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(回答先: 参院厚生労働委員会の強行採決は、完全に違法 投稿者 ODA ウォッチャーズ 日時 2004 年 6 月 06 日 04:46:27)
森田実の時代を斬る
2004.6.4
自公与党の抜き打ち強行採決と年金問題――野党よ、本気で怒れ!
「力なき正義は無効であり、正義なき力は暴圧である」(パスカル)
6月3日、自民・公明両党は参院厚生労働委員会で抜き打ち的に年金法案を強行採決した。
6月3日夜、国会担当記者と参院厚生労働委員会の現場にいた旧知の民主党参議院議員と話す機会があり、6月3日の強行採決の 模様と“真相”を聞いた。
この日、民主党参院幹事長の山本孝史議員が小泉首相に質問した。山本議員は、小泉首相個人の問題とくに勤務実態がないのに厚 生年金に加入していた問題を細かく追及した。小泉首相は答弁に窮し立ち往生する場面も見られたという。その時、山崎正昭官房副 長官(参議院議員)が自民党委員に耳打ちした。抜き打ち的強行採決はこの直後に行われた。これをきっかけに緊張感がみなぎっ た。
自民・公明の与党側は「採決阻止のため野党側が動員をかけていたので、混乱回避のため、その前に抜き打ち的にやった」と言っ ている。しかし、それはあとでつけた言い訳のようである。
民主党議員は「小泉首相が答弁できなくなったため、このまま、共産党委員、社民党委員の厳しい追及がつづいたら、小泉首相が あぶないと官邸側が判断し、強行採決の時間(当初は4時頃と予定)を約1時間繰り上げたのではないか」と語っている。この方が 信憑性がある。
6月3日の強行採決は極めて異例なものだった。
第一に、参院では、今までは、首相との質疑中に強行採決に踏み切ることはなかった。首相の答弁が行われている最中の強行採決 は初めてのことだった。
第二に、あとに共産党議員、社民党議員、西川きよし議員の3委員の質問が予定されていた。これほど多くの質問者が残っている にもかかわらず、抜き打ち的な審議打ち切りを強行したのは異例中の異例である。
第三に、与党側から予定されていた首相への質問がほとんど終了する午後4時頃に強行採決を行うとの情報が流されていた。参議 院の与野党議員の関係は、衆議院に比べて親密であり、激しい対立を好まないため、与党側も抜き打ち的行為を慎んできた。このよ うな参院独特の与野党関係からすると、抜き打ち的な行為はあまりにも異常なことであり、野党側を怒らせた。「公明党は強引だ。 力ずくだ。自民党は強引な公明党に引きずられた。公明党は目的のためならどんなことでもやるおそろしい政党だ」との公明党への 強い警戒感が、野党内で高まっている。
今まで国民は小泉首相に甘かった。「この程度の公約違反は大したことではない」など、一昔前なら総辞職に追い込まれるような 大失言も、国民の甘さに助けられてきた。しかし、6月2日の岡田民主党代表に対する「人生いろいろ、会社もいろいろ、社員もい ろいろ……」という不真面目な答弁にあきれた国民は少なくない。岡田氏の生真面目さをばかにするかのごとき傲慢な態度に腹を立 てた人は多かった。私は多くの人の怒りの声を聞いた。
しかし、それ以上に問題なのは、首相には順法意識が希薄ではないかという見方が政界だけでなく、国民の間にも広がっているこ とだ。過去の年金の未納問題について多くの政治家が記者会見で国民に謝罪しているのに、小泉首相は「何のために謝らなければな らないのか、理解に苦しむ」と開き直っている。岡田代表が「それが総理の言うことか」と怒ったのは、当然のことである。多くの 国民が岡田氏と同じ気持ちになってきている。
6月3日の与党による抜き打ち強行採決は、無茶苦茶な答弁をつづけることができなくなって窮地に立った小泉首相への自公両党 の「助け船」だったのである。今回の強行採決は臭いものには蓋をしてしまうがごとき暴挙である。
6月4日、岡田民主党がどんな反撃を見せるかが注目されている。秘策などない。ただただ誠実に愚直に行動するのが岡田民主党 の進むべき道である。
数日前、今泉昭参院国対委員長が新聞記者との非公式懇談の席上で語ったといわれる「年金法案を廃案に追い込む秘策がある」と の一言から、秘策探りが始まったが、力ずくで押し切ろうとする自民・公明連合軍の攻撃を阻止する「秘策」などあるわけはない。 「秘策とは副議長辞職」との情報があるが、これでは良識を捨て去った自公両党の暴走を止めるのは困難ではないか。民主党に残さ れているのは「愚直な行動」のみである。
議会内で許されているあらゆる抵抗手段を行使し、年金改革関連法案の不当性を国民に訴え、国民対小泉自公体制の対立構図をつ くり出すことだけが民主党に残された手段である。具体的に言えば、6月4日午後から始まると予想される参院本会議を、小泉首相 のサミット出発後まで引き延ばすことができるか否かである。小泉首相がサミットに遅刻するところまで追い詰めることができた 時、奇跡が起こるかもしれない。
これからが本番である。野党は本気で怒るべき時である。
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C0743.HTML