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侮蔑的な主張
LE MONDE|17.03.04|
国民党敗北の翌日、一つの主張が幅を利かせ始めた。それはテロに対する恐怖がスペイン人の投票を左右し、ザパテロに有利に働いたというものである。それはアングロサクソン系の新聞で、イタリアの政界中枢で、ブッシュ政権のすべてではないがアメリカの高官たちによって唱えられた。
この見解に従えば、アルカイダが先の日曜日に投票を“行ない”3月11日の虐殺によって戦術的に勝利をおさめたというわけである。マドリード2004年は新たなミュンヘンの同義語である。スペイン人がアズナールよりもサパテロを選択したのは、イギリスが、1930年代に、ナチの危険に面して「チャーチルよりもチェンバレンを選択した」ようなものと、『ウォール・ストリート・ジャーナル』は書く。
この主張は検討に耐えるものではない。それは第一、テロの脅威とともに日常生活を送っているスペイン人に対する多大な侮蔑を示している。この10年間、ETAの犯行は800人以上の命を奪った。スペインの民衆は、また途方にくれていた政治的党派の面々は、このテロリズムに直面して、今まで指導的立場の者が示すことのなかった毅然とした態度を表明したのである。
さらに、ザパテロ氏と社会党の仲間は、ジョージ・ブッシュの政策へのアズナール氏の無条件の支持を非難するために、3月11日の凶行を期待していたわけではない。−−−−
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ある人々が信じ込ませようと望んでいる事柄とは反対に、スペイン国民は恐怖によってではなく、怒りによって、アズナール氏と国民党に反対票を投じたのである。政府がテロの犯人について情報操作を行い、嘘をついたことを支持しなかったのである。大きなメディアへの圧力によるこの情報操作は、イラクに大量破壊兵器があるという嘘をも浮き上がらせた。たとえばアズナール氏は大量破壊兵器の存在について説明を拒んだ。−−−−
こうしてスペインの右派は、不幸にして(アメリカに盲従するのみで)独自の政策を持たないことによって自ら倒れた。スペイン民衆の飛躍が、テロリズムに遭遇した結果の退行現象とはほど遠く、一つの民主主義の教訓であるとするゆえんである。
http://www.lemonde.fr/web/article/0,1-0@2-3208,36-357086,0.html