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(回答先: 英首相:リビアに到着、カダフィ大佐と会談 [毎日新聞]【リビア国軍部隊の訓練請負いも申し出:BBC】 投稿者 あっしら 日時 2004 年 3 月 26 日 04:05:34)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20040325i115.htm
英首相がカダフィ大佐と会談、歴史的和解
【ロンドン=飯塚恵子】ブレア英首相は25日、リビアを訪問し、最高指導者カダフィ大佐と会談した。英国首相のリビア訪問は、同国独立(1951年)以来、初めて。会談は、「テロ支援国家」として長年孤立してきたリビアの本格的な国際社会復帰への第一歩となった。また、英国にとっては、「テロとの戦い」の成果を内外にアピールするとともに、リビアが抱える石油利権に手を伸ばそうという思惑もある。
ブレア首相は会談後の記者会見で「大佐は、英国との新しい関係の樹立がリビアの将来のために最良の道だ、との強い決意だ。テロとの戦いにも全面的な協力を約束してくれた」と述べた。首相によると、大佐は「(国際テロ組織)アル・カーイダは、西側だけでなく、アラブ社会に対する脅威だと認識している」とも語ったという。
こうした姿勢を受け、首相はリビアと新たな政治、経済関係だけでなく、リビア軍人の英国への招請など「二国間の新たな軍事関係確立」にも合意したことを明らかにした。
ブレア首相は、トリポリ市内に常設されている応接用テント内で、緊張した面持ちで大佐と握手した。
英国首相のリビア訪問は、第二次大戦中にチャーチル首相(当時)がトリポリを訪れて以来。1969年の権力掌握以来、過激な「反米帝国主義」を掲げ、近年は「テロ支援国家」に指定されてきた国家元首と国際社会との「歴史的和解」(英BBC放送)の瞬間だった。
リビアは昨年12月に大量破壊兵器開発計画の完全廃棄を表明し、米英両国はこれを高く評価。今回の首相訪問はその“報奨”との位置づけだ。リビアにとっては、長期にわたる経済制裁を解除し、主要国との貿易・経済活動を進めることで、困窮が続く国内経済を改善するチャンスとなる。
ブレア政権、そして米ブッシュ政権にとって、今回のリビアとの関係改善は、「テロとの戦い」の具体的な成果を示し、世界中で一段と批判が強まるイラク戦争を正当化する重要な材料となる。
大量破壊兵器開発計画の完全放棄に踏み切ったリビアの“改心”は、イラク戦争による旧フセイン政権の末路を見たからこそだ――と、いうのが米英両政府の主張だ。
英政府筋は「大佐の気が変わらないうちに、我々との約束を実際に確定させることも重要だ」と語り、昨年12月の表明の具体化を急ぐ必要があったとの見方を示した。
さらに、ブレア政権にとっては、英経済界からの強力な圧力もあった。
リビアは、世界第9位の石油資源の確認埋蔵量を持ち、石油産業を国営化している。ブレア首相の報道官は、石油業界大手のロイヤル・ダッチ・シェルが25日、リビア側と天然ガスの調査・採掘をめぐり、約2億ドル(約210億円)規模の開発契約を結んだことを明らかにした。英財界関係者によると、リビアの石油利権への今後の投資価値はこの5倍にもなるという。
また、英軍需産業最大手のBAEもこの日、今後のリビア政府との民間、軍用両面での航空機契約などについての折衝を始めた。
ただ、カダフィ大佐は国内では依然として独裁者だ。また、リビアは計270人が死亡したパンナム機爆破事件(88年)を引き起こし、英国内の過激派アイルランド共和軍(IRA)に長年武器を供与してきた過去もある。
このため、内外からは「政治、経済面での思惑が先行し、性急過ぎる」(野党・保守党)との批判も出ている。
◆カダフィ大佐=1969年に国王を追放し、軍事政権を樹立したリビア最高指導者。ナセル元エジプト大統領の説く「アラブ民族主義」に共鳴、著書「緑の書」で人民主権、脱西欧、直接民主制の導入を提唱した。反米主義を掲げて過激派組織と関係を深めたため、レーガン米大統領は「狂犬」と呼んで敵視した。外遊時も遊牧民テントで宿泊する独自のスタイルで知られる。大佐の称号を変えないのは、エジプト革命時のナセル氏が大佐だったためという。61歳。
(2004/3/26/01:45 読売新聞 無断転載禁止)