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(回答先: ウソだらけのイラク・年金なぜ国民は怒らないのか(東京新聞・特報) 投稿者 ラクダ 日時 2004 年 6 月 06 日 10:40:12)
日本中に壁、壁、壁...。
なぜ日本国民は、これほどに為政者たちによって愚弄されようと、反逆しないのか。怒らないのか。
これまで、日本の反動化に関心を抱いてもらうべく、友人たちに『茶色の朝』や『戦争のつくりかた』を送るなどしてきた中でも、やはり落胆させられることが多かった。
例えば、私が有事法が整備されれば私たちの生活がどんな風になるか説明しても、「そっかー、そうなっちゃうんだー」で思考が止まってしまう。彼ら彼女らは、一様に、どうすれば阻止できるかと考えることをしない。端から「社会変革のために起ち上がる」「抗う」といった発想すらないようだ。
やりきれない思いで、一体日本人はいつから怒りや想像力を失ってしまったのか、と悶々と考えていた。1991年のPKO法成立当時も、かな〜り静かではあったけれど、まだ反戦平和を是とする空気は保たれていたのに、それ以降は...。
そこへ、今日の東京新聞 ウソだらけのイラク・年金 なぜ国民は怒らないのかを読み、少し解明された気がした。高橋哲哉・宮台真司両氏による分析だ。
東西冷戦や高度経済成長という国民合意と「一億総中流」の崩壊を経て、「勝ち組」は治安を求め、「負け組」は強者に感情移入し更なる弱者に不満をぶつける。成功体験・優等生感覚、要は「過去の栄光」に縋っていたいがための現実逃避を受け皿に、愛国心鼓舞がなされているとのこと。
日本列島の外周やら随所に張り巡らされた見えない壁の正体は、これだったのかもしれない。「一億総ひきこもり」とでもいうべきか。
では、比較的高い年齢層が、右傾化の中核を成していると見ていいのだろうか。過去から学ばず、更なる戦禍を経ないことには現実に目覚めることがない?くだらない虚栄心のために愛する人々を犠牲にしてしまうのか?
若年層の無関心に関しては、やはり、歴史の改竄や考えさせない詰め込み教育の影響も大きいだろう。
とはいえ、カレル・ヴァン・ウォルフレン氏の説くように、人間とは生来「外界に積極的に関わり、知的にも感覚的にも社会に関与する能力と傾向を持っている」。幼児の好奇心旺盛ぶりに、顕然と表れている。日本人の無関心とは「人為的に植えつけられた」ものであり、無関心でいることは即ち権力者に愚弄され続けることだと自覚しないことには始まらない。
政治の馬鹿ばかしさについては、田中良太氏の指摘が当を得ていると思う。
得票数減を議席減に直結させない手法もある。投票率を下げればいいのである。…
投票率を低下させるには、政治をばかばかしいものにし、有権者に『投票によって政治を変えことは不可能だ』という無力感を持たせるのがいちばんだ。
そういう意味では、今回の年金改悪さえ参院選で奏功することだろう。現に、あまりの悪政ぶりに、怒りを吸い取られたかのように呆然としてしまう国民は多いはずだ。私自身、しばしば無力感に圧倒されそうになる。
けれど、この国の政治がばかばかしいと思うなら尚のこと、変革すべく関わってゆかねばならない。社会の一員である限り、誰も政治と無関係ではいられないのだから。ここで無力感の虜になってしまっては、政治屋たちの思うツボなのだから。
とにもかくにも、
知性の核心である想像力を鍛えることが大切。自分の体験を超え、世界に共感できる知性を持つこと
(高橋氏)
これに尽きる。
どうか、想像してみてください。あなたの愛する人が手足や頭をもぎ取られ、あるいは黒焦げにされて「玉砕」する様を。
http://si-f.air-nifty.com/bal/2004/06/post_3.html