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(回答先: サドル師支持者と占領軍の衝突 反占領闘争の色彩(毎日新聞) − 「イラクのインティファーダ」の呼称も 投稿者 シジミ 日時 2004 年 4 月 06 日 19:55:58)
率いる民兵1万人…“武闘派”サドルの素顔
イラク「終戦」以来最大の危機
【バグダッド6日=夕刊フジ特電】陥落後、最大ピンチ−。イスラム教シーア派の反米強硬派指導者、ムクタダ・サドル師の民兵組織による騒乱が広がっている。連合軍暫定当局(CPA)が手を焼くスンニ派と違い、穏健派とされるシーア派に何が起きているのか。1万人を率い、逮捕状が出たサドル師の素顔とは。駐留軍との衝突も頻繁になり、緊張は一気に高まる。国民の約60%を占めるシーア派が蜂起すれば、CPAが描く6月の主権委譲は、根底から崩れる危機に直面する。
【ぜい弱な一枚岩】
シーア派には、サドル派、イラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)、ダアワ党などの政治組織がある。
イラク戦争後、各派の勢力争いが激化した時期もあったが、昨夏ごろから最高権威のシスターニ師を担ぎ出して一時休戦に入り、「シーア派全体の伸長に努めてきた」(関係者)という。
シスターニ師の重しはあるものの、シーア派は一枚岩ではなく、ちょっとしたトラブルで瓦解する恐れをはらんでいた。その不安定さがサドル師一派の騒乱を生んだ。
【危機募らせ…】
サドル派が協調路線から一気に騒乱に走ったのは、3月下旬以降、自派の新聞が発禁処分を受け、有力幹部も拘束されるというCPA側の強まる攻勢に危機感を募らせたためとみられる。
率いる民兵組織「マハディ軍」は約1万人規模で、サドル軍団ともいわれる武闘派である。
昨年4月のバグダッド陥落から反占領政策を一貫して打ち出しており、「もはやデモに意味はない。敵を威嚇するのだ」と、占領軍を明確に「敵」と位置づける。
4日にバグダッド南部のナジャフで起きた流血事件でも、サドル師は「あなたたちだけを敵に向かわせることはない」と呼びかけた。
【名門一家】
サドル家は多くのイスラム法(シーア法)学者を出した名家。シーア派を嫌ったフセイン政権に一族のメンバーが次々に殺害されたことで、「殉教者一族」としても信徒の信頼を集めてきた。
サドル家への信頼は絶大だ。4日に衝突があったバグダッド東部の都市・サドルシティーは、以前はサダムシティーと呼ばれ、旧政権崩壊後、市民によって改名されたほどである。
サドル師は30歳そこそこで、宗教者としては「ムフタート(学生)」の域を出ない。シスターニ師と張り合えるのは、位階で大アヤトラ(最高権威)だった父の威光があるからだ。
だが、「宗教者=政治家」とされるなか、未熟さは隠しきれず、ナジャフのハウザ(神学校)での評価は低い。
米軍も駐留後、サドル師を無視し、占領行政から排除しようとした。これまでは穏健派のシスターニ師がサドル師を押さえ込んできたが、CPAの対応は危機感と失望にかられたサドル師が暴走する契機となった。
【迫る駐留軍】
ブッシュ大統領は「この人物と支持者は民主主義を拒否しているようだ。我々は放置できない」と非難する。
CPAのブレマー代表も「合法的政権の代わりに別の権力を打ち立てようとしている。許容できないことだ」と述べ、サドル師の責任追及の意思を鮮明にした。
CPAはサドル師に対し、数カ月前に逮捕状を出したことを明らかにした。昨年4月に起きたシーア派有力聖職者の暗殺事件に関与した疑い。
セナー報道官は逮捕について、「事前警告を行わない」との強硬方針を示している。
サドル師は現在、ナジャフ近郊にあるクーファのモスク(イスラム教礼拝所)に立てこもっている。不測の事態に備えて支持者の若者らが護衛し、座り込みの抗議行動を続けているという。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、米軍は5日夜、クーファに進駐した。
軍事的な衝突は避けらそうにない。スンニ派や旧政権残党、国際テロ組織に手を焼いているCPAは、新たな火種を抱えることになった。
ZAKZAK 2004/04/06