本政府は(事件を)イラクでの自衛隊駐留を正当化する口実に
したがっている」などとした上で「多くの日本人が自衛隊駐留に反対しているのに、
日本の外相が日本人の望みを感じようとしないことに心が痛む」と述べた。
同師は、17日に日本大使館職員から、人質解放への感謝と、外相が聖職者協会に
言及しなかったことを謝罪する書簡を受け取ったとしている。
◎今回のイラクで武装抵抗勢力によって拘
束された5人が解放された出来事ほど国家、あるいは国境を越えた
民衆同士の連帯の可能性を感じさせてくれたこと、勇気づけられた
ことはありません。
私は一時期、デモで「第三世界の民衆と連帯して闘うぞ!」とシ
ュプレヒコールをあげていたことがあります。その「連帯」の内実
となると、きわめてあやふやであることに気づき、ある時から「〜
の民衆と連帯して闘うぞ!」というシュプレヒコールをあげなくな
りました。しかし今回ほど私たち日本の人間に対する中東の人たち
の信義、信頼、絆を感じたことはありません。その信義に私たちは
応えなければなりません。イラクで女性や子どもなどの一般の人た
ちを虐殺している米軍、そして兵士や武器を輸送することで米軍の
イラク侵略に協力している自衛隊をイラクから撤退させるよう声を
あげていきましょう!
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<イラク人質解放>政治力強める聖職者協会
イラクで拘束された日本人2人は17日、犯人グループから連絡が入ったイスラム教スンニ派の「イラク・イスラム聖職者協会」幹部のアブドルサラム・クバイシ師によって身柄を保護された。クバイシ師と同協会は日本人人質事件の3人をはじめ、ほかの外国人事件でも仲介役となったことで、イラクでの政治的立場を強めることになりそうだ。一方、同協会が反米闘争の急先ぽうであることから、人質解放に対して謝意を示したい日本政府の本音は複雑なようだ。【バグダッド小倉孝保】
◇日本政府の本音は複雑
クバイシ師の活躍は、シーア派指導者の勢力台頭と合わせイラクでの宗教勢力の伸長を象徴する出来事とも言える。行政の主役であるはずのイラク統治評議会は影を潜め、米英占領当局(CPA)が進める統治体制は崩壊の危機にひんしているからだ。
「イラク統治評議会は米軍と宗教界という二つのナイフで切り刻まれようとしている」。最近のイラク紙では、人質事件でのスンニ派指導部の活躍や、シーア派強硬派のムクタダ・サドル師の支持増大に比べ、統治評議会が機能不全に陥っていると分析する論調が目立つ。
人質事件が相次ぐ前は、クバイシ師も聖職者協会もイラクでそれほど知られた存在ではなかった。しかし、中国人、ロシア人、フランス人に続き、今回日本人の人質を解放させ、知名度は国内のみならず世界的に上がった。
一方の統治評議会は、今月5日から米軍がファルージャへ猛攻を仕掛けた際も、手をこまぬいていただけだった。その後、統治評議会メンバーが米軍と地元武装勢力との間で停戦交渉に乗り出したものの、事態は好転せず、最近、やはり聖職者協会が直接介入を始めた。
クバイシ師ら聖職者協会の狙いは、はっきりしない。同協会はスンニ派の中でも反米的な組織として知られ、同師本人も舌ぽう鋭く米国を批判する。協会そのものが武装勢力に極めて近く、いわば「政治部門」と「軍事部門」の関係にあるのでは、との憶測もある。
クバイシ師は人質解放に貢献すると同時に、反米的なメッセージを広報し、国内で注目を集めている。それはイラクで多数派のシーア派に対抗する戦術の一つとも受け取れる。
昨年7月、CPAが元亡命イラク人を中心に設立した統治評議会だが、「米国追従」「よそ者による統治」と国民から不満は絶えない。統治評議会への支持が急落する一方、国民の期待は宗教勢力に集まり始めており、クバイシ師は確実にその流れに乗っている。
◇反米に同調の犯行
日本人2人を解放した犯人グループは、人質にメッセージを託して「反米英」と「自衛隊の撤退」などを訴えた。最終的にイスラム教スンニ派の聖職者指導部と接触したことから、スンニ派の反米武装勢力の一部の可能性が強まっている。
安田純平さんら2人が拘束されたのは、バグダッド郊外のアブガリブで、スンニ派住民が反米武装闘争を繰り返すファルージャと近い。アブガリブにもスンニ派の過激派組織が存在することが分かっており、ファルージャの反米勢力に同調する形で安田さんらを誘拐したのでは、とみられている。
ただ、拘束中に犯行声明を出しておらず、自衛隊の撤退要求を出した日本人人質事件の犯人グループとみられる「サラヤ・アルムジャヒディン」などファルージャ系の武装組織とは一線を画すとの見方もある。
聖職者協会は最近、「米軍に関係のない市民の人質を解放すべきだ」と唱えていた。(毎日新聞)
[4月18日3時58分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040418-00000128-mai-pol
渡航自粛強く勧告=「自己責任」に言及−邦人解放で川口外相談話
政府は17日夜、バグダッドで日本人2人を無事保護したことを受け、川口順子外相が談話を発表し、外国人を狙った人質事件が頻発しているイラクへの渡航自粛を強く勧告した。「自らの安全は自ら責任を持つとの自覚をもって、自らの行動を律するよう改めて強く求める」と、自己責任に触れる異例の内容となった。
イラク国内で日本人を拘束する事件が再発する事態を強く懸念したものだ。政府は再発防止のためにも2人を早期に帰国させ、詳しく事情を聴取したい考え。
武装勢力の人質となった3人が15日に解放されたのに続き、2人を無事保護したことで、イラク国内での日本人の「行方不明者」はいない状況となった。これに伴い、外務省はヨルダンのアンマンに設置した現地対策本部への田中和徳政務官の派遣を取りやめた。ただ、対策本部は当面、存続させる。 (時事通信)
[4月18日1時2分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040418-00000382-jij-pol
<イラク人質解放>安田さん20日に帰国 父親が謝意
イラクのバグダッド郊外で行方が分からなくなっていたフリージャーナリスト、安田純平さん(30)=埼玉県入間市=の父、英昭さん(64)は解放から一夜明けた18日朝、「(安田さんは)アンマンからモスクワに行き、20日午前10時に成田に着く」と、外務省から連絡があったことを明かした。自宅前で記者会見に応じた。
スーツ姿で現れた英昭さんは「改めて政府、外務省、イラクのみな様、各関係者、多くの方のお力添えでうれしい結果を迎えられ、本当にありがとうございました。多大なご迷惑をかけたことを深くお詫びします」と、やや硬い表情で頭を下げた。
成田空港には母幸子さん(60)と2人で出迎えに行く予定で、「体の具合はどうかと聞きます。多大なご迷惑をかけ、救っていただいたのだから、まずその辺を話して聞かせます」といい、幸子さんも「感謝の気持ちを持ってもらいたいと言いたいです」と続けた。
昨晩は「いろいろなことを考え、眠れませんでした」(英昭さん)という。数え切れないほど祝福の連絡が入り、幸子さんも「みな様に支えられてうれしく思い、眠れませんでした」と話した。
安田さんがもう一度イラクに行きたいと言った場合どうするか、との質問に、英昭さんは「とんでもない、やめろと言います」と即座に答え、「仕事をするのなら、みな様に迷惑をかけないことが第一です」と話した。両親は18日、自宅に待機して外務省などからの連絡を待ち、後日、各方面へお礼にあがる予定という。【高本耕太、和田憲二】(毎日新聞)
[4月18日11時53分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040418-00001015-mai-soci
<イラク人質解放>3人が羽田に到着 会見には出席せず
イラク日本人人質事件で15日に解放された高遠菜穂子さん(34)、郡山総一郎さん(32)、今井紀明さん(18)は18日夕、民間機で関西空港に帰国した。3人は国内便に乗り換えて同日夜、東京・羽田空港に到着した。
同行した弁護士は同日夜、都内のホテルで行われる記者会見には、本人たちは出席しないと表明した。弁護士からの連絡によると、ドバイの医師が「3人はPTSD(心的外傷後ストレス障害)で、記者らと面会せず、安静と休養が必要」と診断したという。
関西空港に到着した3人は、表情が硬く、報道陣の問いかけにも一切応じなかった。
3人はバグダッドで解放後、アラブ首長国連邦のドバイに移って病院で検査を受けた。帰国には、現地緊急対策本部長の逢沢一郎副外相のほか、ドバイまで出迎えた高遠さんの弟修一さん(33)と今井さんの兄洋介さん(23)らが付き添った。
外務省は今後、事件の状況について3人から事情を聴く。また、警視庁と北海道警の合同捜査班も事件解明を目指して本格的な事情聴取を行う。【照山哲史】
■ことば PTSD(心的外傷後ストレス障害)とASD(急性ストレス障害) 犯罪や災害など非日常的な体験から、心にダメージを受けて発症する精神障害。発症直後は、ASDとされ、症状が1カ月以上続くとPTSDと診断される。どちらも不眠や食欲不振、情緒不安定のほか、被災時の感覚や光景、恐怖体験がよみがえる「フラッシュバック」などの症状がある。(毎日新聞)
[4月18日23時43分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040419-00000067-mai-soci
<イラク人質解放>3人帰国 複雑な事情が見え隠れ
イラクで人質となり、解放された3人が18日、帰国した。空港などで外務省職員らにガードされた3人の表情は硬く、ストレス障害を理由に欠席した記者会見では、「迷惑をかけました」とのメッセージを母親らに託した。それでも、二転三転する情報に翻弄(ほんろう)され、一部の批判にさらされてきた家族らは、無事を確認し合い、安堵(あんど)した。
アラブ首長国連邦(UAE)の首都・ドバイの病院を出てから羽田空港到着までの13時間余、さらに到着後も3人は終始無言だった。
午前6時半(現地時間同1時半)ごろ、3人は家族や外務省職員に囲まれてドバイの病院を出てきた。高遠菜穂子さん(34)、今井紀明さん(18)は顔をふせ、郡山総一郎さん(32)は正面をまっすぐ見た。報道陣の質問には答えない。
3人や家族らは車数台に乗り込み、パトカーに先導された。ドバイ国際空港で、車列はUAEのエミレーツ機に横付けされ、3人は最後部から搭乗した。機内では最後尾に一列に着席。その前の数列は空席にされ、外務省職員と客室乗務員が厳重に包囲して、同じ便に乗っている報道陣の取材をシャットアウトした。
外務省によると、3人の周辺の空席は機長の判断で設けられ、外務省が費用を負担したわけではないという。
到着までの約10時間、「他のお客様の迷惑になるので、機内での取材活動、写真撮影は堅くお断りします。破られた際は厳重な措置を取ります」と異例のアナウンスが繰り返された。
関西国際空港に到着したのは午後5時23分。3人は一般客が出た後の同43分、到着ゲートに姿を現した。政府関係者らが周囲を囲む。約100人の報道陣の前、「疲れたでしょう」という問いかけに、今井さんが顔を上げて目で会釈しただけだった。空港内の健康相談室で医師のメディカルチェックや入国審査を受け、そのまま羽田行きの日航機に乗り込んだ。
羽田空港には午後7時55分に到着。3人は報道陣約30人が待ち受けるロビーは通らず、航空会社が用意したマイクロバスに乗り込み、VIPルームに直行した。
健康チェックなどを受けた3人は午後9時37分、家族や支援者とともにVIPルームから出て来た。報道陣のライトやフラッシュが照らす。今井さんは兄洋介さんに付き添われて出てきた直後に一礼。高遠さんは弟の修一さんに肩を抱かれて、歩きながら報道陣に向けて何度も頭を下げた。郡山さんはうつむき加減だった。3人は早足に大型バスに乗り込んだ。
◇ ◇
3人の家族らは18日夜、東京都内のホテルで記者会見し、3人のメッセージを伝えるとともに、再会の様子を話した。
郡山総一郎さんの母きみ子さん(55)は「最初に『よかったね』と声をかけた」と再会の場面をうれしそうに語った。総一郎さんは「うん」とうなずいた後、「助けてもらってありがたい」と答えたという。
イラクに戻ることについては「今はもう危険すぎてどれだけ仕事ができるか。一度日本で落ち着いて考えたい」と話したという。きみ子さんは総一郎さんの状態について「落ち着かなく、手を握っても震えがある感じがした」と心配した。
会見に同席した精神科医によると、拘束中は、総一郎さんが冗談を言って他の2人を励ましていたという。
今井紀明さんは母直子さん(51)に「かあさんの顔を見てやっと日本に帰ってきたんだなあという気がした」と話したという。直子さんは「3人でいたことが良かった。助け合えたからここまでこれた」とホッとした様子で話した。
ドバイまで迎えに行った高遠菜穂子さんの弟修一さん(33)は、高遠さんについて「カメラのフラッシュで足がすくんだり、言葉が出なくなったり、おびえている状態だ」と語った。
拘束時の様子については、すべての家族が「聞いていない」とした。
◇3人のメッセージ全文
3人はドバイから関西国際空港へ向かう機内でメッセージを書いたという。全文は以下の通り。
▽高遠菜穂子さん この度、日本の皆さま、そして世界中の皆さまに大変なご心配、ご迷惑をおかけしましたこと、伏しておわび申し上げます。誠に申し訳なく思っております。また、私たちの解放のため多大なるお力を尽くして頂きましたことに全身全霊で感謝申し上げます。本当にありがとうございました。解放されたことは徐々に受け止められるようになりましたが、まだ現実を掌握しきれていません。心身共に回復するまで今しばらくお時間を頂くことをお許し下さい。必ずお話しします。
▽今井紀明さん 皆様、ご心配おかけして本当に申し訳ありませんでした。また、救出に向けて多くの方が協力していただいたことに感謝しています。体調に関しては食事があまりとれず、いいとはいえません。今になって非常に疲労感が出ています。本当にご心配おかけしました。
▽郡山総一郎さん このたびは国民の皆さまに多大なるご迷惑、ご心配をおかけしたことを深く反省し、おわびの言葉もございません。本当に申し訳ありませんでした。こうして無事帰国することができたことを感謝しております。ありがとうございました。(毎日新聞)
[4月19日0時46分更新]
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週刊新潮
2004年4月22日号(木曜日発売)定価300円
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