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(回答先: Re: ラホイ氏が投票所で罵声を浴びる(独ZDFテレビ) 投稿者 さすれば 日時 2004 年 3 月 15 日 13:14:44)
【マドリード山科武司】「(テロ事件発生前の)水曜の夜には誰もこれを予想しなかった」。テレビの選挙速報番組でコメンテーターが語った通り、14日投票のスペイン総選挙は野党・社会労働党の勝利、与党・国民党の大敗という予想外の結果に終わった。「社労党が勝った」というよりは「国民党が負けた」選挙。十分な国民の理解を得られないままブッシュ米大統領に追随してイラク戦争支持に回り、テロを防げなかったアスナール政権が最後に高い代償を払わされた形だ。
11日に発生した同時多発爆破テロが選挙の流れを大きく変え、アスナール政権の外交政策への批判が最終盤で再燃した。アスナール首相自身は今期限りでの引退を明らかにし、ラホイ幹事長が後継となって国民党の変化を演出したが、テロ後の有権者の意識変化の方が大きかった。
選挙戦はアスナール首相の2期8年の評価を問う意味を持ったが、経済好調の中で与野党の主張に大きな違いはなかった。次期首相就任が確実になったサパテロ書記長が率いる社労党はイラクに派遣した部隊の撤退を求めたものの、6月末までは現在派遣中の部隊の駐留を認め、その後は国連が中心的役割を果たさない限り撤退するという穏やかな方針で、争点にはなっていなかった。
しかし、200人の死者を出した11日のテロ事件で有権者の政治意識が急激に高まった。12日にスペイン全土で行われたテロへの抗議デモには、全国民の4人に1人、1100万人(地元紙報道)が参加する盛り上がりを見せた。これまで選挙に参加しなかった人々、特に若者が投票に参加し、野党に有利に働いた。
さらに投票前日の13日に、事件の容疑者として国際テロ組織「アルカイダ」とのかかわりが疑われる人物が逮捕され、犯行声明のビデオテープまで発見された。これまでアスナール政権が国会でもイラク戦支持の理由を明確に説明してこなかったこともあり、テロを防げなかったアスナール政権への不満が爆発した。十分に調査が進まない段階から、当局者がバスク地方の分離独立を目指す非合法組織「バスク祖国と自由」の犯行と決めつける発言を繰り返したことも政権への不信を増幅した。
同じ左派系の政党である統一左翼(IU)は今回、議席数を減らした。社労党は若年層に加え、従来は他党に流れていた左派系の票までも取り込んで勝利に結びつけたとみられる。IUのジャマサリス党首は「みながアスナールの独裁的な手法に嫌気がさしていた」と語った。
[毎日新聞3月15日] ( 2004-03-15-13:24 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20040315k0000e030061000c.html