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(回答先: 社説:フセイン体制崩壊1年 主権移譲を揺るがせるな [毎日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 4 月 07 日 02:14:15)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20040406ig90.htm
イラク再建に足かせとなりかねない新たな事態である。
イスラム教シーア派の反米指導者サドル師の支持者が、バグダッドなど各地で連合軍部隊と武力衝突を繰り返し、双方に多数の死傷者が出ている。
連合国暫定当局(CPA)は、昨年起きたシーア派聖職者殺害へ関与した容疑で、同師に逮捕状が出ていることを明らかにした。CPAや、米軍を主体とする連合軍には、騒乱の拡大を防ぐため、最大限の努力が求められる。
イラクでは、六月末に、CPAからイラク暫定政府への主権移譲が予定されている。この重要な時期に、イラク人の大多数が望んでいるとされる主権移譲の日程が、武力衝突のために影響を受けるような事態は避けたい。
シーア派は、イラクの人口の六割を占めるが、強硬な反米主義を唱えるサドル師の支持者は、少数派とされている。今回の騒乱に追随する動きが、シーア派の人々の間に一挙に広がることはない、とする見方が多い。
サドル師は、占領体制そのものを拒否している。しかし、NHKなど世界の放送四社の委託を受け、英調査機関が実施した世論調査でも、例えば、連合軍の即時撤退を望むイラク人は、わずか15%に過ぎない。
ただ、一般のイラク人を巻き込む形で騒乱の鎮圧を急ぐと、シーア派の穏健な勢力をも刺激することになる。
シーア派は、旧フセイン政権下で弾圧を受けてきた歴史的経緯から、政権崩壊をむしろ歓迎した。その後も武装闘争を控え、宗教的権威シスタニ師のもとで、多数派としての発言力を背景に“穏健”な駆け引きを展開してきた。
CPAや連合軍には、そうした点を踏まえたうえで、今回の事態にきめ細かな対処をしてもらいたい。
主権移譲という政治プロセスと並行して、復興支援活動を迅速に進めることも肝要だろう。
サドル師の主張に共鳴するイラク人の中には、失業者など多くの貧困層が含まれているとされる。復興が目に見えてくれば、現状への不満から反占領行動に加わっている人々の数は減るはずだ。
そのためにも、国際社会の強力な後押しが必要だ。イラク情勢が混迷に陥り、不安定化することは、どの国にとっても望ましいことではない。
自衛隊が支援活動を続けるサマワは、サドル師の影響力がほとんど及んでいない地域、と言われる。不測の事態に備えて警戒を強化しつつ、復興への尽力を続けてもらいたい。
(2004/4/7/02:51 読売新聞 無断転載禁止)