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(回答先: 偏向報道に疑問あり 投稿者 ろな 日時 2004 年 4 月 17 日 22:26:56)
皆さんのご意見拝見させていただき、大変参考になります。
私的見解を述べさせていただければ、問題の根源は2つであると考えます。
1つは日本における「民主主義」のあるべき姿と現実との乖離から生じる
「政府」の形成です。間接民主主義における代議士の選出は、「大・中・小」
選挙区のいずれをもってしても、所詮は地域振興を公約とした戦いであり
日本国内における地域のエゴとエゴのぶつかり合いと妥協からなる形骸化した
産物であると考えています。理解不能な駅ができたりICができたりといった
現象は、「代議士に選出された単なる恩返し」に過ぎません。保険としての
「比例代表制度」を含め、私から見ますと代議士の大半は「大学受験」を
当面の人生の目的とした学生にダブって見えます。代議士になり、閣僚になった
方々が虚言に近い公約をどれだけ実行に移してきたことでしょうか?
日本の政治の現状は小泉首相の「稀有」で「特異」なキャラクターで辛うじて
形を成していることは賢明な皆さんであれば言うに及ばずであると存じます。
そして2つ目にして最も重要であるポイントは、アメリカへの盲目的追従です。
確かに戦後の日本において、アメリカによる「民主・自由主義」の移植は
近代世界史上稀に見るほどの成功を収めたことは事実です。第二次世界大戦の
教訓としての第9条の重みは、現在も尚世代を越えて受け継がれているとも思います。
しかしながら、イラク特別措置法案や憲法改正論議等、現日本政府の方向性は
国民が選出したはずの代弁者である「代議士」によって、国民の総意とかけ離れて
いっているのもまた揺るぎ難い事実です。第9条と引き換えに「日本の傘」を
引き受けているアメリカは、時として非常に心強いパートナーともなりますが、
本質はイスラエル同様、ジオポリティカル的クリティカルな要国として
片や政治・軍需的、日本においては直接的な軍事要素の高い利用手段として
日米同盟を堅持してきました。憲法に縛られ、真偽の程も微妙なアジア周辺諸国への
帝国主義的行為の贖罪から自国の自衛手段すらままならない現実を巧みに利用され
日米同盟における日本の全面受動的立場がイラク特別法や自衛隊派遣に繋がったと
いうのが現実です。
以上2点を鑑みますと、日本がミクロ的にもマクロ的にも全く主体性のない国家・
政治体制であることが容易に推察されます。
前置きが長くなり恐縮ですが、今回の民間人人質事件について私なりに
言及致します。朝日VS他局(他誌・政府)というような構図がありますが、
上述した2点は恐らくは(100%とは申しませんが)賢明な皆さんであれば
総論的には妥当であると認識していただけるものと存じます。
敢えて「バカの壁」を引用致しますと、「一元論」に基づく議論からすれば
朝日の論調は完全に却下されるでしょう。しかしながら、「二元論」に
立脚すれば、双方の主張がそれぞれに妥当であるということになります。
なぜなら、朝日の論調の根拠は、見方によれば「堕落しきった政治体制」に
対するアンチテーゼを擁護するということであり、一方でその他の論調による
3人のバランス感覚を欠いた善意が招いた「多方面への途方もない迷惑」の事実は
咎められて当然であるからです。
結論としては、偏向報道なるものは今回に限ったことではなく、幸いにして
「二元論」から成立する表現の自由が辛うじて保持されているとういうことであり
最も重要なのは、そうした多面的切り口からなされる報道・事実関係・
バックグラウンドを総合して自らが的確な判断・見識を持ち、それに立脚した
言動を首尾一貫して行えるかどうかにかかっていると思います。
人間の思考・主義・主張・解釈に、「絶対」はありません。