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(回答先: 「法」切り口に反核訴え 人文字その後 [中国新聞] 投稿者 なるほど 日時 2004 年 3 月 22 日 01:26:35)
【写真説明】イラク開戦1周年フォーラムの準備に集まった「NO DU ヒロシマ・プロジェクト」事務局のメンバー '04/3/21
■危険性証明へ進む連携
「NO DU」。二〇〇三年三月、被爆地広島の人文字集会で一躍、時の言葉となった。
「なじみのない問題の『NO DU(劣化ウラン弾禁止)』は人文字に使わず、『NO WAR』だけにして、人集めに集中しよう」。イラク開戦の機運に危機感を深め、集会の実行委では、そんな声も強かった。
「知られてないからこそ、人文字にすべきだ」。敢然と譲らなかったのが、集会の呼びかけ人代表で神戸大教授の嘉指信雄さん(50)だった。二〇〇二年十二月、訪ねたイラクでDU被害とみられる病苦にあえぐ市民の姿が忘れられなかった。
嘉指さんは集会の参加者たち十数人と組み、〇三年六月、人文字で訴えた「NO DU」を世界に広げるキャンペーンを始めた。「NO DU ヒロシマ・プロジェクト」である。
イラクの土壌調査
同プロジェクトの事務局メンバー六人が今月十三日、広島市中区の市まちづくり市民交流プラザに集まった。現地の医師を招き、二十日に中区の原爆資料館東館で開くイラク開戦一周年フォーラムの打ち合わせだ。
「知れば知るほど、イラクの実情をもっと広めなきゃと思う」と話すのは、事務局の尾崎令枝さん(34)=佐伯区。医師の出迎えや資料準備など、雑多な裏方仕事も全くいとわない。
イラクでは、湾岸戦争で米軍が使用したDUの影響を疑われるがんや白血病が、罪の無い子どもたちにも多発している。しかし、米国も世界保健機関(WHO)も「因果関係を認める科学的根拠はない」として、危険性を認めていない。
同プロジェクトは結成後、イラク市民の窮状を国内外に伝えると同時に、DU被害の科学的証明につなぐ取り組みを地道に進めてきた。
昨年六月には、メンバーの森滝春子さん(65)が調査団に加わってイラクに渡り、現地の土壌や患者の尿を採取。科学者の分析を見守る。インターネットや国際会議で人脈を広げ、イラク市民の白血病患者を診察した医師、DU禁止を求める欧州の運動団体、専門家との連携も進めている。
レバノンから反響
「派手なイベントとは無縁だけど、劣化ウラン弾の危険性について(米国などの)反論を許さないだけの事実を、着実に積み上げたい」。長年、いろいろな平和運動にかかわってきた森滝さんは今、プロジェクトに力を注ぐ。
思わぬ反響もある。「あなたたちのキャンペーンと小冊子に、とても興味を持った」。今年二月、中東レバノンで環境問題の月刊誌を発行している編集長から、電子メールが届いた。
小冊子というのは、〇三年八月六日に発刊した「ヒロシマ・アピール」。「化学的毒性が高い放射能兵器」とDUの使用禁止を訴える内容で、日本語版は一万二千部、英語版は三千部が完売した。注文が相次ぎ、印刷が追いつかない。
レバノンからのメールは、「ヒロシマ・アピール」のアラビア語版の出版を勧める提案だった。「アラブ圏のメディアや政府に届けよう」「要約版を、雑誌の別冊付録にしたい」―。
「覆い隠されてきたDU問題を明るみに出す作業こそ、米国の言う正義の戦争や核軍拡路線を問い、それに付き従うだけの日本政府の姿勢を突き崩す鍵になる」。嘉指さんの思いは、プロジェクトの波紋が広がるほど、強くなる。
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劣化ウラン弾 核燃料にする天然ウランの濃縮時にできる劣化ウラン(低レベル放射性廃棄物)の高い比重や強度に着目し、合金化して貫通力を強化した砲弾。主に対戦車用で使う。燃焼時に酸化ウランが微粒子となって飛び散るため、放射線や化学的毒性による健康被害が懸念されている。米軍が開発し、湾岸戦争で初めて使った。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn04032135.html