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脅しに屈すれば、テロリストの思うつぼだ。
イラクの日本人三人人質事件は、武装勢力が、自衛隊を三日以内にイラクから撤退させなければ三人を殺害する、と脅迫したまま、進展が見られない。
小泉首相は、人質の三人の救出に全力を挙げるよう指示する一方で、自衛隊を撤退させない、と明言した。テロに屈しないという態度は、当然だ。
自民、公明両党は、自衛隊を撤退させない、という政府の方針を支持した。民主党も、人質事件と自衛隊撤退とは切り離して考える、との方針を決めた。
民主党の岡田幹事長は「彼らの要求を受け入れる形で自衛隊を撤退させることは、卑劣なやり方を認めることになる」と述べた。これが与野党の垣根を超えた共通認識となっている。
自衛隊は、イラク側への主権移譲を目指し、サマワで人道復興支援に従事している。それが国際社会の一員としての責務を果たすことになるからだ。
自衛隊撤退論は、共産、社民両党だけとなっている。
今、自衛隊が撤退したら、一体、どういう事態になるのか。
結果的に武装勢力をますます勢いづかせるのは間違いない。武装勢力が誘拐を効果的な手段と見て、同様の事件を他国にも仕掛けることになりかねない。
イラクから撤退する国が続出すれば、新生イラクの建設に協力する国際社会の足並みが乱れる。イラク情勢は一層、悪化することになる。
日本はテロに容易に屈する国とみられ、国際社会の信用を失う。日本と共同作業するような国はなくなる。日本は、これから国際平和協力のための自衛隊を派遣できなくなる恐れもある。
政府は、関係閣僚で作る対策本部を設置し、米国にも三人の救出に向け、協力を要請している。政府は、逢沢一郎外務副大臣に事件解決の指揮を執らせるためヨルダンに派遣した。
政府は、三人の救出にあらゆる手だてを講じなければならない。
ただ、三人にも問題がある。イラクでは、一般市民を巻き込んだテロが頻繁に発生している。それを承知でイラク入りしたのは、無謀な行動だ。三人にも、自らこうした事態を招いた責任がある。
サマワでは砲撃事件が続いている。自衛隊も警戒を怠ってはならない。
ラムズフェルド米国防長官は「我々の意志が試されている時だ」と、イラク支援に参加する各国に訴えている。
国際社会も、日本国内もそれぞれ結束して対処することが重要だ。
(2004/4/10/02:08 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20040409ig90.htm