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(回答先: [尖閣不法上陸]「中国の領有権主張は無理すぎる」(読売新聞) 投稿者 シジミ 日時 2004 年 3 月 25 日 22:06:02)
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
尖閣諸島のひとつ、魚釣島に上陸した7人の中国人が沖縄県警に逮捕され、不法入国の疑いで捜査が進んでいる。
日本の領土であり、日本が実効支配している島々だ。上陸の違法性は明らかだ。逮捕という手段がとられたのは初めてだが、長時間滞在した事実を考えれば、当然と言うべきだろう。
日中両政府の対応は冷静だ。事件の影響を最小限に抑えるための外交当局間の連絡も密なようだ。中国側にも、対日批判に火を付けようというメディアは見あたらない。領有権をめぐる対立は対立として、それを日中間の火種にはしないという暗黙の了解が生きていることは幸いだ。
むしろ深刻なのは、中国の活動家にやすやすと上陸を許してしまった危機管理のお粗末さだ。
7人と同じように尖閣諸島に近づき、できれば上陸を果たして愛国心を誇示しようという活動家は、中国大陸ばかりか台湾、香港にも珍しくない。対抗して、尖閣上陸をめざす動きが日本側にもある。
領土問題は愛国心を刺激する。日本政府が尖閣領有の意思を常に明確にしておくべきは言うをまたないが、感情的な対立はできるだけ抑えなければならない。問題が日中関係を揺るがすようなことになっては、日本にとっても利益ではないからだ。
海上保安庁が中国などの活動家を島に近づかせないための厳重な警備を敷いてきたのは、そうした政策判断ゆえだろう。
ところが、今回は海上で阻むどころか、上陸を許してしまった。活動家たちは事前に計画を公表し、大陸や香港のインターネット上でも話題にもなっていた。「間隙(かんげき)をつかれた」と福田官房長官は言うが、尖閣諸島の警備がいかに重い意味を持っているかをあらためて認識してもらいたい。
尖閣問題は、単に無人島の帰属をどうするかという単純なものではない。
周辺に石油資源が眠っているかもしれない、きわめて戦略的に大事な地域だ。中国の調査船も活発に活動している。資源探査だけでなく、潜水艦の航路を探っているとの見方もある。領有権という火種をうまく制御して爆発させないことが、これからますます重要な課題になってくる。
日本国内には、尖閣にも日米安保条約が適用されることで米国が中国を牽制(けんせい)する役割を果たすよう望む声があるが、米政府は領有権については中立を明言している。尖閣問題は日中で取り組むしかない。
「我々の世代の人間は知恵が足りない。次の世代はもっと知恵があろう」。故トウ小平氏が尖閣問題を語った言葉だ。いい知恵を出すためにも、双方が冷静に語り合える環境を守っていかねばならない。
日中はアジアのふたりの巨人だ。いがみ合うのか、協調するのかで世界も影響を受ける。尖閣問題に欧米からそんなまなざしが注がれていることも忘れまい。