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http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/afro-ocea/news/20040407k0000m030018000c.html
【バグダッド福島良典】イラクのイスラム教シーア派反米指導者、ムクタダ・サドル師の支持者と占領軍の衝突は6日、南部ナシリヤに飛び火、これまでの対米攻撃・テロと異なり、不当な占領統治に抗議する反占領闘争の色彩を一段と強めている。当局はサドル師に逮捕状を出し弾圧姿勢を強めているが、今後、一般住民が同師率いる強硬派の動きにどう対応するかが焦点だ。
今回の事態をアラブのメディアはイスラエル軍に対するパレスチナ民衆の反イスラエル抵抗闘争(インティファーダ)になぞらえ、「イラクのインティファーダ」と呼び始めた。これまでの旧フセイン政権残党やテロリストによる銃撃や爆弾テロと違って、デモ隊と占領軍との正面衝突が引き金となったためだ。
また、2000年9月にヨルダン川西岸とガザ地区で燎原(りょうげん)の火のように広がったパレスチナ人の蜂起同様、サドル師派と占領軍の衝突も4日以降、イラク中部のシーア派聖地ナジャフから首都バグダッド、南部のバスラ、ナシリヤへと拡大。イラク中・南部の治安情勢を一気に悪化させている。
サドル師支持者の動きの特徴は単なる占領軍攻撃にとどまらず、米英占領当局(CPA)が敷いたイラク統治の仕組みの正統性に異議を申し立てている点だ。占領当局の指名で昨夏に発足したイラク統治評議会をサドル師派は「イラク国民を代表していない」(サドル師側近)と非難しており、バスラの県知事庁舎占拠は占領統治システムに対する「挑戦状」と言える。
旧フセイン政権崩壊から1年を迎えるイラクでは統治評議会や暫定内閣省庁にはびこる縁故主義、改善の兆しが見えない市民生活、拡大する貧富の差などに対して一般住民の不満と失望が広がっている。サドル師派の占領非難は民衆の声を代弁している側面もあり、今後、シーア派を中心とする民衆の動向が事態推移のカギを握りそうだ。
統治評議会はシーア派最高権威で穏健派のアリ・シスタニ師の協力を得て、サドル師に蜂起自制を呼びかけたが拒否され、抑えが利かない状態だ。一方、米国はサドル師逮捕の環境を整えるとともにイラクへの軍部隊増派を検討するなど鎮圧強化の構えを見せている。だが、当局がサドル師逮捕などを強行すれば、同師支持者が暴徒化、イラク情勢の泥沼化を招くのは必至だ。
毎日新聞 2004年4月6日 18時49分